REITの配当金はいつ支払われる?決算期と受取方法の完全ガイド

REITの配当金はいつ支払われる?決算期と受取方法の完全ガイド

REITの配当金はいつ支払われるのか

REITの配当金の基本情報
📅
支払時期

決算期から3ヶ月以内に支払われるのが一般的

📝
権利確定

決算日の投資主名簿に記載されていることが条件

💰
高配当の理由

利益の90%以上を分配することで法人税の優遇措置を受けられる

REITの決算期と配当金支払いのタイミング

REITの配当金は、各投資法人の決算期から3ヶ月以内に支払われるのが一般的です。日本のREITの多くは年2回の決算を行っており、それぞれの決算期によって支払時期が異なります。

 

例えば、4月末と10月末が決算期のREITの場合、配当金の支払いは以下のようなスケジュールになります。

  • 4月末決算 → 7月末までに支払い
  • 10月末決算 → 1月末までに支払い

具体的な事例として、トーセイ・リート投資法人の場合、2024年10月期(2024年5月1日~2024年10月31日)の確定分配金は2025年1月10日に支払われる予定です。また、産業ファンド投資法人(IIF)は1月と7月が決算期で、4月中旬と10月中旬に分配金が支払われます。

 

配当金の額は決算発表時に確定します。多くのREITでは決算期から約1.5ヶ月後に決算発表が行われ、その後約1ヶ月後に実際の支払いが行われるのが一般的なパターンです。

 

REITの配当金を受け取るための権利確定日

REITの配当金を受け取るためには、決算期末日の投資主名簿に記載されていることが必要です。この日を「権利確定日」と呼びます。

 

権利確定日に投資口を保有していれば配当金を受け取る権利が得られますが、実際の取引では「権利付最終取引日」が重要になります。これは権利確定日の3営業日前にあたり、この日までに購入して取引を完了させておく必要があります。

 

例えば、トーセイ・リート投資法人の場合。

  • 2025年4月期の権利確定日:2025年4月30日
  • 権利付最終取引日:2025年4月25日

また、2025年10月期については。

  • 権利確定日:2025年10月31日
  • 権利付最終取引日:2025年10月29日

権利付最終取引日の翌営業日以降に購入した場合、その期の配当金は受け取れないため、投資タイミングを考える際には注意が必要です。

 

REITの配当金受取方法と確認の仕方

REITの配当金を受け取る方法は主に以下の3つがあります。

  1. 指定口座での受け取り:あらかじめ分配金振込口座を指定している場合、その口座に自動的に入金されます。最も手間がかからない方法です。

     

  2. 証券会社の取引口座での受け取り:証券会社の特定口座などで保有している場合、その証券会社の口座で受け取ることができます。

     

  3. 投資主分配金領収証による受け取り:口座指定をしていない場合、「投資主分配金領収証」が送付されますので、これをゆうちょ銀行または郵便局に持参することで現金化できます。

     

配当金の支払いが近づくと、投資法人から「分配金支払通知書」が送られてきます。この通知書には、支払金額や支払日などの情報が記載されています。

 

なお、分配金は支払開始日から3年以内に受け取らないと時効となり、受け取れなくなるため注意が必要です。分配金の受け取りに関して不明な点がある場合は、投資主名簿管理人(多くの場合、信託銀行)に問い合わせることができます。

 

REITの高配当を支える分配金のしくみ

REITが比較的高い配当利回りを実現できる背景には、独特の税制優遇措置があります。REITは「導管性要件」と呼ばれる条件を満たすことで、法人税が実質的に非課税となる仕組みを利用しています。

 

この導管性要件の一つに「配当可能利益の90%超を配当すること」があります。つまり、REITは稼いだ利益のほとんどを投資家に還元することで税制優遇を受けられるのです。これが一般の株式と比べてREITの分配金利回りが高くなる主な理由です。

 

REITの収益源は主に以下の3つです。

  • 保有不動産からの賃料収入
  • 不動産の売却益
  • その他の収益(駐車場収入など)

これらの収益から諸経費(管理費、修繕費、金融費用など)を差し引いた利益が、投資家への分配金の原資となります。

 

REITの分配金利回りは一般的に3%~5%程度と言われていますが、実際には個々のREITによって異なります。例えば、SBI・J-REIT(分配)ファンドの主要投資対象の利回りは年率4.68%となっています。

 

REITの配当金に関する税金と確定申告の注意点

REITの配当金には、支払い時に20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金が源泉徴収されます。これは「配当所得」として課税されます。

 

ただし、NISA(少額投資非課税制度)の口座で保有している場合は、分配金が非課税となるメリットがあります。2024年から始まった新NISAでは、成長投資枠と積立投資枠の両方でREITを購入することができます。

 

REITの配当金に関する確定申告については、以下のような選択肢があります。

  1. 申告不要制度:源泉徴収だけで納税を完了させる方法です。確定申告をする必要がなく、手続きが簡単です。

     

  2. 総合課税:他の所得と合算して確定申告を行います。所得税の累進税率が適用されるため、所得が多い場合は税負担が増える可能性があります。ただし、配当控除は適用されません。

     

  3. 申告分離課税:他の所得とは分けて、一律20.315%の税率で課税される方法です。

     

特に、他の投資で損失が出ている場合や、医療費控除などの各種控除を受ける場合は、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があります。

 

また、REITの分配金には「利益超過分配金」という特殊な性質を持つものがあります。これは投資法人が利益を超えて支払う分配金で、「出資の払戻し」として扱われ、受け取った時点では課税されません。ただし、投資口の取得価額から差し引かれるため、将来売却する際の譲渡所得計算に影響します。

 

国税庁:不動産投資信託(REIT)の分配金に対する課税関係について詳しい説明があります

REITの配当金カレンダーと投資タイミングの戦略

REITへの投資を検討する際、配当金カレンダーを把握しておくことは重要な戦略の一つです。各REITの決算期と権利確定日を事前に調べておくことで、効率的な投資計画を立てることができます。

 

多くの投資家は「権利取り投資」と呼ばれる戦略を取ることがあります。これは配当金の権利確定日直前に購入し、権利確定後に売却するという方法です。しかし、この戦略には注意点があります。

  • 権利確定日の前後で株価が下落することが多い(配当落ち)
  • 短期売買による取引コストが発生する
  • 税金の影響を考慮する必要がある

より長期的な視点では、複数のREITに分散投資し、決算期をずらすことで年間を通じて安定した配当収入を得る「配当金の平準化」という戦略も考えられます。例えば。

  • 1月・7月決算のREIT
  • 2月・8月決算のREIT
  • 4月・10月決算のREIT
  • 5月・11月決算のREIT

これらを組み合わせることで、ほぼ毎月配当金を受け取ることも可能になります。

 

また、REITの配当金は一般的に年2回ですが、投資信託の形で間接的に投資する場合、年4回の分配金を受け取れる商品もあります。例えば、SBI・J-REIT(分配)ファンド(年4回決算型)は2月、5月、8月、11月の年4回の決算時に分配金を支払います。

 

REITへの投資を検討する際は、単純に分配金利回りだけでなく、以下の点も考慮することが重要です。

  • 保有物件の質と立地
  • 稼働率と賃料の安定性
  • 財務状況(特に借入金比率)
  • 運用会社の実績と信頼性

これらの要素を総合的に判断し、自分の投資スタイルに合ったREITを選ぶことが、長期的な成功につながります。

 

J-REIT.jp:J-REITの決算発表・分配金支払いカレンダーが確認できます