

特定顧客向けの景品は交際費扱いです。
広告費は原則として「広告宣伝費」という勘定科目で処理します。Google広告、新聞広告、チラシ、ホームページ制作など、不特定多数の人々に向けた宣伝活動にかかる費用が該当します。
つまり広告宣伝費です。
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広告宣伝費は販売費及び一般管理費の区分に計上され、全額を損金算入できる点が大きなメリットです。
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消費税については、国内での広告宣伝費は原則として課税仕入れとして処理します。海外でチラシを作成した場合や海外で展示会を開催した際の費用は、日本の消費税が課税されないため不課税扱いになります。
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仕訳を行う際には、摘要欄に取引相手の名称、広告媒体、取引の事由などを具体的に記載することが重要です。例えば「雑誌○○ 広告料 2月分」のように、後から確認した際に取引内容が明確になるよう記載しておきましょう。
これは税務調査対策としても有効です。
広告宣伝費と交際費の区別は税務上極めて重要です。広告宣伝費は全額損金算入できますが、交際費は原則として損金算入できず、中小企業でも条件付きの算入に制限されています。
区別のポイントは対象者が「不特定多数」か「特定の相手」かという点です。
例えば、得意先や仕入先といった特定の事業者に対して支出した費用は交際費として処理しなければなりません。国税庁の通達では、医薬品メーカーが医師や病院を対象とする場合、建築材料メーカーが建築業者を対象とする場合などは、一般消費者向けではないため広告宣伝費とは認められません。
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宣伝効果が見込めない協賛金を、事業者との関係構築のために支出する場合も交際費扱いです。
一方、抽選で一般消費者に金品を交付する費用、金品引換券付販売の費用、一般消費者を対象としたモニターやアンケートの謝礼は広告宣伝費として認められます。カレンダーや手帳、手ぬぐいなどを贈与する費用も広告宣伝費です。
広告費でも一定の条件を満たすと資産計上が必要になります。期末時点で未使用のカタログやポスター、ティッシュペーパーなどの広告印刷物は、実地棚卸を行い貯蔵品として計上しなければなりません。
契約期間が事業年度をまたぐ広告料を前納した場合、翌年度対応分は前払費用になります。ただし、支出から1年以内に契約期間が終了するなら、継続適用を条件に全額を当期の損金として処理できる特例があります。
看板や陳列棚、展示品など、一組20万円以上で使用期間が1年以上のものは固定資産に計上し、耐用年数に応じて減価償却を行います。ホームページ制作費も、作成費用が20万円以上で使用期間が1年超の場合には、使用期間に応じて均等償却します。
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特約店に対して看板や陳列棚、広告用自動車などを贈与した場合、その価額が20万円以上であれば税務上の繰延資産(会計上は長期前払費用)に該当します。その資産の法定耐用年数の10分の7(最高60ヶ月)を償却期間として償却計算を行う必要があります。
これが原則です。
販売促進費も広告宣伝費と似た勘定科目ですが、明確な使い分けがあります。販売促進費は商品購入者への直接的な販促活動に使われる勘定科目です。
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具体的には、既存顧客向けのポイント還元、クーポン配布、店頭での試飲・試食、販売員の人件費などが該当します。
参考)販売促進費とは?混同しやすい勘定科目との違いや仕訳例などを解…
広告宣伝費が「認知度向上」を目的とするのに対し、販売促進費は「購買行動の促進」を目的とする点が違いです。展示会に関わる費用を仕訳する場合、ブース装飾費は販売促進費、広告掲載料は広告宣伝費、来客との飲食費は交際費というように、複数の勘定科目に分かれることもあります。
どちらも全額損金算入できる点は同じですが、社内で会計ルールを統一し、継続適用することが重要です。
実務では、企業ごとに細かい基準を設けているケースも多く見られます。例えば「メディア広告は広告宣伝費、店舗キャンペーンは販売促進費」のように分類方法を決めておくと、仕訳の判断がスムーズです。
税務調査では、広告費の処理ミスがよく指摘されます。最も多い誤りは、特定の取引先向け費用を広告宣伝費として計上してしまうケースです。
参考)広告代理店の税務調査対応を徹底解説!経費処理の注意点と対応方…
営業担当者が交際費や広告宣伝費を使用する際には、その目的、相手先、金額などを事前に経理部門に報告するルールを設けることが対策になります。摘要欄が空欄のまま「広告宣伝費」とだけ記載していると、税務署から内容の不備を指摘されるリスクがあります。
20万円以上の広告用資産を全額経費計上してしまうミスも頻発しています。
看板や展示品は減価償却が必要です。
サンプル品の在庫管理も要注意ポイントです。宣伝用に制作したサンプルが余って在庫になった場合、余った分を資産として計上しなければなりません。無償サンプルの未使用分は、期末に貯蔵品として資産計上するのが原則です。
継続的に一定量を消費している場合は取得時の一括損金算入が認められるケースもありますが、税務調査で継続性を証明する必要があります。大きな支出が広告宣伝費として認められなかった場合、翌年度に多額の課税が発生する可能性があるため、事前の確認が不可欠です。