クレジットカード帳簿の付け方法人|仕訳・勘定科目・経理処理完全ガイド

クレジットカード帳簿の付け方法人|仕訳・勘定科目・経理処理完全ガイド

クレジットカード帳簿の付け方法人

購入時と引き落とし時で2回仕訳しないとあなたの帳簿は税務調査で否認される

この記事でわかること
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法人カードの正しい記帳タイミング

購入時と引き落とし時の2回仕訳が必要な理由と具体的な処理方法

💳
勘定科目の使い分け

未払金・事業主借・役員貸付金など状況別の正しい勘定科目選択

⚠️
二重計上を防ぐチェック方法

領収書とカード明細の照合で経理ミスを防止する実務ポイント

クレジットカード帳簿の記帳タイミングは購入日


法人のクレジットカード取引では、実際の引き落とし日ではなく「購入日」で記帳するのが原則です。会計の世界では「発生主義」という考え方があり、取引が発生した時点で帳簿に記録しなければなりません。


参考)https://support.yayoi-kk.co.jp/business/faq_Subcontents.html?page_id=618


具体的には、11月15日に消耗品6万円をカードで購入したら、その日に「消耗品60,000円/未払金60,000円」と仕訳します。引き落としが12月5日なら、その日に「未払金60,000円/普通預金60,000円」という2回目の仕訳が必要です。


発生主義が原則ですね。



ただし、一部の税理士は例外的に引き落とし時の1回だけの記帳を認めています。これは小規模事業者の事務負担を軽減するための措置ですが、正式な会計処理としては推奨されません。


参考)税理士ドットコム - [計上]事業用カードで引き落とし 記帳…

事業内容やスケジュール管理も兼ねて帳簿をつけるなら、利用日も記録しておく方が実務上便利です。会計ソフトを使えば、カード明細を自動取り込みできるため、2回仕訳の手間は大幅に削減できます。


参考)法人カード利用時の経理処理は?仕訳まで徹底解説


やよいの青色申告オンライン|クレジットカードの利用時と引き落とし時の仕訳方法について詳しい解説

法人カード購入時の勘定科目は未払金

法人カードで経費を購入した際の貸方勘定科目は「未払金」を使います。これは、商品やサービスを受け取ったが代金はまだ支払っていない状態を表します。


参考)法人カードを利用した時の経理処理とは?仕訳方法や使用する勘定…


例えば4月1日にオフィス用品1,000円をカード購入した場合、「消耗品費1,000円/未払金1,000円」と仕訳します。借方には消耗品費、旅費交通費、通信費など、取引内容に応じた勘定科目を使用してください。


参考)法人カードの経理処理方法を徹底解説!勘定項目やメリット・注意…


未払金は「買掛金」とは異なる点に注意が必要です。買掛金は営業取引(商品仕入れなど)に使う科目で、未払金は営業外取引(固定資産や経費)に使います。クレジットカードでの経費購入は営業外取引に該当するため、未払金が適切です。


参考)勘定科目「未払金」はどう仕訳する?間違いやすい勘定科目との違…


引き落とし時には「未払金1,000円/普通預金1,000円」と仕訳して、未払金を消し込みます。この2段階の処理で、いつ何を買ったか、いつ支払ったかが明確になります。


つまり発生主義の原則に沿った処理です。


クレジットカード年会費の経費計上方法

法人カードの年会費は、事業用に使っているなら全額経費に計上できます。勘定科目は「支払手数料」「諸会費」「雑費」のいずれかを選択しますが、どれを使っても税務上の問題はありません。


参考)クレジットカード年会費の勘定科目は?経費計上方法を仕訳例で解…


支払手数料は、カード会社へのサービス対価として捉える考え方です。諸会費は、会員資格維持のための費用という位置づけになります。社内で一度決めたら、その勘定科目を継続して使うのが会計の基本です。


参考)法人カードの年会費はどの勘定科目に分類される?経費で落とせる…


仕訳例を見てみましょう。年会費1万円がカード引き落としされた場合、「支払手数料10,000円/未払金10,000円」(購入時)、「未払金10,000円/普通預金10,000円」(引き落とし時)となります。

個人名義のカードを事業とプライベート両方で使っている場合は、家事按分が必要です。事業利用割合が60%なら、年会費1万円のうち6,000円だけを経費計上します。


法人カードなら按分不要です。



年会費有料でも、ビジネスに役立つサービスが付帯していれば十分元が取れます。経費計上できる以上、無料にこだわる必要はありません。

クレジットカード二重計上を防ぐチェック術

法人カード利用で最も多いミスが二重計上です。領収書とクレジット売上票、カード明細など複数の書類が発行されるため、同じ取引を重複して処理してしまう危険性があります。


参考)法人カード利用時の領収書は不要?経費精算に使える証憑や、取り…


二重計上を防ぐには、提出された領収書と、カード会社発行の利用明細を照らし合わせる作業が必須です。同一取引の書類はホチキスで一つにまとめておくと、後で混乱しません。


参考)法人カード利用時の領収書は必要?経費精算に使える証憑を解説


クレジットカード決済の場合、実は領収書は必須ではありません。カード利用明細があれば、税務上の証憑として認められます。ただし、取引内容の詳細確認のため、レシートやクレジット売上票も一緒に保管するのが実務的です。


参考)https://www.diners.co.jp/ja/entry_form/corporate/receipt.html


経費の利用内容に誤りがあると、税務署からペナルティーを課される可能性があります。重加算税は本来の税額の35%にも達するケースがあるため、注意が必要です。


参考)法人カードで個人の買い物はしてもいい?|利用時の問題点や仕訳…


会計ソフトを使えば、カード明細を自動取り込みして取引を自動仕訳できます。手作業での入力ミスや二重計上のリスクを大幅に減らせます。

Bill One|法人カード利用時の領収書管理と二重計上防止の実務ポイント

法人カード分割払いの金利手数料処理

クレジットカードで分割払いを選択すると、金利手数料が発生します。この利息分は「支払利息」という勘定科目で処理するのが会計上の原則です。


参考)クレジットカードを経費精算に利用するには?仕訳や法人カードの…

例えば10万円の備品を3回払いで購入し、金利手数料が2,000円かかった場合を考えましょう。購入時は「消耗品費100,000円/未払金100,000円」と仕訳します。1回目の引き落とし時には「未払金33,333円、支払利息667円/普通預金34,000円」となります。

ビジネス目的での支払いなら、分割払いの手数料も経費として計上可能です。ただし、2回払いまでなら利息手数料が無料の法人カードが多いため、利用前に確認すると良いでしょう。


支払手数料が経費になりますね。



参考)法人カードで分割払いはできる!リボ払いにも対応するおすすめカ…

金利手数料の実質年率はカードによって異なり、7.92%から18.00%まで幅があります。リボ払いの場合は9.6%から19.8%程度が一般的です。

法人カードの基本は一括払いです。分割払いを頻繁に利用すると、キャッシュフロー管理が複雑になり、支払利息も積み重なります。資金繰りに余裕があるなら、一括払いを選択する方が経理処理もシンプルです。


参考)法人カードで分割払いやリボ払いはできるのか?おすすめカードや…

電子帳簿保存法対応のクレジットカード領収書保存

電子データで発行・受領した領収書は、データのまま保管することが義務づけられています。これは2024年1月から完全義務化された電子帳簿保存法の規定です。


参考)電子帳簿保存法ではクレジットカードの利用明細は領収書代わりに…


具体的には、メールやWebサイトでダウンロードした領収書PDFを紙に印刷して保存することは認められません。データで受け取ったらデータのまま、「真実性の確保」と「可視性の確保」という要件を満たして保存する必要があります。


参考)電子帳簿保存法でクレジットカードの領収書はどうする?対応を解…

領収書が発行されないケースや紛失したケースでは、クレジットカードの利用明細を領収書の代わりとして保存できます。ただし、取引日、取引先、金額、取引内容などの必要項目が記載されていることが条件です。

電子データのファイル名は、「取引年月日_取引先_金額」の3項目を含める形式が推奨されています。例えば「20260207_○○商店_10000.pdf」といった命名規則です。


検索性の確保が必須ですね。



参考)http://www.ntt-finance.co.jp/billing/biz/column/20230630_4

会計ソフトの多くは、電子帳簿保存法に対応した証憑管理機能を備えています。カード明細と領収書データを紐づけて保存できるため、法令対応と業務効率化を同時に実現できます。

弥生会計|電子帳簿保存法でクレジットカードの領収書をどう扱うかの詳細解説

法人カード個人利用時の役員貸付金処理

法人カードで個人の買い物をしてしまった場合、勘定科目は「役員貸付金」を使います。これは会社が役員に対してお金を貸し付けた状態を表す科目です。

すぐに返済できる少額なら、「仮払金10,000円/未払金10,000円」と処理し、返済時に「現金10,000円/仮払金10,000円」と仕訳します。一方、200万円など高額で即座に返済できない場合は、「役員貸付金2,000,000円/未払金2,000,000円」として処理します。

法人カードの個人利用は、原則として避けるべき行為です。プライベート費用を誤って経費処理すると、脱税を疑われる可能性があります。税務署から「意図的に個人利用を続けている」と判断されれば、重加算税の対象になりかねません。


個人事業主が屋号カードで個人使用した場合は、勘定科目が「事業主貸」になります。例えば8月1日に自宅用家電3万円を購入し、9月10日に引き落とされた場合、引き落とし日に「事業主貸30,000円/普通預金30,000円」と仕訳します。


参考)https://www.diners.co.jp/ja/entry_form/corporate/creditcard_shiwake.html


法人カードと個人カードは明確に使い分けることが重要です。経理担当者の照合作業時間を削減し、不正や混乱を防ぐことができます。事業用とプライベート用で別々のカードを持つのが基本です。

白色申告と青色申告での帳簿付け方の違い

法人カード利用時の経理処理は、白色申告青色申告で記帳方法が異なります。白色申告は「単式簿記」、青色申告は「複式簿記」で記帳しなければなりません。


単式簿記では、収入や支出をシンプルに記帳していくため、簿記知識に自信がない人でも比較的簡単です。例えば「4月1日 オフィス用品 1,000円」と記録するだけで済みます。

複式簿記では、同じ取引を借方と貸方の両面から記帳します。「消耗品費1,000円/未払金1,000円」という形で、左右の金額が必ず一致する仕訳を作成します。


複式簿記が原則です。



青色申告で65万円の特別控除を受けるには、複式簿記による記帳が必須条件です。10万円控除なら簡易的な記帳でも可能ですが、複式簿記の方が節税効果が大きくなります。


参考)クレジットカードの帳簿の付け方は?個人事業主の仕訳方法を解説…

個人事業主の場合、クレジットカードを事業用とプライベート用で分けることが推奨されています。国税庁の資料「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」にも、カードを分ける必要性が明記されています。事業とプライベートが混在すると、家事按分の計算が複雑になり、税務調査でも説明に苦労します。

弥生会計|クレジットカードの帳簿の付け方と個人事業主の仕訳方法の完全ガイド

勘定科目修正が必要になる未払金残高のズレ対処法

帳簿上の未払金残高とカード会社の請求額にズレが生じることがあります。このような不一致が発生した場合、原因を追究して修正仕訳を行う必要があります。


参考)「勘定科目修正方法について」


原因が特定できた場合は、誤った勘定科目と「未払金」の組み合わせで反対仕訳を行います。例えば、消耗品費として処理すべき1万円を交際費で計上していたなら、「消耗品費10,000円/交際費10,000円」と修正します。

原因追及が不可能な場合は、「雑収入」または「前期損益修正益」で相殺する処理が考えられます。具体的には「未払金10,000円/雑損失10,000円」と仕訳することで、帳簿上の不一致を解消できます。


雑損失で処理が一般的です。



未払金残高が合わない主な原因は、期首の未払金残高の仕訳ミス、仕訳漏れ、間違った勘定科目での処理などです。毎月カード明細と帳簿を照合する習慣をつければ、大きなズレを防げます。

申告期限内なら、確定申告書を訂正して修正申告が可能です。個人事業主は3月15日まで、法人は事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内が期限となります。


早めに気づけば修正も簡単です。





シャチハタ 領収書の但し書き用 (クレジットカードご利用)