事業税個人事業主完全ガイド:計算から申告まで

事業税個人事業主完全ガイド:計算から申告まで

事業税個人事業主の基本知識

個人事業税の基本ポイント
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法定業種70種類が課税対象

地方税法で定められた70業種の事業を行う個人事業主に課税される地方税

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290万円の事業主控除

年間所得290万円以下は納税義務なし、開業初年度は月割計算

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年2回の納付時期

8月と11月に納税通知書が送付され、分割または一括納付

事業税個人事業主の課税対象となる法定業種

個人事業税は、地方税法で定められた法定業種の事業を営む個人事業主に課税される地方税です 。法定業種は現在70種類あり、ほとんどの事業が該当します 。これらの業種は第一種事業(37業種)、第二種事業(3業種)、第三種事業(30業種)の3つに区分され、それぞれ異なる税率が適用されます 。
参考)個人事業税

 

第一種事業は物品販売業、保険業、製造業、運送業、出版業、飲食店業などが含まれ、税率は5%です 。第二種事業は畜産業、水産業、薪炭製造業の3業種のみで、税率は4%となっています 。第三種事業は医業、薬剤師業、弁護士などの各種士業、コンサルタント業、デザイン業、イラストレーター業、美容業などが含まれ、基本税率は5%ですが、あんま・マッサージ・はり・きゅう・柔道整復などの医業に類する事業と装蹄師業は3%の特別税率が適用されます 。
参考)個人事業税の法定業種と税率を分かりやすく解説!!

 

事業税個人事業主の事業主控除額と税額計算方法

個人事業税の計算では、年290万円の事業主控除が認められており、事業所得が290万円以下の個人事業主には納税義務がありません 。計算式は「(事業所得+青色申告特別控除額-290万円)×税率=個人事業税額」となります 。
参考)個人事業主が知っておくべき「事業税」とは?算出方法や控除・税…

 

青色申告特別控除は所得税では控除対象ですが、個人事業税では対象外のため、計算時に事業所得に足し戻す必要があります 。具体的な計算例として、事業所得400万円、青色申告特別控除65万円の場合、(400万円+65万円-290万円)×5%=8万7500円が個人事業税額になります 。
参考)Q8回答(個人事業税)/大阪府(おおさかふ)ホームページ […

 

開業初年度など事業期間が1年に満たない場合は、事業主控除額が月割計算されます 。例えば6月開業の7ヶ月営業の場合、290万円×7÷12=169万2000円(千円未満切り上げ)が事業主控除額となります 。

事業税個人事業主の納税通知書と納付時期

個人事業税の納税通知書は、毎年8月上旬に都道府県から個人事業主に送付されます 。納付は原則として年2回に分けて行われ、第1期は8月末日、第2期は11月末日が納付期限となっています 。ただし、税額が1万円以下の場合は、8月の第1期に全額一括納付となる都道府県があります 。
参考)三重県|県の税金:個人事業税

 

納税通知書が届かない場合の原因として、住居と事務所の住所が異なるケースや、確定申告で修正申告・更正があった場合が考えられます 。この場合、通常とは異なる時期に納付書が送付される可能性があります 。納付方法は都税事務所やコンビニエンスストアでの窓口納付、口座振替、クレジットカード納付、スマートフォン決済、ペイジーなど複数の選択肢があります 。
参考)【2025年最新版】個人事業主の納税はいつ?所得税など税金の…

 

事業税個人事業主の申告手続きと注意事項

個人事業税の申告は、所得税の確定申告書や住民税の申告書を提出する場合、原則として不要です 。ただし、これらの申告書の「事業税に関する事項」欄に記入漏れがないよう注意が必要です 。申告期限は3月15日ですが、年の途中で事業を廃止した場合は、廃止日から1ヶ月以内(死亡による廃止は4ヶ月以内)に申告を行います 。
複数の都道府県に事務所がある場合は、従業者数に応じて所得を按分し、各都道府県に申告する必要があります 。また、事業の内容が法定業種に該当するかどうか判断に迷う場合は、都道府県税事務所に確認することが重要です 。開業届の業種と実際の事業内容が異なる場合は、現在実際に行っている事業に基づいて判定されるため注意が必要です 。
参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/03/order6/3-6_03.htm

 

事業税個人事業主の独自視点:納付済み事業税の経費計上による節税効果

意外に知られていない事実として、納付した個人事業税は翌年の確定申告で必要経費として計上できます 。これは個人事業主にとって重要な節税ポイントです。例えば、個人事業税10万円を納付した場合、翌年の事業所得から10万円を経費として差し引くことができ、所得税率20%の事業主なら2万円の所得税軽減効果があります。
参考)個人事業税はいくら払うべき?個人事業主が支払う税金の種類や計…

 

この経費計上は帳簿上「租税公課」勘定で処理し、納付時点で経費計上するのが原則です。ただし、所得税や住民税とは異なり、個人事業税のみが経費計上可能な点に注意が必要です。さらに、事業用資産の譲渡損失は事業所得の計算上控除でき、青色申告者の場合は翌年以降3年間の繰越控除も適用されます 。
参考)個人事業税

 

また、自然災害による被害を受けた場合の減免制度や、短期前払費用の特例を活用した前倒し経費計上など、個人事業主が活用できる節税対策は多岐にわたります 。家事按分による家賃・光熱費の経費化や30万円未満の固定資産の一括償却など、適切な経費管理により事業所得を圧縮し、結果的に個人事業税の負担軽減にもつながります 。
参考)個人事業主の節税の裏ワザ経費編!制度を賢く活用して手取りを増…