基礎控除引き上げいつから変更内容と税負担軽減効果を徹底解説

基礎控除引き上げいつから変更内容と税負担軽減効果を徹底解説

基礎控除引き上げいつから

基礎控除引き上げの概要
📅
適用開始時期

令和7年(2025年)1月から新制度が適用開始

💰
基本的な引き上げ額

48万円から58万円へ10万円引き上げ

⬆️
年収の壁の変化

103万円の壁が123万円に引き上げ

基礎控除引き上げ実施時期と背景

令和7年度税制改正により、基礎控除の引き上げが2025年1月から実施されます。この改正は、物価高や人手不足といった社会情勢の変化に対応し、低所得者・中所得者の税負担軽減を目的としています。合計所得金額が2,350万円以下の個人については、従来の48万円から58万円へと10万円の引き上げが行われました。
参考)基礎控除の引き上げはいつから?103万円の壁・変更点を徹底解…

 

改正の背景には、消費者物価指数の上昇や働き控えの問題解決があります。103万円の壁により、労働者が「本当はしっかりと働きたいが働けない」状況が生まれていたことが、制度見直しの大きな要因となりました。
制度の適用時期については、年末調整では令和7年12月から適用されますが、11月までの源泉徴収は従来通りです。源泉徴収での差額分については、年末調整時に還付される仕組みとなっています。

基礎控除引き上げによる所得金額別控除額変更

令和7年度税制改正では、所得金額に応じて段階的な基礎控除額が設定されています。合計所得金額が2,350万円以下の場合、基礎控除は58万円に引き上げられました。これまでの所得制限(2,400万円以下で48万円)から、新たに2,350万円以下という区分が設けられています。
参考)令和7年度税制改正の大綱(1/9) : 財務省

 

具体的な所得金額別の控除額は以下のとおりです。

これにより、高所得者に対する基礎控除額は据え置かれ、中所得者以下への税負担軽減が図られています。所得に応じた公平な税負担の実現が、今回の改正の重要なポイントとなっています。
参考)基礎控除とは【わかりやすく】対象者や給与所得控除との違い、年…

 

基礎控除特例による追加上乗せ制度詳細

令和7年度税制改正では、基礎的な10万円の引き上げに加えて「基礎控除の特例」が創設されました。この特例により、合計所得金額655万円以下の人を対象に、収入金額に応じて5万円から37万円の追加控除が受けられます。
特例による上乗せ控除額は以下のとおりです。

この特例は令和7年・8年の2年間の時限措置で、令和9年以降は一律58万円の基礎控除となります。特例の適用により、これまで103万円だった年収の壁が最大160万円まで引き上げられ、低所得者の税負担が大幅に軽減されます。
参考)160万円の壁とは?103万円の壁からいつ変わる?メリット・…

 

基礎控除引き上げと給与所得控除改正の連動効果

基礎控除の引き上げと同時に、給与所得控除の最低保障額も55万円から65万円へ10万円引き上げられました。この両方の控除拡大により、給与収入者の税負担軽減効果が二重に発揮されます。
参考)給与収入123万円まで所得税がかからない(予定)|コマツカス…

 

具体的な計算例として、年収123万円の場合。

  • 給与所得控除:65万円(従来55万円)
  • 基礎控除:58万円(従来48万円)
  • 課税所得:123万円-65万円-58万円=0円

この改正により、所得税が発生しない年収ラインが103万円から123万円に引き上げられました。さらに基礎控除の特例を適用した場合、年収200万円以下の低所得者は基礎控除95万円と給与所得控除65万円で合計160万円の控除が受けられるため、年収160万円まで所得税が発生しません。
扶養控除等の所得要件も連動して10万円引き上げられ、扶養親族の年収上限が103万円から123万円に変更されています。これにより、扶養控除を受ける世帯の税負担軽減効果も拡大しています。
参考)https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202506/0604.html

 

基礎控除引き上げによる年収の壁問題解決への影響

従来の103万円の壁は、パート労働者の「働き控え」を生み出す大きな要因でした。年収が103万円を超えると所得税や住民税の支払いが発生し、場合によっては長時間働いても手取りが同額またはマイナスになるケースがありました。
今回の基礎控除引き上げにより、この問題は大幅に改善されます。特に注目すべき変化は。

  • 基本的な非課税ライン:103万円→123万円(20万円拡大)
  • 特例適用時の非課税ライン:最大160万円(57万円拡大)

この変更により、パート労働者がより多くの時間働けるようになり、人手不足の解消にも寄与すると期待されています。ただし、社会保険の130万円の壁は依然として存在するため、130万円を超える場合の社会保険料負担については別途考慮が必要です。
さらに、新設される「特定親族特別控除」により、19歳以上23歳未満の扶養親族(主に大学生)の年収が123万円を超えても、150万円までは63万円の控除が適用されます。これにより、学生のアルバイト収入増加による親の税負担増加も緩和されています。
参考)特定扶養控除とは?2025年の税制改正による変更点・世帯に与…