国民健康保険料 個人事業主 計算方法と所得割・均等割の仕組み

国民健康保険料 個人事業主 計算方法と所得割・均等割の仕組み

国民健康保険料 個人事業主 計算

経費を1円も申告しない個人事業主は、最大50万円も保険料を多く払います。


この記事でわかる3つのポイント
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計算の仕組み

所得割・均等割・介護分の3つの区分で保険料が決まる具体的な計算式

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年収別シミュレーション

200万円〜800万円まで、実際の保険料額と自治体による差を比較

節約テクニック

青色申告控除や減免制度を使った合法的な保険料削減方法

国民健康保険料の計算に使う3つの区分


個人事業主の国民健康保険料は、医療分・支援分・介護分の3つの区分を合計した金額です。医療分は加入者全員の医療費に使われ、支援分は75歳以上の後期高齢者医療制度を支える財源になります。介護分は40歳から64歳までの加入者のみが負担する仕組みです。


参考)個人事業主の国民健康保険はいくら?計算方法と年収別目安を解説…

つまり介護分が基本です。


この3つの区分それぞれに、所得に応じた「所得割」と加入者数に応じた「均等割」があります。所得割は前年の所得に料率をかけて計算し、均等割は加入者1人あたりの定額費用です。

自治体によっては世帯ごとの「平等割」や固定資産額による「資産割」を採用している場合もあります。料率や均等割額は市区町村ごとに異なるため、同じ年収でも住む場所によって保険料に差が出ます。

国民健康保険料の計算に使う算定基礎額とは

所得割の計算に使う算定基礎額は、前年の総所得金額等から住民税基礎控除43万円を引いた金額です。総所得金額等とは、事業所得や不動産所得雑所得などを合計した額を指します。

どういうことでしょうか?
個人事業主の場合、算定基礎額は「売上 − 必要経費青色申告特別控除 − 43万円」という式で求められます。青色申告特別控除を最大65万円適用すると、総所得金額等が下がるため算定基礎額も減ります。

例えば年収300万円で青色申告特別控除65万円を受けた場合、算定基礎額は「300万円 − 65万円 − 43万円 = 192万円」です。白色申告では控除がないため、算定基礎額は「300万円 − 43万円 = 257万円」となり、65万円分の差が保険料に影響します。

この差額に料率11.97%(さいたま市40歳の例)をかけると、年間で約7.8万円の保険料差になります。青色申告控除は保険料削減に直結するということですね。

国民健康保険料の所得割と均等割の計算例

具体的な計算例として、さいたま市在住・40歳・単身世帯の個人事業主で見ていきます。令和7年度のさいたま市では、医療分の所得割率7.13%・均等割38,300円、支援分の所得割率2.60%・均等割13,500円、介護分の所得割率2.24%・均等割14,600円です。

所得割率の合計は11.97%です。


年収300万円で青色申告特別控除55万円を適用した場合、算定基礎額は「300万円 − 55万円 − 43万円 = 202万円」になります。所得割は「202万円 × 11.97% = 241,794円」、均等割は「38,300円 + 13,500円 + 14,600円 = 66,400円」です。

年間保険料は「241,794円 + 66,400円 = 約308,200円」となり、月額は約25,700円です。同じ条件で年収500万円の場合、算定基礎額は402万円となり、年間保険料は約547,600円(月額約45,600円)まで上がります。

国民年金と合わせると社会保険料の負担が重くなる水準ですね。所得が上がるほど所得割の金額が大きく増加するため、高所得者ほど負担感が強くなります。

国民健康保険料の年収別シミュレーション比較

年収200万円から800万円までの保険料をシミュレーションすると、大きな差が見えてきます。さいたま市・40歳・単身世帯・青色申告55万円控除の条件で計算すると、年収200万円では年間約188,500円(月額約15,700円)です。

年収300万円では年間約308,200円、年収500万円では年間約547,600円、年収800万円では年間約906,700円となります。年収が4倍になると保険料は約4.8倍に増える計算です。

厳しいところですね。


ただし、年収800万円以上になると自治体ごとの賦課限度額(上限額)に近づきます。さいたま市の令和7年度限度額は合計109万円で、これを超える保険料は請求されません。

扶養家族がいる場合は、その人数分の均等割が加算されます。例えば3人家族なら均等割だけで「66,400円 × 3人 = 199,200円」となり、所得割に上乗せされるため負担はさらに大きくなります。

マネーフォワードの国民健康保険料計算記事では、より詳しいシミュレーションツールが紹介されています。自分の自治体の料率を確認する際の参考リンクとして活用できます。

国民健康保険料を軽減する減免制度と申告の重要性

所得が少ない世帯では、均等割額が自動的に軽減される制度があります。規定の所得基準を下回ると、均等割が最大7割減額されます。この減免は申請不要で自動適用されますが、前提として確定申告または住民税申告が必須です。


参考)国民健康保険料の計算方法は?仕組みとシミュレーションでわかり…


所得がないなら申告不要は間違いです。


所得がゼロでも申告しないと、軽減措置の対象かどうか判定できないため、減免が受けられません。税務担当者として顧問先に確認すべき重要なポイントは、収入が少ない個人事業主でも必ず申告を行っているかどうかです。

非自発的失業(倒産・解雇・雇い止め)の場合や、災害・病気・事業の著しい損失があった場合も、申請により保険料が減免される制度があります。該当する場合は市区町村の窓口への相談が必要です。

未申告のまま放置すると、軽減措置が適用されず本来より高い保険料を払い続けることになります。年間で数万円から数十万円の損失につながるケースもあるため、申告漏れは避けるべきです。

個人事業主の国民健康保険料を安くする方法(マネーフォワード)では、減免制度の詳細な条件が解説されています。税務担当者が顧問先にアドバイスする際の参考情報として役立ちます。




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