

初心者ほどfreeeより先にマネーフォワードを選んでしまう
個人事業主が会計ソフトを選ぶとき、まず気になるのは料金です。マネーフォワードの最安プランは「パーソナルミニ」で年払い10,800円(月換算900円)、月払いは1,280円です。「パーソナル」プランは年払い15,360円(月換算1,280円)、月払い1,680円となっています。
参考)freeeとマネーフォワード徹底比較!機能や料金、プランを解…
一方、freeeの「スターター」プランは年払い11,760円(月換算980円)、月払い1,480円です。「スタンダード」プランは年払い23,760円(月換算1,980円)、月払い2,680円で、「プレミアム」プランは年払い39,800円(月換算3,316円)となっています。
年払いで比較すると、マネーフォワードの方が約1,000円安く導入できます。これは年間コストで見ればわずかな差ですが、数年使い続けると5,000円以上の差になります。料金面だけならマネーフォワードが有利ですね。
ただし、料金プランの安さだけで選ぶと後で機能不足に気づくケースがあります。自分の事業規模や必要な機能を事前に確認することが重要です。
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マネーフォワードとfreeeは、基本的な機能(確定申告書作成、自動仕訳、e-Tax対応など)は両方とも備えています。しかし、機能の設計思想に大きな違いがあります。
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マネーフォワードは業務ごとに機能が切り分けられており、連動転記作業が必要です。修正仕訳が入れやすい反面、間違った仕訳も入れやすいという特徴があります。また、業務との連動性が低いため、請求ソフトで請求書を削除しても仕訳は残る点に注意が必要です。
参考)マネーフォワードとfreeeの徹底比較!
freeeは「トランザクション中心方式」を採用しており、会計初心者でも直感的に操作できるよう設計されています。銀行口座やクレジットカードを連携すれば、取引が自動で仕訳されるため手入力の手間が大幅に削減できます。
参考)「freee」 VS 「マネーフォワード」!会計初心者の個人…
ただし、freeeは妥協で入れたい仕訳(原因不明の差額を消す仕訳など)が入れにくく、分割入金や下取り、相殺などイレギュラーな処理がしにくいというデメリットがあります。freeeに仕事のスタイルを合わせる必要があるということです。
つまり、会計知識がある人にはマネーフォワードが、初心者にはfreeeが向いています。
会計初心者にとって最も重要なのは「どれだけ手入力を減らせるか」です。freee会計は、まさに会計初心者のために設計されたソフトで、画面がシンプルで分かりやすく、初めての方でも迷うことなく操作できます。銀行口座やクレジットカードを連携すれば、取引を自動で仕訳してくれます。
参考)個人事業主に会計ソフトは必要?初心者が選ぶ際の比較ポイントを…
マネーフォワードも金融機関と連携して仕訳を自動化できますが、機能が多くやや複雑です。会計知識がない人にとっては、選択肢が多すぎて迷う場面が出てきます。
実際のユーザーアンケートでは、freeeのデメリットとして「会計知識があると逆に使いにくい」という回答が17.2%ありました。つまり、freeeは初心者向けに特化している分、経験者には物足りなく感じられることがあります。
参考)【100人に聞いた】freeeとマネーフォワードおすすめのク…
一方で、「複雑な仕訳ができない、シンプルすぎてカスタマイズできない」という回答が31%あり、事業が成長してくるとfreeeの制約が課題になる可能性があります。
初心者ならfreeeが使いやすいですが、将来的な拡張性も考慮すべきです。
サポート体制も選定時の重要なポイントです。マネーフォワードの「パーソナルミニ」と「パーソナル」プランでは、メールとチャットのサポートが利用できます。「パーソナルプラス」プランでは、電話サポートも追加されます。
参考)個人事業主向け!マネーフォワードとfreeeどっちがおすすめ…
freeeでは、「スターター」プランはメールとチャットのみ、「スタンダード」プランではサポートの優先対応が受けられます。「プレミアム」プランでは、サポートの優先対応に加え、乗り換えサポートと税務調査サポートが付きます。
特にfreeeのプレミアムプランは手厚く、無料で乗り換え作業をしてくれたり、税務調査の対象になった場合に税理士の立ち会い費用を最大50万円まで負担するサービスがあります。これは税務リスクが心配な個人事業主にとって大きなメリットですね。
マネーフォワードとfreeeのどちらも基本的なサポートは提供していますが、税務調査サポートのような特典はfreeeの上位プラン限定です。
安心感を重視するなら、freeeのプレミアムプランが有力候補です。
会計ソフト選定で失敗する最も多いパターンは「安さだけで選ぶ」ことです。ある製造業の事例では、月額料金が安いという理由でシンプルな個人事業主向け会計ソフトを導入しましたが、原価計算機能がなく製品別の利益が把握できない、在庫管理機能が不十分で月次決算に時間がかかる、部門別管理ができないなどの問題が発生しました。
結果として半年後に上位版への変更を余儀なくされ、データ移行費用と時間的ロスが発生しました。初期投資を抑えたつもりが、結果的に高コストになったわけです。
もう一つの失敗パターンは「事業規模に合わないソフトを選ぶ」ことです。個人事業主用の会計ソフトは、個人の青色申告に対応していますが、法人の決算に必要な機能は備わっていません。将来法人化を考えている場合、最初から法人対応のソフトを選んでおかないと、後で乗り換えが必要になります。
参考)会計ソフトの選び方とは?失敗しないためのポイントをご紹介 -…
連結決算機能がない、従業員数の上限に達する、取引量の増加で動作が重くなるといった問題も、成長段階で顕在化します。
選定時には現在だけでなく、3年後の事業規模を想定することが大切です。
個人事業主向けfreeeとマネーフォワードの詳細比較(税理士による解説)
税理士が実務目線で料金やプラン、機能、インボイス制度への対応などを徹底解説しています。
会計ソフトの選び方とは?失敗しないためのポイント(弥生公式)
会計ソフト選定時に見落としがちな事業規模別の選び方や、個人事業主用と法人用の違いについて詳しく解説されています。
マネーフォワードには、個人事業主にとって見逃せない独自のメリットがあります。
一つ目は、修正仕訳の柔軟性です。
事業を運営していると、誤入力や勘定科目の変更が必要になる場面が頻繁にあります。マネーフォワードは修正仕訳が入れやすい設計になっているため、後からの調整が簡単です。
二つ目は、レポート機能による経営状況の見える化です。金融機関と連携して仕訳を自動化するだけでなく、レポートで経営状況を視覚的に把握できるため、経営判断に役立ちます。請求書や経費精算も一括管理できるので、事務作業の効率が上がります。
参考)おすすめの会計ソフトの選び方とは?個人事業主向けソフトについ…
三つ目は、従来の会計ソフトに近い構造です。簿記の知識がある人や、以前に他の会計ソフトを使っていた人にとっては、マネーフォワードの方が直感的に理解しやすい場合があります。
ただし、業務ごとに機能が切り分けられているため、連動転記作業が発生する点には注意が必要です。作業自体は楽ですが、完全自動ではありません。
会計知識があり、細かい調整をしたい人にはマネーフォワードが最適です。
freeeの最大のメリットは、会計知識がなくても使える設計です。画面がシンプルで分かりやすく、初めての方でも迷うことなく操作できます。家計簿感覚で仕訳入力ができるため、副業や複数事業を持つ個人事業主にも対応しています。
スマホでのレシート撮影機能も強力です。レシートを撮影するだけで即座に仕訳が完了するため、外出先でもすぐに記帳できます。これは紙のレシートを溜め込みがちな人にとって大きなメリットですね。
さらに、freeeは電子申告(e-Tax)への対応がスムーズです。スマホだけで確定申告書作成から電子申告まで完結できるため、パソコンを持っていない人でも利用できます。
ただし、freeeはシンプルさを重視している分、複雑な仕訳やイレギュラーな処理には制約があります。分割入金や相殺、手形混在などの処理がしにくい点には注意が必要です。
会計初心者でスマホ中心の作業なら、freeeが圧倒的に便利です。
個人事業主が税理士と連携する場合、会計ソフトの選び方にも影響があります。税理士の多くは、特定の会計ソフトに慣れているため、自分が使うソフトと税理士が使うソフトが異なると、データのやり取りや確認作業に手間がかかる可能性があります。
税理士事務所によっては、「弥生会計(デスクトップ版)を基本とする」方針を持っているところもあります。これは実績と信頼性が確立されているためです。ただし、将来的なクラウド移行の可能性も視野に入れておく必要があります。
マネーフォワードとfreeeは、どちらも税理士との共有機能を備えていますが、税理士側の使い慣れたソフトがどちらかによって、スムーズさが変わります。
事前に税理士に確認しておくと安心です。
また、税理士に依頼する場合、会計ソフトの月額料金以外に税理士報酬が発生します。この場合、会計ソフトの選定よりも税理士との相性や料金体系の方が重要になることもあります。
税理士と連携するなら、まず税理士に相談してから会計ソフトを選ぶのが賢明です。
既に他の会計ソフトを使っている個人事業主が、マネーフォワードやfreeeに乗り換える場合、データ移行の難易度が気になるポイントです。多くの会計ソフトがCSVインポートに対応しているため、基本的なデータ移行は可能です。
freeeとマネーフォワードは、どちらも乗り換えガイドを完備しています。特にfreeeの「プレミアム」プランでは、無料で乗り換え作業をサポートしてくれるサービスがあります。これは他のソフトからfreeeへの移行を検討している人にとって大きなメリットです。
ただし、データ移行には時間的ロスが発生します。特に年度途中での乗り換えは、過去の取引データを全て移行する必要があるため、作業量が増えます。可能であれば、年度初めのタイミングで乗り換えるのがベストです。
また、乗り換え後に操作に慣れるまでの期間も考慮すべきです。freeeとマネーフォワードは操作感が大きく異なるため、どちらに乗り換えても最初は戸惑う可能性があります。
参考)会計ソフト、freeeとマネフォどっちが正解?現場で試したリ…
乗り換えるなら、繁忙期を避け、時間的余裕のあるタイミングがおすすめです。