青色申告デメリット個人|隠れた注意点と対策

青色申告デメリット個人|隠れた注意点と対策

青色申告デメリット個人

承認申請書を出し忘れると1年間青色申告できません。


参考)青色申告の承認申請書、出し忘れてたらどうする?(法人)


この記事の3つのポイント
📝
事前申請が必須

青色申告は原則3月15日まで、開業時は2ヶ月以内に承認申請書の提出が必要で期限を過ぎると適用を受けられない

⚠️
取り消しリスク

帳簿の未提示や期限後申告が続くと承認が取り消され、65万円控除や赤字繰越などの特典が全て使えなくなる

💰
コスト負担

複式簿記の記帳義務により税理士依頼費用は年間10〜20万円が相場で白色申告より手間もコストもかかる

青色申告の事前申請義務と期限管理の負担


青色申告を利用するには、税務署への事前申請が絶対条件です。


参考)経営相談室 > エラー


具体的には「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。提出期限は原則として青色申告を希望する年の3月15日まで、新規開業の場合は開業から2ヶ月以内です。


参考)【個人事業主】青色申告の必要書類とは?注意点も解説


期限を1日でも過ぎると、その年の青色申告は認められません。白色申告には事前手続きがまったく不要なため、この申請義務は青色申告特有のデメリットといえます。


参考)青色申告承認申請書の出し忘れはどうなる?個人事業主が取るべき…


特に開業初年度や白色申告から切り替える際は、提出期限の把握漏れが起こりやすいです。

申請を忘れた場合の影響は深刻です。どういうことでしょうか?
その年は白色申告しか選択できず、65万円の特別控除や赤字の繰越控除といった税制優遇を一切受けられなくなります。結果として、本来節税できたはずの税額を支払うことになり、年間で数十万円の損失につながる可能性があります。


参考)個人事業主の夫が「白色のほうが楽」と青色申告を避けています。…


期限管理を確実にするには、開業届と同時に青色申告承認申請書も提出する習慣をつけることが有効です。税務署への提出は窓口持参、郵送、e-Taxのいずれかで行えます。


青色申告の複式簿記による記帳負担

青色申告で最大65万円の特別控除を受けるには、複式簿記での記帳が必須です。


参考)【個人事業主向け】青色申告をするメリットは?白色申告との違い…


複式簿記は取引を借方・貸方の2つの側面から記録する方法で、単式簿記(白色申告で認められる簡易な記帳方法)と比べて専門知識と作業時間が大幅に増えます。具体的には、収支帳簿、現金出納帳、売上帳、仕入帳などを適切に記帳し、事業活動の詳細を記録する必要があります。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-shiroiroshinkoku/difference/


以前は白色申告に記帳義務がなかったため、この負担が青色申告最大のデメリットでした。

平成26年以降は白色申告でも記帳義務が課されましたが、それでも青色申告の方が記帳の複雑さは段違いです。


参考)https://store.canon.jp/online/secure/smallbusiness_201811293.aspx


記帳の手間を軽減するには、会計ソフトの活用が効果的です。freeeやマネーフォワード弥生会計などのクラウド型会計ソフトは、複式簿記の知識がなくても取引を入力すれば自動で仕訳を行ってくれます。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/difference-tax-return/

月額1,000円前後から利用でき、確定申告書の作成までサポートしてくれるため、初めて青色申告に挑戦する個人事業主にとって強い味方になります。


青色申告の承認取り消しリスクと罰則

青色申告の承認は、一定の違反行為があると取り消されます。


参考)青色申告が取り消しになることはある?10のケースやデメリット…


取り消し事由は大きく分けて10種類あります。代表的なものは以下の通りです:​

承認が取り消されると、青色申告の全ての特典が使えなくなります。


つまり、65万円の特別控除が適用できません。



参考)青色申告特別控除とは?65万円控除を受ける条件や税金のメリッ…


赤字の繰越控除(個人は3年間)も認められなくなります。これは例えば、前年に200万円の赤字を出し、今年300万円の黒字が出た場合、本来なら差し引き100万円だけに課税されるはずが、取り消し後は300万円全額に課税されることを意味します。

30万円未満の少額減価償却資産の即時償却特例も使えません。通常なら20万円のパソコンを購入した年に全額経費計上できるところ、取り消し後は数年に分けて減価償却する必要が生じます。

取り消しを避けるには、正確な記帳と期限内申告が基本です。


参考)青色申告特別控除とは?65万円控除の適用要件をわかりやすく解…


税務調査が入った際は、帳簿を速やかに提示することも重要です。万が一ミスに気づいたら、税務署から指摘される前に修正申告を行うことで、悪質性の評価を下げることができます。


参考)青色申告が取り消しになる場合の例を取り消された場合の影響とあ…


青色申告の税理士費用負担

青色申告を税理士に依頼する場合、年間10〜20万円の費用が相場です。


参考)確定申告の税理士費用の相場はいくら?税理士に依頼するメリット…


費用は事業の年間売上によって変動します。具体的な目安は以下の通りです:
参考)青色申告を税理士に依頼した場合の費用相場は?青色申告の適用手…


年間売上 税理士報酬の相場
500万円未満 10万円程度​
500万円〜1,000万円 15万円程度​
1,000万円〜3,000万円 20万円程度​

記帳代行を依頼するとさらに費用が上乗せされます。これは月次で帳簿作成を税理士に任せるサービスで、年間数万円〜十数万円の追加費用となることが一般的です。

白色申告の税理士費用は青色申告より安い傾向にありますが、2014年以降は白色申告でも記帳義務が生じたため、費用差は以前ほど大きくありません。

それでも複式簿記が不要な分、白色申告の方が数万円安く済むケースが多いです。


参考)白色申告とは?やり方やメリット、青色申告との違いをわかりやす…

費用を抑える方法としては、記帳は自分で行い、確定申告書の作成と提出だけを税理士に依頼する「申告のみプラン」があります。この場合、費用は5万円前後に抑えられることもあります。

会計ソフトを活用して日常の記帳を自動化し、年に1回だけ税理士にチェックしてもらう方法も現実的です。


複数の税理士に見積もりを取り、料金だけでなく実績や対応の丁寧さも比較して選ぶことが大切です。

青色申告の書類作成と保管義務の負担

青色申告では、白色申告より提出書類が多くなります。


参考)青色申告と白色申告の違いとは?メリット・デメリットを解説 -…


確定申告時には、確定申告書に加えて「青色申告決算書」を提出する必要があります。青色申告決算書は損益計算書貸借対照表で構成され、事業の財務状態を詳細に報告する書類です。白色申告の場合は「収支内訳書」のみで済むため、作成の手間は青色申告の方が明らかに大きいです。


参考)個人事業主が白色申告するメリットは?青色申告との違いや必要書…


帳簿書類の保管義務も厳格です。保管が義務付けられる期間は5年間(一部の書類は7年間)です。

保管対象には、帳簿(仕訳帳、総勘定元帳など)、決算関係書類(損益計算書、貸借対照表など)、現金預金取引等関係書類(領収書、請求書、納品書など)が含まれます。これらを紛失すると、税務調査で不利になったり、青色申告の承認が取り消されるリスクがあります。


書類管理の負担を軽減するには、電子帳簿保存法に対応したシステムを利用する方法があります。


電子データで帳簿や領収書を保存できるため、紙の書類を物理的に保管するスペースが不要になります。ただし、電子帳簿保存法の要件を満たさない保存方法では認められないため、事前に基準を確認することが重要です。

青色申告の期限後申告によるペナルティ

青色申告で65万円控除を受けるには、確定申告を期限内に済ませることが絶対条件です。


確定申告の期限は、通常2月16日から3月15日までです。この期間を1日でも過ぎると、65万円控除は適用されず、10万円控除しか受けられなくなります。つまり、期限を守らなかっただけで、55万円分の控除を失うことになります。


具体的な損失額を計算してみましょう。例えば、事業所得が500万円の個人事業主が期限後申告をした場合、65万円控除が10万円控除に減額されるため、課税所得が55万円増えます。


所得税率が20%だとすると、所得税だけで約11万円(55万円×20%)の追加負担です。さらに住民税も約5.5万円(55万円×10%)増えるため、合計で約16.5万円の損失になります。


2年連続で期限後申告をすると、青色申告の承認自体が取り消されるリスクもあります。承認が取り消されると、過去に繰り越した赤字も使えなくなり、さらに大きな税負担が生じます。


期限内申告を確実にするには、余裕を持ったスケジュール管理が不可欠です。


確定申告期間が始まる前に、1月中には領収書の整理と帳簿の記帳を終わらせておくと安心です。e-Taxを利用すれば、自宅から24時間申告でき、郵送や窓口提出の手間も省けます。

国税庁の青色申告制度の解説ページには、青色申告の基本要件や手続きの詳細が記載されており、期限管理の参考になります。

青色申告の税務調査での対応負担

青色申告を選択すると、税務調査が入った際の対応負担が大きくなります。


税務署から帳簿書類の提示を求められた場合、複式簿記で作成した詳細な帳簿一式を準備する必要があるためです。白色申告の場合は簡易な帳簿で済むため、調査対応の準備時間は青色申告の方が明らかに長くなります。


参考)帳簿をつけてない個人事業主は確定申告できる?リスクや対処方法…


税務調査で帳簿を提示しなかったり、不備が多かったりすると、青色申告の承認が取り消される可能性があります。


提示しないということですね。



取り消されると、その年以降は白色申告しか選択できず、過去の赤字繰越も無効になります。

調査対応をスムーズにするには、日頃から正確な記帳と書類の整理を習慣化することが基本です。

領収書や請求書は月ごとにファイリングし、帳簿との対応関係をすぐに確認できる状態にしておくと、調査官からの質問にも即座に答えられます。


税理士と顧問契約を結んでいる場合は、税務調査への立ち会いを依頼できます。税理士が同席することで、専門的な質問への回答や交渉を任せられ、事業主本人の精神的負担を大幅に軽減できます。

顧問契約がない場合でも、調査が入ってからスポットで税理士に立ち会いを依頼することは可能です。費用は5万円〜10万円程度が相場ですが、不利な判断を避けるための保険として検討する価値があります。




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