納税義務はいくらから?所得税・住民税の課税基準を解説

納税義務はいくらから?所得税・住民税の課税基準を解説

納税義務はいくらから発生するか

納税義務の発生基準早見表
💰
所得税(国税)

個人の所得が年間48万円を超えた場合に課税対象となる

🏠
住民税(地方税)

合計所得金額が年間45万円を超えた場合に課税される

📊
確定申告義務

給与所得者は副業20万円超、個人事業主は所得48万円超で必要

納税義務における所得税の基準額について

所得税における納税義務は、年間の所得が基礎控除額の48万円を超えた場合に発生します。これは全ての納税者に一律で適用される所得控除であり、この金額を下回る場合は所得税の課税対象外となります。
参考)No.2010 納税義務者となる個人|国税庁

 

2025年分からは税制改正により、給与所得者の場合は基礎控除が95万円、給与所得控除が65万円に引き上げられるため、年収160万円以下であれば所得税はかからなくなります。これは従来の103万円の壁が大幅に拡大されることを意味しており、パートやアルバイト収入への影響が大きく変化します。
参考)所得税は年収いくらから?年収160万円を超える場合や年末調整…

 

個人事業主やフリーランスの場合は、給与所得控除が適用されないため、事業所得から必要経費を差し引いた後の所得が48万円(2025年分以降は95万円)を超えると所得税の納税義務が発生します。
参考)フリーランスはいくら稼げば税金がかかる?税金・社会保険料の仕…

 

納税義務における住民税の課税基準

住民税は所得税とは別の基準で課税され、合計所得金額が年間45万円を超えた場合に納税義務が発生します。住民税は前年の所得に基づいて課税される「所得割」と、一定の所得がある人に定額で課される「均等割」から構成されています。
参考)住民税とは?計算方法、いつから・いくら払うのかをシミュレーシ…

 

扶養親族がいる場合の住民税非課税限度額は、同一生計配偶者や扶養親族の人数に応じて異なり、例えば扶養親族が1人いる場合は合計所得金額が101万円以下であれば住民税は課税されません。また、65歳以上の方については年金収入の場合、公的年金等収入金額が155万円以下であれば住民税は非課税となります。
参考)大阪市:市民税・府民税・森林環境税が課税されない方 (…href="https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000384084.html" target="_blank">https://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000384084.htmlgt;市…

 

均等割については、森林環境税を含めて年額5,000円が基本となっており、これは課税所得の金額に関係なく一律で課される税金です。

確定申告における納税義務の判定基準

確定申告の義務は、所得の種類や金額によって細かく規定されています。給与所得者の場合、年収が2,000万円を超える場合や、主たる給与以外の所得が年間20万円を超える場合に確定申告が必要となります。
参考)確定申告が必要な人とは?条件や不要な人もわかりやすく解説 -…

 

個人事業主については、事業所得が年間48万円(基礎控除額)を超えた場合に確定申告義務が発生し、青色申告特別控除を適用する場合はその控除額も考慮して判定されます。また、一時所得についても、収入を得るための支出額と特別控除額(最高50万円)の合計を超えた場合は確定申告が必要です。
参考)確定申告とは?やり方と流れを全く分からない人向けに解説

 

医療費控除などの還付申告については、確定申告の義務がない人でも過去5年間さかのぼって申告することが可能で、これにより払いすぎた税金の還付を受けることができます。
参考)前年中に医療費を支払ったが、医療費控除の適用は出来ますか?/…

 

給与所得者の納税義務と年収の関係

給与所得者における納税義務は、年収と各種控除の関係で決定されます。2024年分までは、年収103万円以下であれば基礎控除48万円と給与所得控除55万円により課税所得がゼロとなり、所得税は課税されませんでした。
参考)所得税は年収いくらからかかる?計算方法から非課税枠まで徹底解…

 

2025年分からは基礎控除が95万円、給与所得控除の最低保障額が65万円に引き上げられるため、年収160万円以下であれば所得税の納税義務は発生しません。これにより、従来の「103万円の壁」が「160万円の壁」へと大幅に拡大されることになります。
副業収入がある給与所得者の場合は、主たる給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要となり、副業分も含めた所得税の納税義務が生じます。ただし、この20万円ルールは所得税のみに適用され、住民税については金額に関わらず申告が必要な点に注意が必要です。
参考)会社員の副業はいくらから確定申告すべき?「20万円ルール」と…

 

個人事業主・フリーランスの納税義務と収入基準

個人事業主やフリーランスの場合、事業収入から必要経費を差し引いた事業所得が納税義務判定の基準となります。年間の事業所得が48万円を超えた場合に所得税の納税義務が発生し、2025年分以降は基礎控除の引き上げにより95万円が基準となります。
消費税については、2年前の課税売上高が1,000万円を超えた場合に納税義務が発生しますが、開業後2年間は免税事業者となり納税義務は生じません。また、個人事業税は事業所得が290万円を超えた部分について課税され、業種によって税率が異なります。
青色申告を選択している場合は、青色申告特別控除(最大65万円)を適用できるため、実質的な納税義務発生基準はさらに高くなります。例えば、事業所得が100万円あっても青色申告特別控除65万円と基礎控除48万円を適用すれば課税所得はマイナスとなり、所得税の納税義務は発生しません。
住民税については、事業所得が基礎控除額の43万円を超えた場合に課税対象となるため、所得税よりも低い基準で納税義務が生じる点に注意が必要です。