開業届書き方見本|記入例・提出方法・必要書類を税務担当者向けに解説

開業届書き方見本|記入例・提出方法・必要書類を税務担当者向けに解説

開業届書き方見本と提出の基本

職業欄を空欄で出すと個人事業税が高くなります。


この記事で分かること
📝
開業届の正確な記入方法

各項目の具体的な書き方と記入見本を税務の視点から解説

📋
提出に必要な書類と手続き

マイナンバー確認書類など提出時に求められるものを網羅

⚠️
よくあるミスと対策

記入ミスや提出遅れのリスク、訂正方法を分かりやすく紹介

開業届の基本構成と記入項目


開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。この届出書は、個人が事業を始めたことを税務署に知らせるための重要な書類で、所得税法で提出が義務付けられています。


参考)開業届の書き方(見本付き)と必要な書類や提出方法を解説


記入すべき主要項目は9つあります。氏名、生年月日、納税地、個人番号(マイナンバー)、職業、開業日、屋号、事業の概要、青色申告の承認申請の有無です。


各項目は正確に記入することが求められます。



参考)個人事業の開業手続き

特に重要なのが職業欄と事業の概要です。職業欄には「フリーランス」や「個人事業主」といった働き方の名称ではなく、具体的な職業名を書く必要があります。これが個人事業税の税率に直接影響するためです。


参考)開業届の事業の概要の書き方は?職業欄の具体例や注意点も解説 …


屋号がない場合は空欄でも問題ありません。


つまり屋号は任意です。


ただし屋号を設定しておくと、後で屋号付きの銀行口座を開設できるメリットがあります。


参考)開業届とは?書き方や必要書類、提出するメリットなどを徹底解説…


開業届の提出期限と提出先

開業届は事業を開始した日から1ヶ月以内に提出することが原則です。この期限は所得税法で定められており、法的な義務として存在します。


参考)開業届の提出期限はいつまで?出さない(出してない)場合の罰則…


提出先は事業所の所在地を管轄する税務署です。納税地として記入した住所をもとに、提出すべき税務署が決まります。


参考)開業届はいつまでに提出すればいいの?提出期限と出すメリットを…


ただし1ヶ月を過ぎてから提出しても罰則はありません。遅れて提出することも、その後提出しないことも、ペナルティは設けられていません。


これは意外ですね。



とはいえ期限を守らないと青色申告の申請タイミングを逃す可能性があります。青色申告承認申請書は開業日から2ヶ月以内の提出が必要なため、開業届を遅らせるとこの期限にも影響します。


計画的な提出が基本です。



参考)開業届を出してから2ヵ月過ぎたけど青色申告できる?例外も解説…


開業届の記入見本と職業欄の書き方

国税庁のWebサイトから開業届のPDFをダウンロードできます。記載例も同時に公開されているため、初めて作成する方でも参考にしやすい構成です。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/occupation/


職業欄には総務省の「日本標準産業分類」を参考に、最も近い職業を記載しましょう。例えば飲食業なら「飲食業」、システムエンジニアなら「システムエンジニア」、Webデザイナーなら「Webデザイナー」と具体的に書きます。


参考)開業届の書き方|正しい記入例や出し方、よくある質問を徹底解説…


職業欄の記入内容は個人事業税の税率を左右します。個人事業税は業種別に3%から5%の税率が適用され、所得額が年間290万円を超えると課税されます。どういうことでしょうか?
参考)開業届の職業欄はどう書く?適切な記入例と注意点を解説 &#8…


具体例を挙げます。職業欄に「コンサルタント業」と書いた場合、税率5%が適用される可能性があります。一方で「文筆業」や「画家」など一部の職業は個人事業税の課税対象外です。正確な職業名を記入することで、適正な税率が適用されます。


事業の概要欄の記入方法

事業の概要欄には、職業欄に記載した職業に沿って具体的な事業内容を書きます。職業欄だけでは伝わらない商品やサービスの詳細を補足する役割です。


参考)開業届の記載内容は訂正できる?屋号・業種・住所・開業日の変更…


記入例をいくつか紹介します。飲食業なら「カフェの経営」「ラーメン店の経営」「持ち帰り用の弁当・総菜の店舗販売」、小売業なら「食品の店舗販売」「子供服の店舗販売」、システムエンジニアなら「ソフトウェアの要件定義・設計・プログラミング」と書きます。


具体的な記載方法は特に定められていません。どのように書いても問題ありませんが、税務署が事業内容を理解できる程度の詳しさが求められます。

不動産賃貸業がメインの場合、所得の種類は「事業所得」ではなく「不動産所得」を選択しましょう。


これは事業の概要欄と連動する項目です。


状況に応じた選択が条件です。

開業届提出時の必要書類

開業届を税務署に提出する際、開業届以外にも確認書類が必要です。マイナンバー確認書類と本人確認書類の2種類を用意します。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/tax-number/

マイナンバー確認書類は以下のいずれかです。個人番号カード、通知カード、マイナンバーが記載された住民票の写しのいずれか1点を提示します。

本人確認書類は運転免許証やパスポートなどの身分証明書です。ただしマイナンバーカードがあれば本人確認と個人番号の確認が同時にできるため、それのみの提示で問題ありません。


使えそうですね。



提出方法は3つあります。税務署の窓口に直接持参する方法、郵送する方法、e-Taxでオンライン申請する方法です。窓口に持参する場合は、その場で書類の不備を確認してもらえるメリットがあります。

郵送の場合は、管轄の税務署宛に開業届と確認書類のコピーを同封して送ります。e-Taxを利用すれば、自宅からオンラインで完結できて便利です。


開業届を提出するメリットと青色申告

開業届を提出する最大のメリットは青色申告ができることです。青色申告特別控除により、最大65万円を課税所得から差し引けます。


参考)https://www.legalon-cloud.com/media/opening-notification-profession


具体的な節税効果を計算してみます。事業所得が300万円の方が65万円控除を受けると、課税対象額が235万円に減ります。これにより所得税と住民税の負担が軽くなります。


参考)青色申告に開業届は必要?開業届の種類や青色申告に必要な書類を…

青色申告には他にもメリットがあります。赤字を翌年以降に繰り越せる「損益通算」、家族への給与を経費として計上できる「専従者給与控除」などです。


事業運営に大きな利点をもたらします。



開業届を提出しないと屋号付き口座も作れません。補助金や助成金、融資の対象外になりやすく、税務署から後で申告漏れを指摘されるリスクもあります。


痛いですね。



参考)開業届を提出するデメリットとは?提出しない場合のデメリットや…

青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内に提出が必要です。


開業届と同時に提出するのが効率的です。


開業届の記入ミスと訂正方法

開業届を提出した後に記入内容に誤りが見つかった場合、どう対処すればよいでしょうか。納税地以外の項目については、改めて届出を行う必要はありません。

次の確定申告で新たな内容を記載しておけば問題ありません。屋号や業種、住所などを変更した場合でも、次回の申告時に更新すればOKです。


参考)開業届の内容を変更する方法は?屋号、業種、住所など


納税地の変更だけは例外です。納税地が変わった場合は「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出する必要があります。


これだけは例外です。



参考)開業届の内容を変更する方法|変更が必要な項目、手続き方法を徹…


電子申告で提出した開業届に誤りがあった場合、管轄の税務署に確認してください。修正や取り消しの手続きは税務署の指示に従います。


参考)電子申告で提出した開業届に誤りがありました。修正・取り消しは…

開業日を後から訂正したい場合、開業届を再提出することで認められます。ただし青色申告承認申請書の提出を忘れていたからといって、事業開始日を遅らせることは認められません。税務署から否定される可能性があることを覚えておきましょう。

開業届を出さない場合のリスク

開業届を出さなくても罰則はありませんが、出さないことで損をするケースが多くあります。税務上でも対外的な信用面でも大きな不利益をもたらします。


参考)個人事業主が開業届を出さない場合のデメリットを税理士事務所が…


まず青色申告ができません。白色申告のみになり、控除額が小さくなります。事業所得が年間290万円を超える場合、青色申告特別控除65万円を使えないのは大きな損失です。


経費の計上も認められにくくなります。開業届を出していないと、税務署に対して「事業をしている」との正式な証明がありません。個人の支出と事業の支出の線引きが不明瞭になり、帳簿に記載された経費が税務署から否認される可能性が高まります。

融資や契約の際に信用力が低く見積もられます。正式な事業登録がないために、融資を受けるのが難しくなったり、取引先との契約がスムーズに進まないことがあります。


厳しいところですね。



配偶者や親の扶養に入っている人は、開業届を提出すると健康保険や年金の「被扶養者」から外れる可能性があります。扶養の条件を事前に確認しておく必要があります。

開業届の独自視点:開業日前の所得の扱い

開業日前に得た所得の扱いは意外と複雑です。開業届に記載した開業日より前の収入が、青色申告の恩恵を受けられるかどうかは状況次第です。

ケース①として、開業日前に知人の仕事を単発で手伝って所得を得た場合を考えます。この場合、単発的な収入は事業所得ではなく雑所得とみなされるため、青色申告の恩恵を受けられません。

ケース②として、開業日前に練習で仕事を引き受け事業所得を得た場合はどうなりますか。実はこの場合、そもそも開業日の修正を求められる可能性があります。

国税庁が定義する開業日は、書類に記載された日付ではなく実際に事業をスタートした日だからです。


開業日の設定には注意が必要です。



開業日を決める際は、実際に継続的な事業活動を開始した日を記入しましょう。単発の収入や練習的な仕事は開業日の前として扱い、本格的に事業を始めた日を開業日とするのが原則です。


税務調査で開業日の整合性を問われることもあります。売上の発生日、初めて顧客と契約した日、事務所を借りた日などを記録しておくと、後で説明しやすくなります。


メモしておけばOKです。


国税庁の開業届記載例(PDF)
開業届の正確な記入方法を確認できる国税庁公式の記載例です。


各項目の具体的な書き方を参照できます。


開業届に個人番号は必要?書き方や注意点と提出方法を解説
個人番号(マイナンバー)の記入方法と提出時の必要書類について詳しく解説されています。


開業届の事業の概要の書き方は?職業欄の具体例や注意点も
職業欄と事業の概要欄の具体的な記入例が豊富に紹介されており、業種別の書き方の参考になります。




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