

雑収入を雑所得で処理すると青色申告特別控除が適用されません
収益とは、企業の活動によって得られる経済的価値の増加を指す会計用語です。損益計算書において、売上高、営業外収益、特別利益として表示されます。
参考)https://kaikeizeimu.jp/blog/detail.htmlamp;id=518
会計上の収益は、現金の入出金に関係なく、取引が発生した時点で計上する発生主義に基づいています。商品の引き渡しやサービスの提供が完了した時点で収益として認識されるのです。
参考)https://www.sn-hoki.co.jp/shop/f/img/items/pdf/sample/5100064.pdf
たとえば12月20日に商品を販売し代金を翌年1月10日に受け取る場合でも、商品を引き渡した12月の収益として計上します。つまり収益は「いつお金が入ったか」ではなく「いつ取引が成立したか」で判断されるということですね。
参考)No.2200 収入金額とその計算|国税庁
営業外収益には受取利息や受取配当金など本業以外の継続的収益が含まれます。一方、特別利益は固定資産売却益など臨時的・一時的な利益です。
損益計算書では収益から費用を差し引いて利益を算出します。この利益は売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5段階で表されます。
参考)損益計算書(P/L)とは?各項目の見方をわかりやすく解説|m…
収入は、税務上で使われる用語で、個人事業主の確定申告において所得を計算する際の基礎となります。所得は「収入-必要経費」という式で求められるのです。
参考)収入・売上・利益・収益・所得の違い - 個人事業の税務・会計…
税務上の収入は、現金の受け取りに関係なく、権利が確定した時点で認識されます。商品を引き渡した時点、サービスの提供が完了した時点が収入の計上時期です。
参考)個人事業の売上高(収入)を計上する基準(時期)について教えて…
これは発生主義ということですね。
個人事業主の場合、事業活動に関連して得た収入は、帳簿上で雑収入として処理していても、確定申告では事業所得に含めて申告する必要があります。雑収入を誤って雑所得として申告すると、青色申告特別控除の適用を受けられず税額面で不利になります。
現金商売の場合、商品の引き渡しと代金受け取りがほぼ同時なので、入金時点で収入を認識しても問題ありませんが、掛け取引では注意が必要です。年末に商品を引き渡し翌年に入金された場合、引き渡した年の収入として計上しなければなりません。
個人事業主の税務調査で最も指摘を受けやすいのが、売上を発生主義で計上していないミスです。税金をごまかす意図がなくても見落としてしまう経理方法だからです。
参考)いつの収入とするべきですか?
益金とは、法人税を計算する際に用いられる税法上の概念です。法人の資産を増加させる収益のうち、「別段の定め」を除いたものが益金となります。
参考)益金とは?収益との違いや益金不算入、注意点などを解説 - 経…
会計上の収益と税法上の益金は似ていますが同一ではありません。益金算入とは、会計上は収益にならなくても税法上は益金とするもので、益金不算入とは会計上は収益であっても税法上は益金に算入されないものです。
課税所得は「益金-損金」で計算されます。
参考)益金とは? 収益・損益との違いや算入・不算入のルールについて…
この計算式と会計上の「収益-費用=利益」という式は似ていますが、益金と収益、損金と費用の範囲が異なるため、税務上の所得と会計上の利益は必ずしも一致しません。会計上は赤字でも税務上は課税所得が発生し納税が必要になるケースもあります。
参考)「利益」と「所得」は同じ?違う?どう違う? – …
受取配当金の益金不算入制度では、一定の要件を満たす配当金は益金に算入されません。評価益や戻入益の取り扱いも会計処理と税務処理で異なります。
参考)益金とは?参入・不算入制度や収益との違いをわかりやすく解説 …
法人税申告書の別表四で会計上の利益と税務上の所得のズレを調整します。たとえば賞与引当金繰入は会計上の費用ですが税務上は損金不算入として加算調整されます。
参考)企業における財務会計と税務会計の違い|AGS media|A…
収益の計上時期は、税務調査で最も重視される項目の一つです。売上の計上漏れについては、翌期の売上計上状況や粗利率の異常性を見て調査が行われます。
参考)税務調査で指摘されやすい項目を税理士が3つ選んでみた|法人税…
税法における収益計上の原則は、収益が具体的に実現した時期に計上することです。物の引渡しを要する取引では「引渡しのあった日」、役務の提供を要する取引では「役務提供の完了した日」に収益を計上します。
引渡しが基本です。
大企業では監査を受けるため、税法よりも会計基準が優先されます。収益認識に関する会計基準を適用し、履行義務を充足するタイミングで売上を計上します。
参考)売上計上の時期はいつ?計上時期の原則や税務調査で注意すべきポ…
期末における売上計上時期の判断ミスは、翌期以降の決算に影響を与えます。12月決算の会社が12月末に商品を発送し顧客への到着が翌年1月になる場合、発送基準を採用していれば12月の売上として計上する必要があります。
収益の計上時期の判断は、取引の内容、性質、契約の取決め、慣習などによって異なります。業種や取引形態に応じた適切な計上基準を継続的に適用することが重要です。
雑収入と雑所得は名称が似ているため混同しやすい項目です。雑収入は会計上「営業外収益」に属する勘定科目で、本業以外の収入のうち他のどの勘定科目にも該当しないものを管理します。
個人事業主が雑収入を雑所得と間違えて処理すると、確定申告で税額計算に不利になります。雑所得では青色申告特別控除が受けられないため、所得税が上がるケースがあるのです。
具体的な損失額を見てみましょう。
本業の収入50万円、本業に付随する収入15万円、青色申告特別控除65万円のケースでは、15万円を雑収入として事業所得で処理すれば課税所得はゼロになりますが、雑所得で処理すると課税所得が50万円になってしまいます。
雑収入は消費税区分を誤りやすい勘定科目です。特に新規に発生した取引については、期中に適用した消費税区分が適切であったか決算時に確認が必要です。
法人の場合、法人税申告書に添付する勘定科目内訳明細書に雑収入の内訳を記入する必要があります。仕訳の際は補助科目や摘要を活用して内容を明確にしておくことが重要です。
河合塾では学生寮での食事の売り上げ約4億円を消費税がかからない取引として処理し、消費税約2,000万円の追徴を受けた事例があります。経理担当の人員削減による作業ミスが原因でした。
参考)経理のミスで税金が増えてしまった!経理でよくある「失敗」事例…
損益計算書では収益を売上高、営業外収益、特別利益の3つに区分して表示します。この区分により、企業がどこで収益を得ているのかが明確になります。
参考)損益計算書の勘定科目とは?作成する際のチェックポイントと共に…
売上高は本業の営業活動による収益です。営業外収益は本業以外の継続的な収益で、受取利息、受取配当金、為替差益などが含まれます。
特別利益は臨時的です。
営業外収益は営業利益の下に表示され、経常利益の算出に影響します。営業活動だけでは赤字でも、営業外収益によって最終的に黒字になることもあります。
特別利益は固定資産売却益など単発的な取引から生じる利益です。本業の営業利益が赤字なのに経常利益が黒字になっている場合、特別利益の影響を確認する必要があります。一時的な特別利益で黒字化している企業は、本業の収益力に課題がある可能性があるからです。
損益計算書の収益は損益計算書に計上され経営成績を示す一方、収入はキャッシュフロー計算書に反映され資金繰りの状況を表します。収益と収入のタイミングのズレが資金繰りに影響を与えるため、両方の視点で財務状況を把握することが重要です。
経理業務のミスは税金の増加につながります。
売上の二重計上は代表的なミスの一つです。
領収書を書き間違えた場合、書き損じた領収書と正しい領収書の2枚が作成されます。誤って両方を売上計上すると、その期では売上が二重に計算され無駄な税金を払うことになります。
売上100万円を二重計上した場合、増えた売上分に対する消費税が約10万円、原価がないため100万円がそのまま利益となり法人税等の約40万円を損します。
合計で約50万円の負担増です。
痛いですね。
在庫の計上漏れも重大なミスです。期末在庫を計上しないと、その分の原価が当期の費用として計上され利益が減少し、結果的に税金が減ります。しかし翌期には逆に税金が増えるため、結局は税務署に指摘されることになります。
売上計上時期のミスも頻出です。消費税の課税区分の誤りは、単純な作業ミスから生じることが多く、経理担当者の業務負担が増えると発生しやすくなります。
税務調査は費用対効果を重視するため、細かい少額の経費の使途についてギリギリ追及することは一般的ではありません。しかし売上の計上漏れや架空人件費など金額の大きい項目は重点的に調査されます。
経理システムの導入やダブルチェック体制の構築により、ミスを防ぐ仕組みを作ることが重要です。
特に期末や人事異動の時期は注意が必要です。
国税庁「資産の販売等に係る収益計上に関する通則」では、収益計上時期の原則的な取り扱いが詳細に解説されています
弥生の「益金とは?収益との違いや益金不算入、注意点などを解説」では、税法上の益金と会計上の収益の違いを具体例とともに説明しています