

領収書の宛名が「上様」だとあなたの経費が全額否認される
確定申告で必要経費を記載する場所は、青色申告決算書の1ページ目にある損益計算書の「経費」欄です。各勘定科目ごとに、決算整理後の金額を記入します。
参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2021/pdf/037.pdf
記入の流れは、まず経費帳の各科目から金額を集計し、該当する勘定科目に転記します。減価償却費については、決算書3ページ目の「減価償却費の計算」欄で計算した「本年分の必要経費算入額」の合計金額を1ページ目に記入します。勘定科目は租税公課、荷造運賃、水道光熱費、旅費交通費など、青色申告決算書に印字された項目を使用します。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/blue-return-fill-in/
該当する勘定科目がない場合は、空欄の科目名欄に独自の勘定科目を記入することも可能です。たとえば営業で車を頻繁に使う場合、ガソリン代・駐車場代・車検代をまとめて「車両費」として計上できます。決算書にある勘定科目だけで記帳すると特定科目の金額が多くなり、用途が不明確になる可能性があるため、事業内容に応じた勘定科目の追加が効果的です。
参考)青色申告決算書とは?書き方や入手・提出方法を詳しく解説 - …
つまり記帳は同じ勘定科目で統一することが原則です。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/account-title/
必要経費は「事業を行うために使った費用」を指し、個人事業主には経費の上限は設けられていません。ただし業種ごとの「経費率」があるとされ、一般的な割合を超える経費を計上すると税務署のチェックが入る可能性があります。
参考)https://tax-startup.jp/feature/tax/16075/
国税庁の定義では、必要経費は「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用」と「その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用」の2つに分類されます。具体的には租税公課(個人事業税、固定資産税、自動車税、印紙税など)、荷造運賃(宅配便の送料、梱包資材の購入費)、水道光熱費(電気・ガス・水道料金)、旅費交通費(電車代、出張時の宿泊費、駐車場代)などが該当します。
通信費にはインターネット回線料や携帯電話の利用料金、切手代、サーバー代が含まれます。広告宣伝費はWeb広告費、チラシ作成費、名刺作成費など不特定多数への宣伝費用です。接待交際費は取引先との飲食代や贈答品代、慶弔見舞金を含みますが、会議費との区別が重要になります。
参考)【2026年版】確定申告スタート!税理士が教える&#8221…
勘定科目の名称に明確な法律はありません。
自宅を事務所と兼用している場合、地代家賃・水道光熱費・通信費・車両費などは家事按分が必要です。青色申告の場合、業務上必要であったことが客観的に示されていれば、10%や20%であっても経費として計上できます。
家賃の按分方法は、自宅の床面積のうち事務所として使用している面積の割合で計算します。たとえば自宅が50平方メートル(約15坪、狭めのワンルームマンション程度)で、そのうち10平方メートル(約3坪、6畳間の半分程度)を事業用として使用している場合、按分割合は20%です。月額家賃が10万円なら、2万円を必要経費として計上します。
電気代の按分は、事業で使用する時間の割合で計算するのが一般的です。1日24時間のうち8時間を事業で使用する場合、按分割合は約33%になります。スマートフォンやネット料金も同様に、事業での使用時間や使用頻度で按分します。
青色申告決算書の2ページ目「地代家賃」欄には、年間の家賃合計を記入した上で、隣の「必要経費算入額」欄に按分した金額を記入します。電気代は水道光熱費、スマホやネット料金は通信費の勘定科目で同様に処理します。
按分割合は客観的に説明できることが条件です。
個人事業主が経費計上できないものは、根拠がなく一定の常識の範囲を超えた経費です。最も多いのが、個人の支出を経費として計上しているケースで、個人事業主は個人の財布と事業の財布が混同しやすいため注意が必要です。
参考)個人事業主の確定申告で経費にできるものは?書き方・勘定科目一…
所得税及び復興特別所得税、相続税、住民税のような事業に関係のない税金は必要経費になりません。税金の支払い遅延によるペナルティである国税の延滞税・加算税、地方税の延滞金・加算金、罰金、科料、過料も必要経費に算入できません。
参考)301 Moved Permanently
スーツやメガネなど「業務上必要」と思っても、税務上は経費として認められないものがあります。これらは普段の生活でも使用できるため、家事関連費と判断されます。生計を一にする親族への給料も、本来は経費として計上できません。ただし青色申告者で、その親族が12月31日時点で15歳以上、1年のうち6カ月以上事業に専従している場合は、労働の対価として適切な金額であれば「青色事業専従者給与」として必要経費に計上できます。
10万円以上の資産は原則として減価償却が必要ですが、消耗品費として一括計上してしまうミスがあります。青色申告の場合、30万円未満であれば「少額減価償却資産の特例」で一括経費化できます。
個人的支出との線引きが重要ですね。
参考)確定申告でやりがちな10のミスと回避法|個人事業主のための実…
領収書の保管期間は、青色申告の場合は原則7年間です。ただし申告した前々年の所得が300万円以下であれば、保管期間は5年になります。白色申告の場合、領収書保管期間は原則5年ですが、帳簿の保管期間は青色申告と同様に7年間必要になります。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-expenses/keeping-receipt/
領収書の宛名が空欄や「上様」、但し書きが「お品代」だけでは内容が不明です。税務調査で経費として認められない可能性が高くなります。日付・金額・購入内容が明確に記載された証憑を保管しましょう。
経費処理でよくあるミスは、領収書やレシートを紛失して経費計上できなかったり、経費になるかどうか判断がつかず計上を諦めてしまうケースです。正当に経費として計上できる支出を計上漏れすると、余分な税金を支払うことになります。
参考)【2025年版】確定申告完全ガイド~よくあるミスと税務調査と…
必要経費として認められない支出を必要経費として計上した場合、申告する税額が本来納めるべき税額よりも少なくなるため注意が必要です。
税務署から指摘を受ける可能性があります。
税務調査で否認されやすい経費は、接待交際費・会議費、消耗品費、地代家賃などです。
参考)必要経費とは?確定申告で経費になるものをわかりやすく解説 -…
必要経費には4つの判断基準があります。業務に関連している「直接性」、事業に不可欠な「必要性」、一般的な範囲内の「通常性」、第三者が見ても妥当な「客観性」です。これらの基準を満たさない経費は、税務調査で否認される可能性が高くなります。
証憑書類は日付と内容が明確なものが条件です。
税務担当者が確定申告書をチェックする際、最も注意すべきは勘定科目の一貫性です。同じ取引内容を毎回同じ勘定科目で処理しているか確認します。勘定科目が頻繁に変わると、経費の実態が把握しにくくなり、税務署からの問い合わせリスクが高まります。
接待交際費と会議費の区別も重要なチェックポイントです。会議費は事業に関する打ち合わせや会議の費用で、一人当たりの金額が5,000円以下の飲食費が目安とされます。5,000円を超える場合や、取引先への贈答品は接待交際費として処理します。この区別を誤ると、税務調査で指摘される可能性があります。
減価償却費の計算ミスも頻出です。取得価額10万円以上の資産を消耗品費として一括計上していないか、耐用年数の適用が正しいかを確認します。青色申告者の場合、30万円未満の資産には「少額減価償却資産の特例」を適用できますが、年間合計300万円が上限です。
家事按分の計算根拠も重要です。按分割合が恣意的でないか、床面積や時間などの客観的な基準に基づいているかを確認します。按分割合の根拠資料(間取り図、使用時間の記録など)を保管しておくと、税務調査時にスムーズに説明できます。
経費率が業種平均と大きく乖離していないかもチェックします。売上に対する経費の割合が同業他社と比べて極端に高い場合、税務署の目が厳しくなります。
ただし合理的な理由があれば問題ありません。
明細書の添付が必要な経費もあります。給料賃金や専従者給与を支払っている場合は、氏名・年齢・支給額・源泉徴収税額を決算書2ページ目に記入します。地代家賃の内訳欄には、物件の住所・賃借料・必要経費算入額を記載します。
根拠資料の整備が税務リスクを下げます。