電子帳簿保存法 個人事業主 1000万円以下の対応方法

電子帳簿保存法 個人事業主 1000万円以下の対応方法

電子帳簿保存法 個人事業主 1000万円以下の対応

1000万円以下でも対応は必須です。


この記事のポイント
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売上1000万円以下も対象

免税事業者や小規模事業者でも電子データ保存は義務。ただし検索要件に緩和措置あり

⚖️
違反すると罰則のリスク

青色申告の取り消しや追徴課税、最大100万円以下の過料が科される可能性

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実務的な対応方法

ファイル名のルール設定と印刷書類の整理で要件を満たす方法を紹介

電子帳簿保存法 個人事業主 1000万円以下でも対応義務がある


売上1000万円以下の個人事業主や免税事業者であっても、電子帳簿保存法への対応は必要です。2024年1月から電子取引のデータ保存が完全義務化され、事業規模に関わらず全ての個人事業主が対象となりました。


つまり義務は同じです。



電子取引とは、メールで受け取った請求書のPDFファイル、クレジットカードのWeb明細、ネット通販の領収書データなどを指します。これらを電子データのまま保存しなければなりません。紙に印刷して保存するだけでは要件を満たさないため注意が必要です。


参考)個人事業主は電子帳簿保存法に対応すべき?対応方法や罰則も解説…


ただし、売上1000万円以下の事業者には救済措置があります。基準期間(前々年)の売上高が1000万円以下の場合、取引データを日付・金額・取引先で検索できる機能の確保が不要とされています。令和5年度税制改正後は、この基準が5000万円以下に拡大されました。


参考)個人事業主の電子帳簿保存法は何をすればいい?領収書やレシート…


検索要件が不要でも、電子データそのものの保存は必須です。受け取った請求書PDFや送信した見積書データを削除せず、適切に保管しておく必要があります。データを失うと法令違反になる可能性があります。


参考)【電子帳簿保存法】売上5,000万円以下の事業者が対応すべき…

副業雑所得として申告している方のうち、前々年の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える場合も、電子帳簿保存法の対象です。


これは使えそうです。



参考)https://www.yayoi-kk.co.jp/denchoho/oyakudachi/kojinjigyounushi/

電子帳簿保存法の検索要件が緩和される条件

基準期間の売上高が5000万円以下の事業者は、検索機能の確保が全て不要になります。基準期間とは原則として2課税年度前(個人事業主の場合は前々年)を指します。


売上高は税抜金額で判断します。



参考)https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0023003-082.pdf


検索機能とは具体的に、①取引年月日・取引金額・取引先を検索できること、②日付や金額の範囲を指定して検索できること、③2つ以上の項目を組み合わせて検索できること、の3つを指します。5000万円以下ならこれらすべてが免除されます。


参考)電子帳簿保存法の基準期間の売上高とは?税理士がわかりやすく解…

さらに、電子データを印刷した書面を、取引年月日や取引先ごとに整理した状態で提示・提出できる保存義務者も、検索機能が不要となる措置の対象に追加されました。


つまり原則です。



この緩和措置を活用すれば、専用システムを導入せずとも対応可能です。受け取ったPDFファイルをフォルダに保存し、印刷した書類を日付順に整理して保管しておけば、税務調査の際に提示できます。


これは無料です。



ただし、検索要件が免除されても、真実性の確保(データの改ざん防止)や可視性の確保(データが読める状態での保存)といった基本要件は満たす必要があります。それで大丈夫でしょうか?
参考)電子帳簿保存法でのメール本文の保存方法とは?PDF化や索引簿…

国税庁の公式情報は以下で確認できます。


国税庁「電子帳簿保存法の内容が改正されました」PDF
改正内容や検索要件の緩和対象について詳しく記載されています。


電子帳簿保存法に違反した場合の罰則とリスク

電子帳簿保存法に適切に対応しないと、青色申告の承認取り消しのリスクがあります。電子取引データを保存していない、または要件を満たさない保存方法をしていた場合、適切な帳簿・書類の保管がされていないとみなされ、青色申告が取り消される可能性があります。


厳しいところですね。



青色申告が取り消されると、最大65万円の青色申告特別控除が受けられなくなります。これにより課税所得が増加し、所得税住民税の負担が大幅に増えます。年間で数十万円の追加納税が発生する可能性もあります。


参考)【65万控除?】青色申告は個人事業主でも使える?電子帳簿保存…

さらに、帳簿書類の保存義務違反は会社法第976条違反に該当し、100万円以下の過料が科されることがあります。過料は行政罰の一種であり、刑事罰とは異なりますが、企業や個人事業主にとって大きな経済的負担となります。


痛いですね。



参考)電子帳簿保存法に罰則規定はある?内容と違反するケース &#8…


電子データを適切に保存していないことで推計課税が適用され、追徴課税が発生するケースもあります。税務調査で帳簿の信頼性が否定されると、税務署が推計で所得を算定し、本来より高い税額を課される可能性があります。

違反による社会的評価の低下も無視できません。過料や青色申告取り消しの事実が取引先に知られると、信用を失う恐れがあります。


これは使えそうです。


電子帳簿保存法 個人事業主のファイル名と保存方法

電子取引データを保存する際は、ファイル名に「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目を含めることが推奨されています。国税庁は「電子帳簿保存法一問一答」で、これらを統一した順序で入力することが望ましいとしています。


参考)電子帳簿保存法:電子データ保存する場合のデータ名に決まりはあ…


具体的なファイル名の例は「20240401_株式会社A_100000_請求書.pdf」のような形式です。2024年4月1日に株式会社Aから10万円の請求書を受け取った場合、このようにファイル名を設定します。順序は社内で統一し、全ての書類に同じルールを適用しましょう。


基本です。



参考)電子帳簿保存法のルールに則したファイル名の付け方とは


売手側から届くファイル名が自社ルールと異なる場合は、受け取り後にファイル名を変更して保存します。メールに添付された「請求書_202404.pdf」といった名称を、自社の命名規則に合わせて「20240401_株式会社A_100000.pdf」のように変更すると検索しやすくなります。


参考)電子帳簿保存法に沿ったファイル名のルールを解説【記入例あり】…

保存先のフォルダ構成も重要です。事業年度、取引先、書類の種類などでフォルダを分けて整理すると、必要なデータを素早く見つけられます。例えば「2024年度」フォルダの中に「請求書」「領収書」などのサブフォルダを作り、さらに取引先ごとに分類する方法があります。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-trend/filename/

印刷した書類を併用する場合は、取引年月日や取引先ごとに整理した状態で保管しておけば、税務調査時の提示・提出要件を満たせます。電子データと紙の両方を揃えておくと安心です。それで大丈夫でしょうか?​
弥生の公式解説ページも参考になります。


弥生「電子帳簿保存法に沿ったファイル名のルールを解説」
ファイル名の記入例や実務的なポイントが詳しく紹介されています。


電子帳簿保存法と青色申告65万円控除の関係

65万円の青色申告特別控除を受けるには、電子帳簿保存またはe-Taxによる電子申告のいずれかが必要です。具体的には、仕訳帳や総勘定元帳を電子帳簿保存するか、確定申告書・貸借対照表損益計算書をe-Taxで提出する必要があります。


参考)電子帳簿保存で青色申告特別控除額65万円を目指そう!|ソリマ…


電子帳簿保存で65万円控除を得るには、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。一定の要件とは、訂正削除の履歴が残る、帳簿間での記録の相互関連性が確保されている、検索機能が確保されているなどです。これらの要件を満たさないと青色申告が取り消される可能性があります。


e-Taxによる電子申告のほうが手続きは簡便です。マイナンバーカードとカードリーダーがあれば、会計ソフトから直接申告データを送信できます。電子帳簿保存に不安がある場合は、e-Taxでの申告を選択するのが確実です。


いいことですね。



ただし、売上高1000万円以下の事業者は検索機能の確保が不要とされており、電子帳簿保存のハードルが下がっています。会計ソフトで帳簿を作成している場合、そのデータをそのまま保存しておけば要件を満たせる可能性が高いです。


なら問題ありません。



電子帳簿保存またはe-Tax申告のいずれも行わない場合、青色申告特別控除額は最大55万円となり、10万円分の控除を失います。年間所得にもよりますが、数万円の税負担増につながる可能性があります。

電子帳簿保存法 個人事業主が最低限すべき実務対応

まず、電子取引で受け取った全てのデータを削除せず保存します。メールに添付された請求書PDF、Amazonなどの購入履歴画面、クレジットカードのWeb明細などが該当します。メール本文に取引情報が記載されている場合、そのメール自体も保存対象です。


参考)【わかりやすく解説】電子帳簿保存法の要件・対応方法|2025…


売上5000万円以下の事業者は、データを単純にフォルダに保存し、印刷した書類を日付順に整理しておけば対応できます。


専用システムの導入は必須ではありません。


つまり不要です。


データのファイル名を「取引年月日_取引先_金額」の形式に統一すると、後から探しやすくなります。例えば「20260208_田中商店_50000.pdf」のように設定します。受け取ったファイルは必ず自社ルールに合わせて名称変更してください。


電子データと紙の両方を保管する場合、紙は取引年月日や取引先ごとにファイリングします。税務調査で「データを見せてください」と言われたとき、すぐに提示できる状態にしておくことが重要です。


結論は準備です。



会計ソフトを使っている場合、電子帳簿保存法に対応した機能があるか確認しましょう。多くの会計ソフトは、取引データの自動保存や検索機能を備えています。ソフトの設定を見直すだけで対応が完了するケースもあります。どういうことでしょうか?
要件を満たさない状態で税務調査を受けると、青色申告取り消しや追徴課税のリスクがあります。事前に税理士や税務署に相談し、自社の保存方法が適切か確認しておくと安心です。専門家への相談は、将来の罰則リスクを回避するための有効な手段です。


参考)https://www.yayoi-kk.co.jp/denchoho/oyakudachi/bassoku/


マネーフォワードの詳しい解説も役立ちます。


マネーフォワード「個人事業主の電子帳簿保存法の対応を1から簡単に解説」
売上1000万円以下の事業者向けの具体的な対応方法が紹介されています。




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