

白色申告者でも売上の帳簿を出せないと加算税が10%上乗せされます。
白色申告を行う個人事業主は、2014年1月以降、すべて記帳義務の対象となっています。事業所得・不動産所得・山林所得を生ずる業務を行う方、または前々年の雑所得の収入金額が300万円を超える方は、その業務に係る記帳および帳簿等の保存が義務付けられます。所得税の申告の必要がない方も含まれる点に注意が必要です。
参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou03.pdf
記帳する事項は、売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する情報です。具体的には取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等を帳簿に記載します。白色申告では単式簿記で記帳できるため、青色申告の複式簿記よりもシンプルです。
参考)No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁
とはいえ、日計金額だけを記載したものや、経費を月単位で合計したものを記載している程度では帳簿として認められません。
個々の売上高や売上先の記載が求められます。
つまり簡易な記帳でOKですが、最低限の明細は必要です。
参考)帳簿提出の求めに応じない場合は加算税がさらに加重されます
白色申告では請求書などの控えがあれば、売上を1日単位でまとめて記帳できます。
小売業の場合は控えがなくても構いません。
1日分の取引の合計額を記入することが認められているため、取引ごとに細かく記載する必要はありません。
参考)白色申告の帳簿の付け方|記載例を用いて分かりやすく解説
収入金額や必要経費が記載された帳簿は法定帳簿として、7年間の保存義務が生じます。白色申告は原則として1年間の事業内容を翌年の2月16日から3月15日までに申告納税するため、3月16日を起算日として7年間保存しなければなりません。業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿)は5年間の保存期間となります。
保存期間は、確定申告期限日の翌日から起算されます。法定帳簿の保存期間はその年の翌年3月16日から7年間です。任意帳簿および書類に関しては、作成または受領日が属する年の翌年3月16日から5年間保存しなければいけません。
保存義務に違反しても、それだけで罰則が科されることはありません。しかし、帳簿を保存しなければ、申告の正当性を疑われるリスクを負います。税務調査において帳簿の提示を求められた際に提出できなければ、加算税の加重措置が適用されます。
結論は保存義務を守ることです。
参考)税務調査で帳簿を提示しなかった場合等は加算税が加重されます
インボイス制度は消費税に関する制度であり、所得税の申告方式である白色申告に直接的な影響はありません。白色申告や青色申告は所得税の確定申告に関係する方式であるため、インボイス制度による直接的な影響はありません。ただし、免税事業者がインボイス制度を機に課税事業者になった場合は、所得税とは別に消費税の申告が必要になります。
参考)インボイス制度が個人事業主の白色申告や青色申告への対応に与え…
取引先が適格請求書発行事業者でなければ仕入税額控除を利用できないため、インボイスを発行する必要はありません。白色申告の個人事業主でも、インボイス制度に登録することで帳簿への記載や請求書の保存が必要になります。帳簿を適切な内容で作成できていなければ、特例や経過措置が利用できない可能性があります。
参考)白色申告でインボイスの発行は可能?登録の注意点や検討ポイント…
インボイス制度では、仕入税額控除の適用には原則「帳簿+適格請求書等」の保存が必要です。しかし、一部の取引において、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例が設けられています。自動販売機や自動サービス機からの3万円未満の購入、郵便ポストに差し出す切手類のみを対価とする郵便サービス、出張旅費・通勤手当などが該当します。
参考)インボイス制度における仕入税額控除の例外 帳簿のみでOK? …
帳簿のみで控除対象とする場合は、帳簿に「帳簿のみで控除対象」の理由を明記する必要があります。例えば「自販機」「従業員旅費」「3万円未満の鉄道」などと記載します。該当特例の内容を明示しておくことで、税務署からの確認にも対応しやすくなります。
税務調査において税務職員から「売上に関する調査に必要な帳簿」の提示を求められた際、帳簿の提出がない場合や記載内容が不十分な場合は、過少申告加算税や無申告加算税に10%が加重されます。2024年(令和6年)1月1日以降、この加重措置が適用されています。
売上の帳簿がないと10%上乗せされます。
令和5年分の確定申告に対する修正申告等から、売上に関する帳簿を保存していなかったことや帳簿の売上について記載が不十分であったことなどが税務調査において指摘されると、加算税が加重される措置が始まっています。白色申告の場合でも、簡易な帳簿が必要ですが、税務調査の際にこの帳簿の提示がないと、加算税が加重される措置の対象になります。
帳簿に虚偽の記帳をして不当に所得を少なくしたり、取引の事実を隠して無申告のままであったりした場合には、重加算税が課されます。隠ぺい・仮装の事実があると判断された場合、無申告なら40%の重加算税が課されます。過去に無申告を繰り返していた場合は、さらに10%が加算され、合計50%の重加算税が課されます。
厳しいところですね。
参考)重加算税とは?対象や税率、計算方法を解説
無記帳者に対しては、意図的な過少申告でなくても、記帳制度義務違反があり結果的に過少申告となっている場合に、記帳制度の適正、確実な履行へ誘導するために重加算税が課される可能性があります。記帳義務違反のリスクは、加算税の金銭的負担だけでなく、事業の信用問題にも発展する可能性があります。
つまり帳簿不備は大問題です。
参考)https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/84/03/index.htm
白色申告の帳簿では、収入金額を「売上」と「雑収入等」に分けて記載します。これは、確定申告時に提出する収支内訳書で、「売上」と「その他の収入」を分けて書く必要があるからです。収支内訳書は、青色申告でいう青色申告決算書に当たる書類です。
計2ページと少なく記載項目もシンプルです。
参考)白色申告の帳簿の書き方は?記載例や記帳のポイントを解説 - …
帳簿は「取引成立の時点」で記入しましょう。たとえ金銭が移動していなくても取引成立の時点で帳簿に反映すべきだという考え方を発生主義といいます。確定申告における税務計算もこれに則って実施されます。
発生主義が原則です。
自分で帳簿を作る場合も、確定申告時に作成する「収支内訳書」にある項目と同じ項目を作っておくと、申告時に転記しやすくなります。確定申告書を作るには収支内訳書の転記、そして収支内訳書には帳簿の合計額の転記が必要です。
収支内訳書の項目に合わせておけばOKです。
参考)白色申告の帳簿の付け方解説|手書きやエクセルは可?記載例も
国税庁「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」には、白色申告の帳簿の具体的な記載例が掲載されています。記帳の実務で迷った場合は、このパンフレットを参照すると良いでしょう。
国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」では、記帳義務の対象者、記帳する事項、保存期間などの基本情報がまとめられています。白色申告の記帳義務全般について確認する際の参考リンクとして活用できます。