単式簿記と複式簿記の違いを理解して節税する方法

単式簿記と複式簿記の違いを理解して節税する方法

単式簿記と複式簿記の違いと選び方

単式簿記を使い続けると、毎年55万円以上を損している可能性があります。


この記事の3ポイント要約
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単式簿記はシンプルだが控除が10万円止まり

単式簿記は現金の出入りだけを記録する簡易な方法。青色申告の特別控除は最大10万円にとどまります。

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複式簿記なら控除額が最大65万円に拡大

複式簿記+e-Taxによる電子申告を組み合わせると、青色申告特別控除が最大65万円に。節税効果は段違いです。

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会計ソフトを使えば複式簿記のハードルは下がる

弥生会計・freeeなどのクラウド会計ソフトを使えば、仕訳の知識がなくても複式簿記で帳簿管理が可能です。


単式簿記と複式簿記の基本的な仕組みの違い

単式簿記とは、現金の収入と支出だけを1行で記録していく方法です。家計簿や小遣い帳のイメージに近く、「いつ・いくら入った/出た」をシンプルに追うことができます。 cpa-learning(https://www.cpa-learning.com/column/keiri/difference-tanshiki-fukushiki/)


一方、複式簿記は1つの取引を「原因」と「結果」の2つの側面から記録します。たとえば現金10万円で備品を購入した場合、単式簿記では「支出:備品代100,000円」の1行で終わります。しかし複式簿記では「借方:備品100,000円/貸方:現金100,000円」というように2面で記録します。 freee.co(https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/importance-of-double-entry-bookkeeping/)


つまり「何が増えて何が減ったか」を同時に記録するのが複式簿記です。


この二面記録のおかげで、複式簿記には帳簿の「自己チェック機能」が備わっています。借方と貸方の合計は常に一致するため、記入ミスや計算ミスがあれば即座に発見できます。単式簿記にはこの相互チェックの仕組みがなく、不正や記入漏れが発覚しにくいという構造的な弱点があります。 bizneko(https://bizneko.jp/column/double-entry-bookkeeping/)


































比較項目 単式簿記 複式簿記
記録の仕方 収支の一面のみ記録 借方・貸方の二面で記録
わかること 現金の増減のみ 資産・負債・収益・費用の全体像
帳簿の複雑さ シンプルで習得が容易 勘定科目の知識が必要
ミスの発見 発見しにくい 貸借バランスで自動チェック可能
作成できる書類 収支内訳書のみ 損益計算書貸借対照表


単式簿記と複式簿記の青色申告控除額の差

金融に興味がある方にとって、最も気になるのが「どちらを選ぶと節税になるか」という点でしょう。結論は明確です。


青色申告特別控除は3段階あります。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/52642/)



  • 65万円控除:複式簿記で記帳し、かつe-Tax(電子申告)または電子帳簿保存を行った場合

  • 55万円控除:複式簿記で記帳したが、e-Taxや電子帳簿保存を利用しなかった場合

  • ⚠️ 10万円控除:単式簿記(簡易簿記)で記帳した場合


65万円控除と10万円控除の差は55万円です。


所得税率が20%の事業者であれば、この差だけで年間11万円もの税負担の違いが生じます。10年続ければ110万円。単式簿記を選んでいるだけで、じわじわと大きな損失につながっているわけです。 yayoi-kk.co(https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/oyakudachi/20230105-26/)


重要な注意点があります。複式簿記で帳簿を作成しても、e-Taxを使わず紙で申告すると控除額は65万円ではなく55万円になります。同じ手間をかけて複式簿記を導入したなら、e-Taxも一緒に設定しておくのが合理的です。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/52642/)


国税庁:青色申告特別控除の概要(e-Taxによる65万円控除の要件)


単式簿記で申告し続けると発生する具体的なリスク

「とりあえず単式簿記でいいや」と考えている方に、知っておいてほしいリスクがあります。


単式簿記では融資審査に通りにくくなります。


次に、税務調査でのリスクです。単式簿記は取引の記録が一方向のみのため、記録の改ざんや漏れが起きやすく、税務署からの信頼性が低く評価されます。帳簿の不備が発覚した場合、青色申告特別控除が取り消されるだけでなく、追徴課税が課されるリスクもあります。 taxnap(https://taxnap.com/media/?p=333)


さらに、損益計算書が不正確になる場面もあります。単式簿記は現金主義で記録するため、売掛金や買掛金(まだ現金が動いていない取引)が帳簿に反映されません。実際の利益よりも帳簿上の数字がずれやすく、正確な経営判断の妨げになります。


単式簿記と複式簿記の書き方と実例

実際の記帳例を見ると、両者の違いがより明確になります。ここでは「商品を5万円で販売し、現金を受け取った」という取引を例に解説します。


【単式簿記の記帳例】


















日付 摘要 収入 支出 残高
4/10 商品販売 50,000円 50,000円


【複式簿記の仕訳例】
















借方(左) 金額 貸方(右) 金額
現金 50,000円 売上 50,000円


単式簿記は「50,000円入った」という結果しか見えません。複式簿記は「現金が増え、売上が立った」という原因と結果が同時にわかります。これが積み重なることで、月次・年次の損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)が自動的に完成していく仕組みです。 obc.co(https://www.obc.co.jp/360/list/post468)


これが複式簿記の本質です。


複式簿記の学習に不安がある場合は、まず「仕訳(しわけ)」のルールを覚えることから始めましょう。資産の増加は借方(左側)、負債の増加は貸方(右側)という基本原則を押さえるだけで、多くの取引に対応できます。日商簿記3級レベルの知識があれば、個人事業主の帳簿管理には十分対応できます。


freeeの解説:複式簿記の書き方と仕訳の具体例(個人事業主向け)


単式簿記から複式簿記へ切り替える最短ルートと会計ソフト活用法

「複式簿記は難しそう」という印象を持っている方は多いです。ただ、今は会計ソフトを使えばそのハードルは大きく下がっています。


現在普及している主なクラウド会計ソフトは以下のとおりです。



これらのソフトは、レシートを撮影したり銀行口座を連携したりするだけで、複式簿記の仕訳を自動で生成してくれます。ユーザーが「借方・貸方」を手入力する必要はほとんどありません。これは使えそうです。 yayoi-kk.co(https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/oyakudachi/20230105-26/)


切り替えのタイミングは「翌年の1月1日」が原則です。


途中から記帳方法を変えると年をまたいで帳簿の整合性が取れなくなるため、切り替えは新年度の最初から行うのが基本です。また、初めて青色申告を行う場合は、事業開始から2ヶ月以内、または申告を行いたい年度の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。提出を忘れると、その年は複式簿記での申告をしても65万円控除が受けられないため注意が条件です。 yayoi-kk.co(https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/aoiroshinkoku/oyakudachi/kanichobo/)


複式簿記への切り替えは「申請書の提出」と「会計ソフトの導入」の2ステップで完了します。難しく考えずに、まず無料トライアルで使い勝手を試してみることをおすすめします。


弥生:簡易帳簿から複式簿記への切り替え手順と要件の詳細解説