

収支内訳書を手書きで作ると税務調査を受けやすい
白色申告で提出が必要な収支内訳書は、国税庁の公式サイトから無料でダウンロードできます。確定申告書等の様式・手引き等のページにアクセスし、該当年分の収支内訳書PDFファイルを選択すれば入手可能です。
参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/syotoku/r07.htm
ダウンロードしたPDFファイルを印刷すれば、そのまま税務署への提出用として利用できます。提出用と控用がそれぞれ2ページずつ用意されており、合計4ページ分のPDFとなっています。
参考)収支内訳書 ダウンロード - 白色申告で提出する確定申告書類
印刷する際は、A4サイズの白色用紙を使用し、両面印刷ではなく片面印刷で出力してください。税務署窓口でも同じ用紙を無料で入手できますが、事前にダウンロードしておけば窓口に行く手間が省けます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、オンライン上で直接入力して作成することも可能です。
国税庁:収支内訳書(一般用)のPDFダウンロード
上記リンクから令和3年分以降用の収支内訳書(一般用)がダウンロードできます。
収支内訳書には「一般用」「農業所得用」「不動産所得用」の3種類があり、事業の種類によって使い分けます。
📋 収支内訳書の種類と対象者
大多数の個人事業主は「一般用」を使用すれば問題ありません。
農業と別の事業を兼業している場合は、主たる事業に応じて選択します。複数の所得区分がある場合は、それぞれの所得区分に対応した収支内訳書を作成する必要があります。
どの種類を使うべきか迷った場合は、管轄の税務署に問い合わせると確実です。
白色申告で収支内訳書の提出が必要なのは、事業所得・不動産所得・山林所得がある場合です。また、前々年の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超える場合も提出が必要になります。
逆に、給与所得のみの会社員や年金所得のみの年金受給者は、収支内訳書の提出は不要です。副業による雑所得がある会社員でも、前々年の雑所得の収入金額が1,000万円以下であれば、収支内訳書の提出は必要ありません。
青色申告の承認を受けている個人事業主は、収支内訳書ではなく「青色申告決算書」を提出します。青色申告の申請を出していなければ、自動的に白色申告の扱いとなり、収支内訳書の提出が必要です。
つまり、青色です。
会計ソフトを使用している場合は、設定に応じて自動的に適切な書類(収支内訳書または青色申告決算書)が作成されます。
参考)収支内訳書の作成 - やよいの白色申告 オンライン 確定申告…
収支内訳書を提出しない場合、法的な罰則はありませんが、税務署から督促状が送られてきます。督促を無視し続けると、税務調査の対象になりやすくなります。
参考)白色申告で経費になるものは?具体例や範囲、収支内訳書の書き方…
記入ミスがあった場合も同様に、税務署からの問い合わせや督促が発生します。申告期限ギリギリで提出していた場合、修正が間に合わず申告が遅れ、追徴課税が発生することも考えられます。
期限後申告になると、納付が遅れた日数に応じて延滞税がかかります。青色申告事業者の場合は、最大65万円または55万円の青色申告特別控除が10万円になるというペナルティも発生します。
参考)確定申告を忘れたらどうなる?ペナルティや後から申告する仕方を…
特に「本年中における特殊事情」欄を空欄にしておくと、前年と大きく異なる申告内容があった際に、税務署から不審な動きだと認識される可能性があります。
参考)【白色申告】で確定申告!必ず提出する収支内訳書の書き方
例えば、売上が前年より大幅に減少した場合や、経費が急増した場合などは、その理由を具体的に記入しておくと、正当な理由があると判断されやすくなります。
弥生株式会社:確定申告を忘れた場合のペナルティ詳細
確定申告の期限後申告や提出忘れによる延滞税・加算税について詳しく解説されています。
会計ソフトを使用すれば、日々の帳簿づけが終わった段階で、自動的に収支内訳書を作成できます。手書きやExcelで作成する場合と比べて、計算ミスや記入漏れのリスクを大幅に減らせます。
「やよいの白色申告 オンライン」や「freee会計」などの白色申告対応ソフトでは、簡単な質問に答えるだけで、収支内訳書と確定申告書の両方を作成できます。作成した書類は印刷すれば、そのまま税務署へ提出可能です。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-shiroiroshinkoku/balance/
💻 会計ソフト利用の主なメリット
無料プランを提供している会計ソフトも多いため、まずは試用してから本格導入を検討するのがおすすめです。
特に従業員を雇用している事業主や、取引件数が多い事業主にとっては、手作業での書類作成は非効率です。会計ソフトへの投資は、時間的コストの削減という点で十分に回収できます。
収支内訳書は白色申告の個人事業主が提出する書類で、青色申告決算書は青色申告の個人事業主が提出する書類です。両者の最大の違いは、書類の詳細さと税制上のメリットです。
青色申告決算書は4ページ構成で、貸借対照表を含むため、より詳細な会計情報を記載します。一方、収支内訳書は2ページ構成で、貸借対照表は含まれません。
参考)青色申告決算書とは?種類・書き方・提出方法について解説
青色申告を選択すると、最大65万円または55万円の青色申告特別控除を受けられます。また、赤字を3年間繰り越せる、家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)などのメリットもあります。
白色申告の場合、これらの特典はありません。ただし、青色申告には「複式簿記による記帳」という要件があり、会計知識がない場合はハードルが高くなります。
事業規模が小さく、売上も少ない初年度は白色申告でスタートし、事業が軌道に乗ってから青色申告に切り替えるという選択肢もあります。青色申告に切り替える場合は、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
覚えておきましょう。
収支内訳書の記入で最も注意すべきは、年号の記入ミスです。収支内訳書に記入する年号は、提出する日付の年ではなく、確定申告の対象となる期間の年号です。
参考)収支内訳書の書き方や記入例|白色申告するフリーランス・個人事…
例えば、2026年(令和8年)2月~3月に提出する確定申告の収支内訳書には「令和7年分」と記入します。提出年の「令和8年」と書いてしまうと、対象期間が異なる書類として扱われる可能性があります。
また、売上金額や経費の計上基準を前年から変更した場合は、「本年中における特殊事情」欄に必ずその旨を記載してください。理由を明記しておかないと、税務署から不審な動きとして注目される可能性があります。
📝 記入時の重要チェックポイント
減価償却費の計算欄では、取得価額、耐用年数、償却方法(定額法・定率法)を正確に記入する必要があります。誤った耐用年数を使用すると、毎年の償却費が変わり、所得金額の計算も狂ってしまいます。
参考)収支内訳書の書き方【記入例】全項目わかりやすく!個人事業主の…
地代家賃の内訳では、事業所の家賃だけでなく、自宅の一部を事業用として使用している場合の家事按分も忘れずに行ってください。家事按分を適切に行わないと、経費として認められない部分まで計上してしまい、後から修正申告が必要になる可能性があります。
収支内訳書は、確定申告書と一緒に提出します。提出方法は、税務署窓口への持参、郵送、電子申告(e-Tax)の3つから選べます。
提出期限は、原則として2月16日から3月15日までです。
土日祝日の場合は翌平日まで延長されます。
この期限を過ぎると期限後申告となり、延滞税などのペナルティが発生します。
電子申告(e-Tax)を利用する場合は、事前にマイナンバーカードとICカードリーダーを用意するか、税務署で発行されるID・パスワードを取得する必要があります。会計ソフトを使用していれば、ソフトから直接e-Tax送信できるものもあります。
郵送で提出する場合は、提出用と控用の両方を送付し、控用には返信用封筒(切手貼付済み)を同封すれば、受領印を押した控えが返送されます。控えは、融資を受ける際やビザ申請などで収入証明として使用できるため、必ず保管しておきましょう。
窓口に持参する場合は、混雑を避けるために、2月中旬や3月初旬の平日午前中に行くのがおすすめです。3月15日直前は非常に混雑するため、待ち時間が長くなります。
収支内訳書を作成するには、1年間の事業活動に関する資料をすべて揃える必要があります。特に重要なのは、売上の記録、経費の領収書、銀行口座の取引明細です。
白色申告でも、令和4年分以降は簡易な帳簿の記帳と保存が義務付けられています。具体的には、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などです。これらの帳簿を日々つけておけば、収支内訳書の作成はスムーズに進みます。
📂 収支内訳書作成に必要な資料リスト
これらの資料は、税務調査の際にも提示を求められる可能性があるため、確定申告後も7年間は保存しておく必要があります。
特に、10万円以上の固定資産を購入した場合は、減価償却の対象となるため、購入時期、取得価額、耐用年数などの情報を正確に記録しておきましょう。
売上先が複数ある場合は、取引先ごとに年間の売上金額を集計しておくと、収支内訳書の「売上(収入)金額の明細」欄の記入がスムーズになります。