

按分比率に明確なルールは存在しない
地代家賃の按分は、自宅兼事務所の家賃を事業用と私用に分ける際に必要となる処理です。最も一般的な方法は面積比率による計算で、自宅全体の面積に対して事業で使用している面積の割合を求めます。
参考)家事按分で正しく節税!要件・割合の決め方や計算・仕訳の方法を…
例えば自宅が60㎡で、そのうち12㎡を仕事部屋として使用している場合、按分率は12㎡÷60㎡=20%となります。月の家賃が15万円なら、3万円を経費として計上できるということですね。
参考)【第22回:「按分比率はこう残す」調査で信頼される根拠資料の…
面積での按分が難しい場合は、時間割合を使う方法もあります。1日7時間、週5日自宅で業務を行う場合、週の業務時間は35時間です。1週間は168時間なので、按分率は35時間÷168時間≒21%となり、月の家賃15万円のうち約3万1,500円を経費にできます。
仕訳の際は、家賃10万円を支払った場合、事業用3割なら「地代家賃30,000/普通預金100,000」「事業主貸70,000」という形で記帳します。年末にまとめて按分する方法もあり、毎月全額を地代家賃として仕訳し、年末に私用分を事業主貸に振り替える処理が実務上はラクです。
電気代の按分には、コンセントの数で計算する方法と使用時間で計算する方法があります。どちらを選ぶかは、業務の実態に合わせて決めることが基本です。
参考)https://keiei.freee.co.jp/articles/p0100252
コンセント数による計算は、自宅にある全てのコンセントの差込口と、業務で使用している差込口の数から比率を求めます。自宅の電源の差し込み口が20個あり、そのうち4個を業務利用する場合、按分率は4個÷20個=20%です。月の電気料金が1万円なら、2,000円を経費として計上できます。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/apportionment_of_housework/
使用時間で計算する場合は、1週間の業務時間の比率を求めます。1週間の25%が業務時間で月の電気代が1万円の場合、計上金額は月2,500円になります。この方法は、業務でパソコンやモニター、プリンターなど事業専用機器を使っている時間を明確にできる場合に適しています。
どちらの方法を選んでも、按分の根拠を記録として残すことが不可欠です。例えば「家全体のコンセントが12個あり、そのうち3個を仕事で使用している」といったメモをExcelや会計ソフトの摘要欄に残しておくと、税務調査での印象が大きく変わります。
参考)【税理士が解説】家事按分とは?判断のポイントや主な経費の計算…
通信費の按分比率は、使用日数でも使用時間でも計算することができます。インターネットを業務時間にずっと使用している場合は日数計算の方が簡単です。
使用日数で計算する例として、1ヶ月の通信費が1万6,000円で週5日使用している場合を見てみましょう。按分率は5日間÷7日間≒71%となり、経費計上できる額は1万6,000円×71%≒1万1,360円です。
使用時間から計算する場合は、1週間の業務使用時間を総時間で割ります。1日8時間、週6日業務を行う場合、1週間の業務使用時間は8時間×6日=48時間です。1週間の総時間は24時間×7日=168時間なので、按分率は48時間÷168時間=28%となります。月の通信費が1万5,000円なら、4,200円を経費にできるということですね。
スマホの使用履歴を見て、仕事が約50%だった場合は、通信費の半分を経費にするという判断もできます。ただし、SNSやメールなどの業務時間中の使用記録、請求明細にあるデータ通信の利用履歴を按分比率の算出根拠として保管しておくことが必要です。
青色申告と白色申告では、家事按分による経費計上の柔軟性に違いがあります。青色申告では、自宅兼事務所の家賃や水道光熱費、通信費などを事業用割合に応じて経費計上する家事按分が柔軟に行えます。
参考)青色申告と白色申告の違いは何?それぞれの申告方法のメリット・…
国税庁の法令解釈通達45-2では、「業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうか」を基本としつつ、必要である部分を明らかに区分できれば50%以下であっても経費に算入してもよいとの考え方が示されています。つまり、青色申告では50%以下の按分も認められやすいのです。
参考)家事按分とは?仕訳・割合の決め方、確定申告での注意事項を解説
一方で白色申告では、事業用割合が50%を超えることが経費計上の条件となるケースが多く、按分の自由度が制限されます。この違いは、家族経営を行う場合や自宅での業務が多い事業者にとって大きな影響があります。
青色申告を行うには、「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、承認を得る必要があります。白色申告では事前申請が不要なため、開始までの準備が簡単という違いがありますが、節税効果を考えると青色申告のメリットは大きいです。
税務調査では、按分比率の根拠を示すよう求められることがあります。その際、家事按分の割合に関する具体的な証拠がないと、「適当な割合を申告している」と判断され、修正申告を求められる恐れがあるのでご注意ください。
参考)https://illustrator-tax.com/housework-allocation-get-catch/
事業用割合が高すぎると税務署に不審に思われやすくなります。例えば、自宅の家賃を100%経費にしている場合、生活のための居住スペースが存在しないことになり、明らかに不合理です。過去の割合と異なる場合も、税務調査の対象になりやすくなります。
税務調査での主な調査内容は、経費の領収書・請求書の確認、銀行口座やクレジットカードの明細、仕事場の確認などです。按分比率の信頼性を高めるために、実務でできる具体的な記録方法や資料の残し方を実践することが重要です。
「比率を決めた根拠」を頭の中だけにとどめておかないことが基本です。メモやExcel、会計ソフトの摘要欄などに書いておくだけで、税務調査での印象が大きく変わります。納税者が自分の判断に責任を持っていることが見えるからですね。
按分の根拠資料としては、間取り図や業務で使用しているスペースを示す写真、業務時間の記録やタイムカード、コンセント配置図や業務用機器のリストなどが有効です。これらを確定申告の際に一緒に保管しておくと安心です。
参考)税務調査で家事按分は否認される?証明に必要な資料と根拠とは
国税庁公式サイトでは、按分に関する法令解釈通達や具体的な事例が公開されています。按分比率の判断に迷った際の参考リンクとして活用できます。
弥生の確定申告ガイドには、按分の割合の決め方や仕訳方法について、初心者にも分かりやすい解説があります。実務での按分処理の参考になる情報が豊富です。

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