国民年金の保険料、年末調整と確定申告で取り戻す方法

国民年金の保険料、年末調整と確定申告で取り戻す方法

国民年金の保険料と年末調整・確定申告の正しい手続き

自分の分の国民年金保険料を年末調整で申告しても、還付額がゼロになることがあります。


この記事の3つのポイント
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国民年金の保険料は年末調整では原則申告できない

会社員でも国民年金を自分で納めているケースがあります。その場合は確定申告が必要で、年末調整だけでは社会保険料控除を受けられないことがあります。

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家族の分をまとめて申告すると控除額が増える

配偶者や子どもの国民年金保険料を代わりに支払った場合、支払った人が全額を社会保険料控除として申告できます。年間約20万円の控除上乗せにつながるケースもあります。

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控除証明書の使い方と提出期限に注意が必要

日本年金機構から毎年10〜11月に送られる「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が申告の鍵です。紛失した場合の再発行方法も押さえておきましょう。


国民年金の保険料は年末調整で申告できる?基本ルールを確認


国民年金の保険料は年末調整で申告できる」と思っている会社員の方は少なくありません。実際には、会社員でも国民年金保険料を自分で直接納めているケースがあり、その場合の取り扱いには注意が必要です。


まず前提として、社会保険料控除所得控除の一種で、国民年金保険料・国民健康保険料厚生年金保険料介護保険料などが対象です。これらを支払った金額の全額を、その年の課税所得から差し引くことができます。つまり、支払った保険料が多いほど、税金の計算のベースとなる所得が下がります。


会社員の場合、厚生年金は給与天引きされているため、勤務先が年末調整で自動的に反映してくれます。これは問題ありません。


一方で、国民年金は本来、会社員が加入する制度ではありません。しかし、2号被保険者(会社員)であっても、子どもや配偶者などの家族が第1号被保険者として国民年金に加入していて、その保険料を自分名義で支払っているケースは多くあります。この場合、支払った本人が社会保険料控除を申告できます。


また、年の途中で転職した・前職の空白期間があったなどの理由で、一時的に国民年金を自己納付していた場合も同様です。この保険料は「年末調整の書類に記載して申告することが可能」です。ただし、勤務先の年末調整の書類に正しく記入し、控除証明書を添付しなければ控除されません。記入漏れが多い項目です。


つまり、給与天引き以外で支払った国民年金保険料は、自分で申告が必要です。


参考:社会保険料控除の概要(国税庁


国税庁「No.1130 社会保険料控除」


国民年金保険料の控除証明書とは?年末調整への添付方法

国民年金保険料を申告するには、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が必要です。これが手元にないと控除を受けられません。


この控除証明書は、日本年金機構から毎年10月末〜11月初旬にかけて郵送されます。対象となるのは、その年の1月1日〜9月30日の間に国民年金保険料を1回でも納付した人です。10月以降に初めて納付した場合は、翌年2月頃に送付されます。この点は意外と知られていません。


年末調整で申告する場合は、この控除証明書を「給与所得者の保険料控除申告書」に添付して勤務先に提出します。添付を忘れると、記載しても控除が認められないケースがあります。添付が条件です。


なお、控除証明書は紛失しても再発行できます。「ねんきんネット」(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)にログインして手続きするか、電話(ねんきんダイヤル:0570-05-1165)で申請することが可能です。再発行には1〜2週間程度かかるため、早めに動くことをおすすめします。


また、令和2年以降は、マイナポータルと連携することで電子的な控除証明書データを年末調整に利用できるようにもなっています。紙の証明書を提出する手間を省けるため、マイナンバーカードを持っているなら活用を検討する価値があります。


参考:控除証明書の再発行方法について(日本年金機構)


日本年金機構「控除証明書の再交付について」


国民年金保険料の社会保険料控除を家族分まとめて申告する方法

社会保険料控除には、見落とされがちな重要なルールがあります。それは「実際に保険料を支払った人が控除を申告できる」という原則です。


たとえば、会社員の夫が、専業主婦の妻(第1号被保険者)の国民年金保険料を全額負担している場合、その保険料は夫の社会保険料控除として申告できます。これは大きなポイントです。


国民年金の保険料は2025年度時点で月額16,980円、年額にすると約203,760円です。これを夫の控除として申告できれば、所得税率が20%の人なら約40,752円、住民税と合わせると年間で5〜6万円前後の節税効果が生まれる計算です。これは使えそうです。


同様に、大学生などの子ども(第1号被保険者)の保険料を親が支払っている場合も、支払った親が控除を受けられます。子どもに収入がなければ子ども側では控除の意味がありませんが、収入のある親が申告することで節税になります。


ただし注意点があります。「支払った」というのが条件で、口座振替の場合は誰の口座から引き落とされているかが重要です。妻名義の口座から引き落とされている場合、原則として妻が支払ったと見なされます。夫の控除として申告するには、夫が実際に支払っていることを証明できる形にしておく必要があります。


節税効果を最大化したいなら、収入の多い家族名義の口座から支払うように設定を見直すことも一つの手です。


国民年金保険料を確定申告で申告する方法と年末調整との違い

年末調整で国民年金保険料の控除を申告し忘れた場合でも、翌年に確定申告をすることで控除を受けられます。この救済策は意外と活用されていません。


確定申告の対象期間は、申告年の翌年2月16日〜3月15日が通常の申告期間ですが、還付を受けるための申告(還付申告)であれば、1月1日から5年間遡って申告が可能です。申告忘れに気づいたのが数年後でも、まだ間に合う可能性があります。


確定申告で社会保険料控除を申告する手順は以下の通りです。



  • 控除証明書を準備する(紛失の場合は再発行申請)

  • 確定申告書(国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成可能)の「社会保険料控除」欄に金額を記入する

  • 控除証明書を添付書類として提出する(e-Taxの場合は入力のみでOKなケースも)

  • 税務署へ提出、または郵送・e-Taxで送信する


なお、年末調整と確定申告の大きな違いは「申告のタイミング」と「手続きをする主体」です。年末調整は勤務先が行う手続きで、12月の給与計算に合わせて処理されます。確定申告は自分自身が税務署に対して行う手続きで、翌年の2〜3月に実施します。


会社員が年末調整の申告書に記載し忘れた場合、勤務先は修正の対応をしてくれることもありますが、12月の給与計算が終わった後では間に合いません。この場合は確定申告で対応するのが確実です。確定申告が原則です。


参考:確定申告の社会保険料控除について(国税庁)


国税庁「社会保険料控除(確定申告)」


国民年金の前納制度と控除の関係:金融リテラシーがある人ほど見落とすポイント

金融に関心のある方ほど、国民年金の「前納制度」を活用しているケースがあります。しかしこの前納、税制上の取り扱いについては意外な落とし穴があります。


国民年金には、保険料を前払いすると割引が受けられる前納制度があります。2年前納なら最大約15,000円の割引(2025年度水準)になるため、キャッシュフローに余裕があれば非常にお得な制度です。


問題は控除のタイミングです。2年分を一括で支払った場合、その全額を支払った年の社会保険料控除として申告することができます。しかし、各年分に按分して控除することも選べます(按分申告)。どちらが有利かは、各年の所得額・税率によって変わります。


たとえば、今年は収入が高く来年は転職・独立などで収入が下がる見込みであれば、今年に全額控除する方が税率が高いため節税効果が大きくなります。逆に来年の収入の方が高い予定なら、按分申告の方が有利なケースもあります。所得のピーク年に控除を集中させるのが基本です。


また、2年前納の場合でも、日本年金機構から送られてくる控除証明書は「一括支払いの実績額」と「各年度に振り分けた場合の額」の両方が記載されています。申告の際は、自分がどちらを選択しているかを確認して正しく記入することが重要です。


この前納制度の控除タイミングを意識して活用している人は少なく、特に収入変動が大きいフリーランス副業収入のある会社員にとっては、毎年の節税計画に組み込む価値があります。


控除のタイミングを選べることは、一度覚えておけばOKです。


参考:国民年金保険料の前納制度について(日本年金機構)


日本年金機構「国民年金保険料の前納」


国民年金保険料を免除・猶予した場合の控除と年末調整の注意点

国民年金には「保険料免除制度」と「納付猶予制度」があります。これらを利用した期間の保険料は支払っていないため、当然ながら社会保険料控除の対象にはなりません。これは当たり前のことに思えますが、後から追納した場合の取り扱いがやや複雑です。


免除・猶予された保険料は、10年以内であれば追納できます。この追納分は、追納した年の社会保険料控除の対象になります。過去に免除を受けていた期間の保険料を今年まとめて追納した場合、その全額をその年の申告で控除できます。まとめると大きな控除になります。


ただし、3年度以上前の保険料を追納する場合は、加算額が上乗せされます。2年度以内の追納なら加算なし、3年度以上前になると最大で約1〜3%程度の加算がかかります。節税を目的に追納を検討するなら、早めの追納が有利です。


また、全額免除・一部免除・納付猶予・学生納付特例など制度によって将来の年金受給額への影響も異なります。追納しない場合は将来受け取れる年金額が満額より少なくなります。ここは老後資産の計画とセットで考えたいポイントです。


税金の面だけでなく、年金受給額への影響も加味した上で追納の判断をすることが、金融リテラシーの高い判断といえます。


控除と将来年金の両軸で考えるのが条件です。


参考:保険料免除・納付猶予・追納について(日本年金機構)


日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」




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