
関節リウマチで障害年金を受給するためには、まず基本的な受給要件を満たす必要があります。初診日に国民年金または厚生年金に加入していること、保険料納付要件を満たしていることが前提条件となります。
等級別の認定基準:
実際の認定事例では、50代女性が関節リウマチで障害基礎年金2級を取得し、年間約136万円を受給したケースがあります。この方は多関節痛に加えて発熱があり、指関節の強張りや歩行困難な状態でした。
関節リウマチの症状は個人差が大きく、「杖をついて3級、車いす生活で2級」と言われることもありますが、杖を使用しない場合でも診断書の内容次第では3級に該当する可能性があります。
関節リウマチによる障害年金の申請には、以下の書類が必要となります。
基本的な申請書類:
診断書の作成は非常に重要で、医師に対して日常生活における具体的な困難さを正確に伝える必要があります。30代女性のケースでは、事務職で手に力が入らず仕事がはかどらない状態や、包丁を持つことさえできない日があることを詳細に記載してもらい、障害厚生年金3級(年間約58万円)の認定を受けました。
申請時のポイント:
初診日の証明が困難な場合もありますが、46歳男性のケースでは第三者の証言等を集めて証拠として提出し、再審査請求で障害厚生年金の認定を受けた例もあります。
関節リウマチによる障害年金の受給金額は、等級や年金の種類によって大きく異なります。以下に実際の受給事例をご紹介します。
障害基礎年金の事例:
障害厚生年金の事例:
障害厚生年金は障害基礎年金に比べて支給対象となる障害の範囲が広く、比較的軽度の障害であっても支給される可能性があります。特に3級の認定基準は、労働に著しい制限を受ける程度の障害があれば該当する可能性があります。
楽器演奏者のケースでは、指先の痛みで楽器演奏ができなくなり廃業に至った経緯が評価され、抗リウマチ薬の副作用による肝臓・腎臓機能低下も含めて総合的に判断されました。
関節リウマチの障害年金申請において、診断書の作成は最も重要な要素の一つです。医師に正確な診断書を作成してもらうためには、患者側も準備が必要です。
診断書作成前の準備:
実際の成功事例では、専門家が患者から日常生活におけるご不便をお聞きし、身体用の診断書に沿った自己申告書を作成してから医師に診断書作成を依頼したケースがあります。
診断書で重要な記載項目:
医師との面談時には、具体的な症状を正確に伝えることが重要です。例えば「手が痛い」ではなく、「朝のこわばりで30分間手が動かせない」「包丁を持つと痛みで調理ができない」など、具体的な状況を説明しましょう。
関節リウマチによる障害年金申請では、いくつかの注意点があります。これらを理解しておくことで、申請の成功率を高めることができます。
よくある申請上の問題点:
初診日については、最初に腱鞘炎と診断された場合でも、その後関節リウマチと確定診断された場合は、最初の受診日が初診日となる可能性があります。カルテの保存期間(通常5年)内であれば、医療機関から受診状況等証明書を取得できます。
申請成功のための対策:
実際のケースでは、通院を中断した時期があったにも関わらず、その間の症状悪化の状況を適切に申立書に記載することで認定を受けた例があります。
審査請求・再審査請求について:
初回申請で不支給となった場合でも、審査請求や再審査請求を行うことで認定を受けられる可能性があります。46歳男性のケースでは、初回申請と審査請求で不支給となったものの、再審査請求で障害厚生年金の認定を受けました。
関節リウマチは症状の変動が大きい疾患のため、申請のタイミングも重要です。症状が安定している時期よりも、日常生活に大きな支障をきたしている時期に申請することが望ましいとされています。