法人税の計算を簡単に理解する税率と節税の全知識

法人税の計算を簡単に理解する税率と節税の全知識

法人税の計算を簡単にマスターする税率・節税・申告の完全ガイド

法人税は「会計の利益」にそのまま税率をかけるだけではなく、税務調整という別の計算が必要で、会計上の利益より課税所得が増えて税額が上がることがあります。


📋 この記事の3つのポイント
🧮
法人税の基本計算式は3ステップ

「課税所得×税率−税額控除」が基本。課税所得は会計上の利益に税務調整を加えて算出するため、帳簿の利益とは異なる場合があります。

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税率は法人の規模・種類で変わる

中小法人(資本金1億円以下)は800万円以下の所得に15%、超える部分に23.2%が適用。実効税率は約30〜34%と、法人税単体の税率より大きく高くなります。

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節税は「損金を増やす」が基本戦略

交際費の特例・繰越欠損金・役員報酬の設定など、合法的な節税手段を正しく知って使えば、数十万〜数百万円規模の税負担を合法的に削減できます。


法人税の計算に必要な「課税所得」の基本的な考え方


法人税を計算する出発点となるのが「課税所得」です。よく誤解されるのですが、課税所得は会計ソフトに表示される「税引前当期利益」とは異なります。


課税所得の計算式はシンプルで、以下のとおりです。


計算式 課税所得 = 益金 − 損金
益金とは 商品・サービスの売上収入、土地・建物の売却収入など
損金とは 売上原価、販売費、人件費、災害による損失など


つまり「益金−損金」が基本です。


ただしここが重要なポイントで、税法上の「益金・損金」と会計上の「収益・費用」は必ずしも一致しません。例えば、会計上は費用として計上できる「一部の引当金繰入額」や「一定額を超える交際費」は、税法上は損金として認められないケースがあります。反対に、会計上は収益にならないが税務上は益金として扱われるものも存在します。


この会計と税務の"ズレ"を修正する作業が「税務調整(申告調整)」です。税務調整が必要な主なケースは以下の2種類に分かれます。


  • ⬆️ 加算調整:会計上は費用だが、税法上は損金にならないもの(例:一定額を超える交際費、役員賞与の一部など)を利益に加算する
  • ⬇️ 減算調整:会計上は収益ではないが、税務上は益金にならないもの(例:受取配当金の一部、還付法人税等)を利益から減算する


税務調整の結果として算出された金額が課税所得となります。加算調整が多いほど課税所得は増え、税額も高くなることを覚えておきましょう。会計上の利益だけを見て「法人税の見当がついた」と思うのは、大きな落とし穴になりかねません。


税務調整の内容は基本が大切です。詳しくは国税庁の公式資料も確認しておくと安心です。


国税庁「法人税の基本的な仕組み」(法人税の課税対象・仕組みをコンパクトにまとめた公式パンフレット)


法人税の計算を簡単にする「税率区分」と具体的なシミュレーション

課税所得が出たら、次は税率をかけて法人税額を算出します。税率は法人の「種類」と「規模(資本金)」によって異なります。これは要注意です。


【代表的な法人税率の早見表(2022年4月1日以降開始事業年度)】


法人区分 所得区分 税率
普通法人(資本金1億円以下) 年800万円以下の部分 15%
普通法人(資本金1億円以下) 年800万円超の部分 23.2%
普通法人(資本金1億円超) 所得全体 23.2%
協同組合等 年800万円以下の部分 15%
協同組合等 年800万円超の部分 19%


出典:国税庁「No.5759 法人税の税率」(税率区分の公式一覧ページ)


では、資本金5,000万円の中小法人で課税所得が1,000万円だった場合を例に計算してみましょう。


  • 800万円 × 15% = 120万円
  • (1,000万円 − 800万円)× 23.2% = 200万円 × 23.2% = 46.4万円
  • 法人税額合計 = 120万円 + 46.4万円 = 166.4万円


これが基本です。


ただし、注意すべき点があります。実際の税負担は法人税だけでは終わりません。法人税に加えて「地方法人税(法人税額の10.3%)」「法人住民税均等割+法人税割)」「法人事業税」なども課されます。これらを合算した実質的な負担率を「実効税率」と呼びます。


中小法人の場合、実効税率はおおむね約30〜34%になることが多いです。先ほどの例でいえば、課税所得1,000万円に対して法人税単体は166.4万円でも、住民税・事業税を合わせた実際の税負担は300万円前後になるイメージです。これは東京ドームのチケット代(約6,000円)に例えるなら、「入場料は払ったのに飲食・駐車場代でさらに倍近くかかった」という感覚に近いと言えるでしょう。


法人税だけ計算すれば十分、と思わないようにしましょう。


法人税の計算で見落としやすい「税額控除」の活用ポイント

課税所得×税率で算出した法人税額から、さらに「税額控除」を差し引くことができます。税額控除は課税所得を減らすのではなく、税額そのものをダイレクトに引き算できる仕組みなので節税効果が高いです。これは使えそうです。


主な税額控除には以下のものがあります。


  • 💴 所得税額控除:預金利息や受取配当金に対して源泉徴収された所得税を法人税から控除。二重課税を防ぐための制度です。
  • 🌐 外国税額控除:海外で納付した税金を法人税から控除。日本と外国の二重課税を解消する仕組みです。
  • 🏭 中小企業経営強化税制:設備投資を行った中小法人に適用。取得価額の最大10%相当額を税額から控除できます(即時償却との選択適用)。
  • 🔬 試験研究費の税額控除:研究開発投資を促進する制度。試験研究費の総額の一定割合を法人税額から控除できます。


税額控除は「知っている人だけが使える制度」という側面があります。例えば、中小企業経営強化税制を適用すると、100万円の設備投資で最大10万円が法人税から直接差し引かれます。これを知らずに申告すると、そのまま損をします。


税額控除は必須の確認項目です。


自社に適用できる税額控除がないか、毎事業年度の申告前に確認するのが賢明です。経済産業省や国税庁のウェブサイトに最新の制度一覧が掲載されているので、定期的にチェックする習慣をつけると節税の機会を逃しません。


国税庁「No.5450 法人税の額から控除される特別控除額の特例」(税額控除の制度一覧と要件の公式解説ページ)


法人税の計算で損しない!節税に使える「損金算入」の独自視点チェックポイント

「節税」と聞くと複雑に感じる人は多いですが、本質は「損金を適切に増やして課税所得を下げること」です。課税所得が低くなれば、そのぶん法人税は減ります。以下に、見落とされがちな損金算入のポイントをまとめます。


① 交際費の特例(中小法人限定)


資本金1億円以下の中小法人には「交際費等の損金算入特例」が設けられており、年間800万円まで全額損金算入が認められています。一方、大企業は交際費を損金に算入することに制限があります。


  • 中小法人:年間800万円以下の交際費は全額損金算入OK
  • 大企業:接待飲食費の50%のみ損金算入


800万円が基準です。交際費のレシートをきちんと保管・整理する作業がそのまま節税につながります。


② 繰越欠損金の活用(赤字法人でも使える最大の武器)


法人が赤字(欠損金)を出した場合、その赤字は翌年以降最大10年間繰り越して、将来の黒字所得と相殺することができます。これを「繰越欠損金の控除」と言います。


たとえば、前事業年度に500万円の赤字を出し、当期に1,000万円の黒字が出た場合、課税所得は1,000万円 − 500万円 = 500万円になります。この制度を使わないと500万円分の繰越が無駄になります。痛いですね。


なお、繰越欠損金を使うには「青色申告」の適用が条件です。青色申告をしていない法人は恩恵を受けられないため、必ず確認しておきましょう。


③ 役員報酬の設定タイミング


役員報酬を増やすと会社の損金が増え、法人税が下がります。ただし、役員報酬は「定期同額給与」「事前確定届出給与」など、一定のルールに従って設定しないと損金算入が否認されます。事業年度開始後3ヶ月以内に金額を決定・設定するのが原則です。これは絶対に覚えておきましょう。


損金算入のルールを正しく使うだけで、数十万〜数百万円単位の節税が可能になります。


中小企業庁「交際費課税の特例」(中小法人の交際費800万円損金算入特例の公式解説ページ)


法人税の申告と納付を簡単に理解する:期限・方法・ペナルティの注意点

法人税の計算が終わったら、次は「申告・納付」です。ここで時間やコストを無駄にしないよう、基本的な流れを確認しましょう。


【申告・納付のスケジュール】


種類 時期・期限 内容
確定申告 事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 1年分の所得と税額を確定申告・納付
中間申告(予定申告) 事業年度開始から6ヶ月後の2ヶ月以内 前期税額の半分を前払い納付
中間申告(仮決算) 同上 前半6ヶ月分の実績で計算して納付


3月決算の会社であれば、確定申告の期限5月31日です。中間申告は11月30日までとなります。


【期限を過ぎた場合のペナルティ】


申告期限を守らないと、余分な税金がかかります。


  • ⚠️ 無申告加算税:本来の税額に対して、50万円以下の部分は15%、50万円を超える部分は20%が上乗せ
  • ⚠️ 延滞税:納期限翌日から2ヶ月以内は年約2.4%、2ヶ月を過ぎると年約8.7%に跳ね上がる
  • ⚠️ 青色申告の取り消し:2期連続で申告期限を過ぎると、繰越欠損金の活用などの恩恵が受けられなくなる


例えば、本来100万円の法人税を期限後に申告した場合、無申告加算税だけで15万円が追加されます。さらに延滞税も別途加算されるため、合計すると相当な額になります。


期限管理は財務リスクに直結します。


納付方法は、税務署・金融機関の窓口、ダイレクト納付(e-Tax)、インターネットバンキング、クレジットカード(1,000万円未満)、スマートフォン決済(30万円以下)など複数の選択肢があります。e-Taxによる電子申告と組み合わせると、申告作業そのものも効率化できます。


申告漏れは絶対に避けましょう。年度末の2〜3ヶ月前から申告の準備を始め、決算書類の整理・税務調整の確認を早めに進めることが、余計なコストを防ぐ最大の対策です。freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを活用すれば、仕訳から申告書類の準備まで一貫して管理できるため、経理業務の効率化にも直結します。


国税庁「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請」(申告期限の延長が認められる条件の公式解説ページ)






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