

請求書が届いていなくても未払費用として計上しないと損金不算入になります
参考)未払金と未払費用 似て非なる2つの負債
未払金とは、商品の引き渡しやサービスの提供がすでに完了しているにもかかわらず、代金の支払いが済んでいない債務を指します。
貸借対照表では負債の部に計上され、具体的には事務用品や備品類といった消耗品費、工具や器具の購入費をショッピングローンなどで後払いするケースが該当します。
つまり確定した債務です。
参考)未払金と未払費用の違いとは?仕訳例とともにわかりやすく解説
決算日における未払金はワン・イヤー・ルール(1年基準)の適用を受け、貸借対照表日の翌日から1年以内に支払期日が到達するものは流動負債の「未払金」として計上されます。1年を超えるものは固定負債の「長期未払金」として区分されます。
参考)未払金とは?未払費用や買掛金との違いや決算時に未払計上する仕…
たとえば12月決算の会社が12月に消耗品15万円分を購入し、翌月支払う場合、決算時には「消耗品費150,000円/未払金150,000円」と仕訳します。月まとめで支払を行うような場合は、締め日でまとめて未払金を計上して構いません。
参考)勘定科目「未払金」とは?未払費用との違いと使い分けをわかりや…
企業会計原則の注解では、未払金は「特定の契約等により既に確定している債務のうち、未だその支払が終わらないもの」と定義されています。債務の確定は契約による役務提供の完了時点と考えられます。
未払費用とは、継続的に役務の提供を受けている契約において、決算日時点でまだ支払いが完了していない費用を指します。
参考)未払費用とは?未払金との違いを比べて二つの負債を徹底解説
貸借対照表では負債の部に計上され、具体的には給料、賃借料、リース料、利息などが該当します。役務提供が決算日をまたいで継続中のものが対象です。
企業会計原則では「一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、既に提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいう」と定義されています。時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているため、当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上する必要があります。
たとえば3月決算の会社が5月1日から保険契約を結び、翌年4月30日に1年分12万円を後払いする場合、決算時点で5月1日から3月31日までの11ヶ月分11万円を未払費用として計上します。仕訳は「保険料110,000円/未払費用110,000円」となります。
参考)未払費用の扱い方は?未払金との違いや具体例についてわかりやす…
未払費用は流動負債に計上されるのが原則です。
未払金と未払費用の最大の違いは、役務提供が完了しているか継続中かという点にあります。
未払金は「すでに確定している債務」であり、商品の引き渡しやサービスの提供が終了している取引に使用します。一方、未払費用は「サービスを受けている途中の取引」に使用し、時間の経過に応じて費用が発生するため当期の損益計算に計上します。
参考)未払金と未払費用の違いは?経費精算システムで正しい科目の選択…
期末において請求書が届いており債務が確定しているものは未払金として処理し、請求書が届いておらず債務が未確定のものは未払費用として処理します。
これが実務上の判断基準です。
たとえば家賃15万円を翌月払いとしている場合、決算時には「地代家賃150,000円/未払費用150,000円」と仕訳します。翌期首に「未払費用150,000円/地代家賃150,000円」と振り戻し、支払日に「地代家賃150,000円/普通預金150,000円」と処理します。
対して、12月に消耗品を購入し翌月支払う場合は「消耗品費/未払金」と仕訳します。
役務提供の完了時点で区別します。
未払費用は経過勘定と呼ばれ、期間損益計算の観点から計上される負債です。
費用計上のタイミングは、発生主義に基づき債務が確定した時点となります。
参考)「未払費用」を計上する場合のポイント 【風間税務会計事務所】
税務上の損金算入において、未払金は「納品・検収の完了(債務確定)」が条件となる一方、未払費用は「期間対応の原則」に基づき、決算期末までに発生した役務提供分のみが対象となります。未払費用は利益操作に使われやすいため、税務調査でも厳格にチェックされる項目です。
参考)未払金と未払い費用の違いは?仕訳方法や税務処理の手順、管理方…
未払費用を損金算入するには2つの要件を満たす必要があります。1つ目は債務が確定していること、つまりその費用について法律上支払う契約があり、期末までに支払債務が成立していることです。2つ目は原因となる事実が発生していること、つまり決算期末までにその債務に基づいて具体的な給付原因となる事実が発生していることです。
たとえば借入金に対する利息4万円が未払いの場合、「支払利息40,000円/未払費用40,000円」と仕訳します。利息のように継続期間中に日々費用が増えていくものは、期間計算をして決算日時点での累計を計算し未払費用として計上します。
参考)勘定科目 「未払費用」は未払金と違う?仕訳や決算の注意点をわ…
期末日までの納品書や検収書を漏れなく確認し、請求書が届いていなくても実際に商品やサービスを受領していれば未払金として計上する必要があります。
決算時には未払金の計上漏れがないか、締め日でまとめて確認する作業が重要です。
期末日までの納品書や検収書を漏れなく確認し、請求書が届いていなくても実際に商品やサービスを受領していれば未払金として計上する必要があります。月まとめで支払を行うような場合は、締め日でまとめて未払金を計上して構いません。
まとめた金額が10万円以上であっても、一組の金額が10万円未満であれば費用計上で問題ありません。
これは実務上の重要なポイントです。
前期決算時に未払費用を未払金として誤って入力してしまった場合、期首において修正仕訳を切って残高を修正できます。たとえば「未払金/経費(多く入力したもの)」という仕訳を期首に行い、残高を合わせる方法があります。
参考)未払金・未払費用入力間違いについて。 - 相談の広場 - 総…
クレジット決済分は燃料費等発生時に未払金として帳簿入力し、翌月支払日に「未払金/普通預金(支払額)」として処理します。洗い替えを行う場合は「未払金/給与」とした仕訳が必要ですが、2ヶ月分のマイナス経費状態になるため注意が必要です。
税務調査では未払費用の計上が厳格にチェックされるため、契約書を確認し日割り計算が必要な場合は正確に算出する必要があります。
未払費用の仕訳は決算時の計上、翌期首の振り戻し、支払時の処理という3段階で行います。
決算時、翌月払いとしている家賃25万円分を未払費用として計上する場合、「地代家賃250,000円/未払費用250,000円」と仕訳します。翌期首には「未払費用250,000円/地代家賃250,000円」と振り戻します。
家賃の支払日には「地代家賃250,000円/普通預金250,000円」と処理します。振り戻し処理を行う理由は、当期の費用として既に計上済みのものを翌期に二重計上しないためです。
利息の場合も同様で、7万円の支払利息を未払費用として計上する際は「支払利息70,000円/未払費用70,000円」と仕訳します。翌期首に「未払費用70,000円/支払利息70,000円」と振り戻し、支払時に「支払利息70,000円/普通預金70,000円」と処理します。
給与が翌々月10日払いの場合、決算月には2ヶ月分の未払費用が発生します。決算月以外は発生時に「給与/普通預金」と入力処理しますが、決算時には未払分を適切に計上する必要があります。
保険料12万円を後払いする契約で、決算日までに11ヶ月分の役務提供を受けている場合、「保険料110,000円/未払費用110,000円」と計上します。
<参考リンク>
国税庁や会計基準に関する詳細は、以下のリンクで確認できます。
未払費用と未払金の違いについて図解で解説 - 公認会計士のぼりかわ会計事務所
勘定科目「未払金」とは?未払費用との違いと使い分け - 弥生株式会社
未払金と未払い費用の違いと税務処理の手順 - ヒューマントラスト