決算書収支内訳書とは|白色申告で提出する書類の書き方と提出義務

決算書収支内訳書とは|白色申告で提出する書類の書き方と提出義務

決算書収支内訳書とは

雑所得1,000万円超なのに収支内訳書を出さないと税務調査で狙われます。


📊 この記事のポイント
📝
収支内訳書は白色申告の必須書類

事業所得・不動産所得・山林所得がある場合、または前々年の業務に係る雑所得が1,000万円超の場合に提出が必要です

⚖️
決算書との違いは詳細度

青色申告決算書は貸借対照表を含む4枚構成、収支内訳書は損益のみの2枚構成で簡易的です

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未提出でも罰則はないが注意

法的罰則はないものの税務署から督促が届き、今後の税務調査で厳しくチェックされるリスクがあります

決算書収支内訳書の基本的な定義


収支内訳書とは、白色申告を行う際に確定申告書と併せて税務署に提出する書類のことです。1年間(1月1日から12月31日)の収入や仕入れの金額と共にその内訳、家賃や旅費交通費など経費として使った金額、支払った給料賃金などを記載します。


参考)収支内訳書とは?白色申告で必要なケースから書き方・入手方法ま…

この書類を作成する目的は、売上などの「収益」から「仕入」や「必要経費」を差し引いた「所得」を計算することです。計算式は「収益-仕入-必要経費=所得」となります。


つまり課税所得を算出するということですね。



参考)白色申告の収支内訳書とは?書き方を簡単に解説!提出不要のケー…

所得税は課税所得額に対して計算されるため、収支内訳書はその課税所得額を算出するために必要な明細や内訳を記載する書類といえます。白色申告の人は決算書を作成する義務がない代わりに、決算書の簡略バージョンである収支内訳書の作成が求められます。


参考)301 Moved Permanently


決算書収支内訳書が必要となる対象者

収支内訳書の提出が必要な人は以下の4つの条件のいずれかに該当する場合です。


参考)白色申告で収支内訳書は提出不要?書き方・必要な書類を紹介

  • 事業所得がある場合自営業フリーランスでの事業、オンラインショップ運営、トレーナーとして独立しフィットネスジムを経営、ゲストハウスや民泊を運営している場合などが該当します​
  • 不動産所得がある場合:アパートやマンションの賃貸収入がある場合です
  • 山林所得がある場合:山林の伐採や譲渡による所得がある場合です
  • 前々年の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超える場合副業で得た収入のうち営利を目的として継続性があるものは「業務にかかる雑所得」に該当し、前々年分の収入金額が1,000万円を超える場合は収支内訳書(一般用)の添付が必要です

    参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/breakdown/


逆に、給与所得や年金などのみで成り立っている場合、または小規模な雑所得などで事業所得に該当しない場合は収支内訳書を提出しなくても構いません。「前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が1,000万円を超えない」「事業として継続的に営んでいない」というケースなどが該当します。


参考)白色申告で収支内訳書を正しく作成する方法 ~提出が必要なケー…

事業所得・不動産所得・山林所得に当てはまらない場合や、所得金額が少額でそもそも確定申告が必要ない場合は、収支内訳書の作成は不要です。

決算書収支内訳書と青色申告決算書の違い

青色申告決算書は青色申告者が、収支内訳書は白色申告者がそれぞれ提出する書類です。


これが基本です。



青色申告決算書は損益計算書1枚とその内訳が2枚、貸借対照表1枚で構成されます。一方、収支内訳書には青色申告決算書の貸借対照表で記入が必要な資産や負債、資本に関する項目が設けられていません。収支内訳書には青色申告決算書の損益計算書と共通する項目もありますが、青色申告決算書と比較すると簡易的です。

「青色申告決算書」も「収支内訳書」も1年間の収支内容をまとめたものではありますが、「青色申告決算書」の方がより詳細に、日々の帳簿付けの結果を決算書形式で記載したものといえます。青色申告では複式簿記による帳簿付けが求められますが、白色申告では簡易な帳簿で良いため、提出書類も簡素化されているということですね。

損益計算書とは計算期間の収支がいくらになったかを計算する書類です。計算期間は確定申告の場合、1月1日から12月31日の1年間となります。

決算書収支内訳書の種類と使い分け

収支内訳書には所得の種類に応じて3種類の様式があります。


種類 対象となる所得 主な対象者
一般用 事業所得、業務に係る雑所得(収入1,000万円超) 自営業、フリーランス、オンラインショップ運営者など​
不動産所得用 不動産所得 アパート・マンション経営者、駐車場貸付など
農業所得用 農業所得 農業従事者

事業所得について白色申告をおこなう場合、収支内訳書(一般用)の提出が必要です。不動産所得がある場合は不動産所得用を使用します。


山林所得については一般用に含まれます。



業務に係る雑所得のある方がその業務に係る収支内訳書を提出する必要があるのは、前々年の業務に係る雑所得の収入金額が一定額(1,000万円)を超える場合です。例えば令和6年分の確定申告の場合、令和4年分の業務に係る雑所得の収入金額を確認します。


参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/pdf/034.pdf

各様式は国税庁のウェブサイトからPDF形式でダウンロードできます。会計ソフトを使用すれば、日々の取引入力から自動的に収支内訳書を作成できるため効率的です。

決算書収支内訳書を提出しない場合のリスク

法律で提出義務が規定されている以上、白色申告をする人が要件に該当するのであれば収支内訳書の提出は必須です。提出しなくても罰則はありませんという事実があります。


参考)税務署からの「収支内訳書の提出依頼」及び「来署依頼」について…


しかし未提出の場合、税務署から督促状が届きます。税務署から目を付けられることが予想されるほか、長期的に事業が発展してもお金の流れを通常よりも厳しくチェックされるリスクも否定できません。

第101国会・衆参大蔵委員会(衆議院1984年3月28日、参議院同年)で「零細業者に過大な負担を押しつけない」との付帯決議がおこなわれています。税務署はこれまでも「収支内訳書の未提出だと税額控除が受けられない」と思わせる文書を送付したこともありますが、国会で「今後こうしたことがないように万全の指導に努めたい」と答弁しています。


参考)302 Found

とはいえ実務上は提出が望ましいですね。未提出者により不利な取扱いをされることもないとされていますが、税務調査の対象となるリスクや、将来的に銀行融資を受ける際の審査で不利になる可能性も考慮すべきです。


参考)https://www.zenshoren.or.jp/zeikin/kakutei/point/point04.html

収支内訳書を適切に作成・提出することで、税務署との関係を良好に保ち、将来的な事業展開においても信頼性を確保できます。会計ソフトや国税庁の確定申告書等作成コーナーを活用すれば、作成負担も大幅に軽減できます。


国税庁「令和6年分 収支内訳書(一般用)の書き方」
収支内訳書の公式な記入方法について詳細な説明があります。


弥生「収支内訳書とは?白色申告で必要なケースから書き方・入手方法まで」
収支内訳書の基本から実務的な作成方法まで網羅的に解説されています。




日本法令 財務 41/現金収支日計票(金種内訳欄つき)