住民税非課税3級地年金受給者の基準額と注意点

住民税非課税3級地年金受給者の基準額と注意点

住民税非課税3級地年金受給者の基準

3級地の年金受給者は世帯分離しても非課税世帯になれません

この記事の3つのポイント
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3級地の基準額は最も低い

65歳以上単身者は148万円以下、夫婦世帯は192.8万円以下で住民税非課税になります

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級地による差は最大18.2万円

1級地と3級地では夫婦世帯で18.2万円、単身世帯で7万円の基準額差があります

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年金繰り下げで課税リスク

年金の繰り下げ受給で増額すると非課税基準を超え、介護保険料等の負担が増加します

住民税非課税3級地の年金受給者の基準額

3級地は全国の級地区分の中で最も住民税非課税の基準額が低い地域です。年金収入のみで生活する65歳以上の方の場合、単身世帯では年金収入148万円以下、夫婦世帯(配偶者控除あり)では年金収入192.8万円以下が住民税非課税の基準になります。この基準額は、3級地の基礎控除額28万円と加算額を組み合わせて計算されています。


参考)年金受給者の住民税非課税世帯の条件「155万の壁」「211万…


級地制度は生活保護法に基づく仕組みで、地域ごとの生活水準の差を調整するために設定されています。3級地には地方都市やその他の地域が該当し、1級地の大都市圏や2級地の中都市と比較して物価や生活費が低いと想定されているためです。


参考)住民税が非課税になる年金収入は?住んでいる地域で異なるのは本…


計算式は「28万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+17万円+10万円」となります。単身者の場合は「28万円+10万円」で38万円が所得の非課税ラインです。


これが原則です。



参考)住民税非課税世帯、要件のカギは「級地」!65歳以上でみる《夫…

65歳未満の年金受給者の場合、3級地の非課税基準はさらに低くなります。単身世帯で年金収入98万円以下、夫婦世帯で142万8000円以下が目安です。公的年金等控除の金額が65歳未満と65歳以上で異なるためです。


参考)【年金用】住民税非課税世帯チェッカー


住民税非課税の級地区分による年金収入の違い

1級地、2級地、3級地の区分によって住民税非課税となる年金収入の基準額には大きな差があります。65歳以上の夫婦世帯(配偶者控除あり)で比較すると、1級地では211万円、2級地では201.9万円、3級地では192.8万円となっており、1級地と3級地の差は18.2万円にもなります。単身世帯でも1級地155万円に対し3級地148万円と7万円の差があります。


参考)住民税非課税世帯とは?年金受給者は該当?年収は?わかりやすく…


級地ごとの計算式の違いを見ると、基礎控除額と加算額が異なることが分かります。1級地は基礎控除35万円+加算額21万円、2級地は基礎控除31.5万円+加算額18.9万円、3級地は基礎控除28万円+加算額16.8万円という構造です。


つまり3級地が最も厳しい条件です。



参考)https://www.gmosign.com/media/work-style/211manen-no-kabe/


自分の住む地域がどの級地に該当するかは、厚生労働省の級地区分表または市区町村のホームページで確認できます。同じ都道府県内でも市区町村によって級地区分が異なることがあるため、必ず自治体の情報を確認する必要があります。どういうことでしょうか?
例えば愛知県では、名古屋市は1級地で夫婦世帯211万円が基準ですが、あま市は3級地で192.8万円と低くなります。このように同一県内でも基準額に差が出るのが級地制度の特徴です。


参考)住民税が非課税になる年金収入はいくら?住んでいる地域で異なる…


3級地年金受給者が住民税非課税世帯になるメリット

住民税非課税世帯になると、住民税がかからないだけでなく複数の経済的メリットを受けられます。国民健康保険料は最大7割の軽減措置が適用され、所得に応じて7割、5割、2割の軽減が受けられます。介護保険料も負担段階が下がり、第2段階または第3段階に該当すると保険料が大幅に減額されます。


参考)住民税非課税世帯とは?条件・年収目安・受けられる支援を解説!


高額療養費制度の自己負担限度額も引き下げられます。例えば第2段階では月額の医療費上限が650万円(年間上限1650万円)、第3段階①では550万円(年間1550万円)となり、通常の課税世帯よりも医療費負担が軽減されます。後期高齢者(75歳以上)の医療費も同様に安くなります。


年金生活者支援給付金も受給できる可能性があります。世帯全員が住民税非課税で、前年の公的年金等収入とその他の所得が一定基準以下であれば、老齢基礎年金受給者は月額5450円を基準とした給付金を受け取れます。


年間にすると約6.5万円のメリットです。



参考)マネイロ


自治体独自の特典もあります。地域によっては住民税非課税世帯向けの給付金、公共施設の利用料減免、予防接種の費用助成などが用意されていることがあるため、お住まいの市区町村の情報を確認すると良いでしょう。


これは使えそうです。


年金繰り下げと住民税非課税世帯の関係

年金の繰り下げ受給を選択すると受取額が増額されますが、その結果住民税非課税の基準を超えてしまうリスクがあります。例えば3級地の夫婦世帯で年金収入190万円の方が繰り下げで受給額が20%増えると228万円となり、192.8万円の基準を大きく超えて課税対象になります。


参考)年金繰り上げで「住民税非課税世帯」を狙わない方がいい4つの理…


住民税非課税世帯から外れると、これまで受けていた優遇措置が一斉に適用されなくなります。住民税の納税義務が発生するだけでなく、国民健康保険料や介護保険料の減額措置がなくなり、負担額が大幅に増加します。年金生活者支援給付金の受給資格も失われます。


参考)年金生活者支援給付金制度について


繰り下げ受給による年金増額分と、非課税世帯から外れることによる各種負担増を総合的に比較する必要があります。特に3級地の場合は基準額が低いため、わずかな年金増額でも非課税ラインを超えやすい点に注意が必要です。


年金生活者支援給付金制度の詳細(厚生労働省公式サイト)
繰り下げ受給を検討する前に、こちらで給付金の受給要件を確認しておくと判断材料になります。


世帯分離による3級地年金受給者の注意点

世帯分離は同居していても住民票上の世帯を分けることで、住民税非課税世帯の判定を世帯ごとに行える制度です。会社員の子と同居する年金受給者の親が世帯分離をすると、親世帯のみで住民税非課税世帯の判定を受けられるため、親の年金収入が基準額以下であれば非課税世帯になれます。

ただし3級地の年金受給者は、1級地や2級地に比べて世帯分離をしても非課税世帯になりにくい状況があります。

なぜなら3級地の基準額が最も低いためです。

例えば夫婦世帯で夫の年金が200万円、妻の年金が80万円の場合、1級地なら夫が基準の211万円以下で非課税になりますが、3級地では192.8万円を超えるため課税対象です。

世帯分離をする際には
社会保険の扶養に関する注意も必要です。子が勤務先の社会保険に親を扶養として入れている場合、世帯分離をすると社会保険の扶養から外れる可能性があり、親の健康保険料負担が発生することがあります。


痛いですね。


世帯分離の手続きは市区町村の役所で行えますが、実施前に自治体の窓口で非課税世帯になれるかどうかの試算を依頼すると安心です。本人確認書類や収入を示す資料を持参すると、担当者が丁寧に確認してくれます。


参考)住民税非課税世帯とは?年収の目安や条件、メリットを詳しく解説…

住民税非課税判定で税務担当者が見落としやすいポイント

確定申告がない場合、自治体は所得を「不明」と扱い、本来非課税となるケースでも課税されてしまうことがあります。年金収入以外に少額の雑所得や一時所得がある年金受給者は特に注意が必要で、収入が少なくても確定申告をしないと非課税判定を受けられません。

級地区分の確認ミスも見落としやすいポイントです。同じ都道府県内でも市区町村によって級地が異なるため、転居した場合は必ず新しい住所地の級地区分と基準額を再確認する必要があります。特に3級地から1級地へ転居すると基準額が大幅に上がるため、非課税世帯の可否が変わることがあります。


年金以外の所得の扱いも重要です。遺族年金障害年金は非課税所得のため、住民税の所得計算に含まれません。一方で給与収入やアルバイト収入、不動産所得などは合算されるため、これらの所得がある場合は慎重に計算する必要があります。


参考)住民税非課税世帯とは?対象の年収や年金の目安について解説


自治体によっては独自の基準を設けていることもあります。自治体の裁量で税率設定を行える仕組みがあり、同じ級地でも非課税限度額が若干異なるケースがあるためです。正確な判定には所得金額や控除額を確認し、不明な場合は市区町村の窓口で相談することが大切です。


厚生労働省の級地区分表(PDF)
お住まいの地域の級地を確認する際には、こちらの公式資料が最も正確です。税務担当者として相談を受ける際の参考資料としても活用できます。


住民税非課税の判定は前年の所得に基づいて自治体が自動で行うため、特別な手続きは不要です。確定申告や給与支払報告書の情報がそのまま反映され、住民税決定通知書で結果を確認できます。


内容を必ず確認してください。