

仕入れは商品やサービスを販売するために必要な材料や物品を調達することです。売上原価として計上され、販売した分だけが当期の費用になります。
一方、経費は企業の営業活動を行う上で発生する費用で、販売費及び一般管理費として扱われます。仕入れは売上と直接的に関連するのに対し、経費は売上と間接的な関係にあります。
つまり仕入れが基本です。
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仕入れは商品の販売価格に影響を与え、経費は利益に影響を与えるという違いもあります。売上原価は売上の源泉であり商品やサービスを生み出すための直接費用、販管費はその他の間接費用というイメージで理解できます。
参考)売上原価と販管費の違いとは?具体例を用いて分かりやすく解説
課税仕入れの消費税は仕入税額控除の対象となり、預かった消費税から差し引くことができます。たとえば仕入れ時に200円の消費税を支払い、売上時に250円の消費税を受け取った場合、差額の50円だけを納税すればよいのです。
参考)仕入税額控除とは?要件やインボイス制度との関係をわかりやすく…
仕入税額控除の計算方式には個別対応方式と一括比例配分方式があります。個別対応方式では課税売上にのみ対応する課税仕入れの消費税額と、課税売上と非課税売上に共通する部分に課税売上割合を掛けた金額の合計が控除対象です。
控除額が大きくなりますね。
参考)仕入税額控除とは?意味やインボイス制度での変更点をわかりやす…
一括比例配分方式では、課税仕入れ等に係る消費税額に課税売上割合を掛けて計算します。ただし一括比例配分方式を選択すると、少なくとも2年間は個別対応方式を選択できない点に注意が必要です。
設備投資などで支払った消費税が売上で預かった消費税を上回る場合、その差額が消費税還付として返還される可能性もあります。たとえば預かった消費税が280万円、支払った消費税が390万円なら、110万円が還付されます。
年間で100万円分の商品を仕入れても、そのうち30万円分が売れ残った場合、30万円は棚卸資産として翌期へ繰り越されます。
当期の必要経費には含まれません。
経費として計上できる売上原価は「期首在庫+当期仕入-期末在庫」で計算されます。50万円分の仕入れのうち10万円分を販売した場合、売上原価は10万円だけです。残り40万円は在庫として翌期に繰り越されます。
売れ残った商品を費用として仕入計上すると、売上と原価に整合性が取れなくなります。在庫数や商品の金額を正確に把握し、棚卸作業を怠らないことが正確な所得計算の基礎になります。棚卸資産の単価の計算方法は、あらかじめ税務署へ届け出る必要があります。届出書を提出していない場合は、最終仕入原価法に従って計算することになります。
参考)仕入れとは?会計処理の際に注意すべきポイントをわかりやすく解…
棚卸資産の取得価額には、商品本体の価格だけでなく、仕入れ・購入に際して発生する付随的な費用(仕入諸掛)も含めて計上する必要があります。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/inventory/
経費は企業の営業活動を行う上で発生する費用のことで、販売費及び一般管理費として計上されます。販売費とは商品やサービスを販売するための費用で、広告宣伝費や営業スタッフの人件費などが該当します。
参考)https://s-flow.net/column/what-is-cost-of-goods-sold/
一般管理費とは会社や事業を管理するための費用で、オフィス賃料や管理部門の人件費、福利厚生費などが含まれます。販管費はその商品等を販売するための費用や事業全般を管理するための費用です。
小売業であれば商品の仕入代金が売上原価、店舗スタッフの給与や販売促進費が販管費となります。製造業であれば製品を製造するための材料費や製造を行う社員の人件費が売上原価、営業スタッフの人件費や本社の賃料が販管費です。
参考)販管費の基礎知識と改善策|中小企業のための実践的コストマネジ…
経費は売上と間接的な関係にあり、利益に影響を与えます。出張の際の交通費を経費として計上したり、広告宣伝費を増やすことでブランド認知度の向上を図ったりする例があります。
インボイス制度下では、適格請求書発行事業者以外の者(免税事業者など)からの課税仕入れについて、インボイスの交付を受けられないため仕入税額控除が受けられなくなります。2023年10月1日からこの制度が始まっています。
参考)インボイスで免税事業者からの仕入税額控除が出来なくなる話
免税事業者は適格請求書発行事業者になれないため、適格請求書の発行ができません。取引先が課税事業者の場合、仕入税額控除が受けられなくなるため、消費税に当たる分の金額を値引きするように要求される可能性があります。
厳しいところですね。
ただし段階的な経過措置が設けられています。2026年10月1日から2029年9月30日までのあいだに行われた課税仕入れについては、支払対価の額に10/110を掛け、さらに50/100を掛けた金額が仕入税額控除の適用対象となります。
免税事業者が新たにインボイス発行事業者となった場合、一定期間における仕入税額控除を売上げに係る消費税額の8割とすることができます。消費税の税負担は2割となり、大幅に税負担が増えることを避けられます。
免税事業者との取引では、税抜方式で仕訳を処理しますが、決算時に免税事業者の仕訳を抜き出す必要があります。支払い総額に控除対象外となる税額(20%)を掛け合わせ、雑損失として計上します。
原則として仕入れは経費に計上できませんが、例外的に仕入れが経費になる場合があります。おまけとして無料配布するために仕入れた商品は、仕入れではなく宣伝として「宣伝広告費」に仕訳できます。
参考)【2021年最新版】仕入れと経費の違いとは?今さら聞けない仕…
商品に会社のロゴや会社名が刻印してあると、会社や商品について広く大衆に知ってもらう役割を担うからです。このように販売目的ではなく、宣伝目的で仕入れた物品は経費として処理できます。
売上から仕入れを差し引くと、純粋な利益の算出が可能です。純粋な利益とは、さまざまなコストが除かれた利益を指します。
意外ですね。
なお法人税は経費として認められません。法人税の勘定科目は「法人税等」で仕訳をし、住民税なども含まれます。法人税は納付時ではなく、発生した事業年度の決算で計上する必要があります。
参考)法人税は経費にできる?経費として計上できる主な税金と費用のま…
個人事業主の仕入れと経費の詳細な解説はこちら(マネーフォワード)
仕入れと経費の違いを理解し、消費税の仕入税額控除を適切に活用することで、税負担を軽減できます。棚卸し処理を正確に行い、インボイス制度の経過措置も踏まえた実務対応が重要です。