年金いくらもらえる?受給額早見表と計算方法

年金いくらもらえる?受給額早見表と計算方法

年金いくらもらえる受給額

年金受給額の基本情報
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厚生年金の平均

月額約14万7,000円(国民年金含む)

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国民年金の平均

月額約5万6,000円(満額は約6万8,000円)

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受給額の決まり方

加入期間と収入によって個人差が大きい

年金受給額の平均と基本的な仕組み

日本の年金制度は「3階建て構造」と呼ばれ、1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金、3階部分が私的年金となっています。

 

国民年金の受給額
2023年度の国民年金受給権者の平均受給月額は5万6,479円となっています。満額(40年間保険料を納付した場合)では、67歳以下が年間79万5,000円、68歳以上が年間79万2,600円となり、月額換算で約6万8,000円程度です8。

 

厚生年金の受給額
厚生年金保険の老齢年金受給者の平均受給月額は14万7,360円(2023年度)となっています。この金額には老齢基礎年金(国民年金分)も含まれているため、厚生年金のみの部分は約9万円程度となります。

 

年金受給額が平均より低くなる主な理由として、以下が挙げられます。

  • 転職期間中の国民年金保険料の未納
  • 経済的理由による支払い免除申請
  • 加入期間の短さ
  • 現役時代の収入が低かった場合

年金早見表で受給額をチェック

厚生年金の受給額は、加入期間と現役時代の収入によって大きく異なります。以下の早見表で、おおよその受給額を確認できます。

 

加入期間・月収別の受給見込額(月額)

月収 10年 20年 30年 40年
15万円 7万7,530円 8万5,751円 9万3,973円 10万2,194円
20万 8万270円 9万1,232円 10万2,194円 11万3,156円
30万円 8万5,751円 10万2,194円 11万8,637円 13万5,080円
40万円 9万1,232円 11万3,156円 13万5,080円 15万7,004円
50万円 9万6,713円 12万4,118円 15万1,523円 17万8,928円
65万円 10万4,935円 14万561円 17万6,188円 21万1,814円

例えば、平均月収30万円で40年間厚生年金に加入した場合、月額約13万5,000円の年金を受け取ることができます。

 

年収別の具体例

  • 年収300万円(40年加入):約14万6,000円/月
  • 年収500万円(40年加入):約15万6,000円/月
  • 年収700万円(40年加入):約19万1,000円/月

これらの金額は老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額となっています。

 

年金受給額の計算方法

年金受給額を正確に把握するためには、計算方法を理解することが重要です。

 

国民年金の計算方法
国民年金の年金額は比較的シンプルで、以下の式で計算されます。
年金額 = 83万1,696円(2025年度満額)× 保険料納付月数 ÷ 480月
40年間(480月)すべて納付していれば満額、未納期間があればその分減額されます。

 

厚生年金の計算方法
厚生年金はより複雑で、以下の要素で決まります。

  • 報酬比例部分:平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数
  • 老齢基礎年金:国民年金の計算方法と同様

平均標準報酬額は、加入期間中の給与(賞与含む)の平均値を基に算出されます。

 

計算例
平均標準報酬額20万円、40年間加入の場合。
20万円 × 5.481/1000 × 480月 = 約52万6,000円(年額)
これに老齢基礎年金83万1,696円を加えると、年額約135万8,000円(月額約11万3,000円)となります。

 

実際の計算では、2003年4月前後で計算式が異なるため、より正確な金額を知りたい場合は「ねんきんネット」でのシミュレーションがおすすめです。

 

年金を増やす方法と最高額

年金受給額を増やす方法は複数あり、老後の生活設計において重要な選択肢となります。

 

年金を増やす4つの方法

  1. 国民年金の任意加入

    60歳から65歳まで任意加入することで、1年間で約2万円の増額が可能です。

     

  2. 厚生年金加入期間の延長

    平均標準報酬額20万円の人が1年間働き続けた場合、年金額を約1万3,154円増やせます。

     

  3. 繰り下げ受給

    65歳から75歳までの間で受給開始を遅らせることで、1か月につき0.7%の増額となります。例えば70歳から受給開始した場合、42%の増額(月額0.7%×60か月)が可能です。

     

  4. 現役時代の収入アップ

    厚生年金は収入に比例するため、昇進や転職による収入増加が将来の年金額に直結します。

     

厚生年金の理論上の最高額
厚生年金の理論上の最高額は月額約30万3,000円です。これは以下の条件を満たした場合です。

  • 中学卒業後(16歳)から70歳まで54年間加入
  • 月給63万5,000円以上を維持
  • 年収1,200万円程度をキープ

ただし、これは非現実的な条件であり、実際には達成困難な金額といえます。

 

現実的な高額受給例
より現実的な高額受給例として、大学卒業後22歳から65歳まで43年間、平均年収800万円で働いた場合、月額約18万円程度の年金受給が可能です。

 

年金シミュレーションの活用法

将来の年金受給額を正確に把握するためには、シミュレーションツールの活用が不可欠です。

 

ねんきんネットの活用
日本年金機構が提供する「ねんきんネット」では、以下の情報を確認できます。

  • 現在までの加入記録
  • 将来の年金見込み額
  • 様々な条件でのシミュレーション

実際の利用者の体験では、前年度と比較して65歳時の年金見込み額が約4万円、70歳時では約5万8,000円増加したケースも報告されています。

 

金融機関のシミュレーションツール
三井住友銀行などの金融機関でも年金試算シミュレーションを提供しており、より詳細なライフプランニングが可能です。

 

シミュレーション時の注意点

  • 物価変動や制度改正は反映されない場合がある
  • あくまで目安として活用する
  • 定期的に見直しを行う
  • 複数のツールで比較検証する

年金以外の老後資金準備
シミュレーション結果を踏まえ、年金だけでは不足する場合の対策も重要です。

  • iDeCoやNISAの活用
  • 企業年金の充実
  • 個人年金保険の検討
  • 資産運用による資産形成

年金制度は複雑ですが、将来の生活設計において極めて重要な要素です。定期的にシミュレーションを行い、必要に応じて追加の資産形成を検討することで、より安心できる老後生活の実現が可能となります。