寄付 贈与税 個人の関係と課税の仕組み

寄付 贈与税 個人の関係と課税の仕組み

寄付 贈与税 個人の課税関係

個人が法人へ不動産を寄付すると譲渡所得税がかかります。


参考)法人から個人への贈与・個人から法人への贈与(寄付)にかかる税…


この記事の3ポイント
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個人間の寄付は贈与税の対象

個人から個人への寄付は税法上「贈与」とみなされ、年間110万円を超える部分に贈与税が課税されます

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個人から法人への寄付はみなし譲渡

個人が法人に不動産や株式を寄付する場合、時価で譲渡したとみなされ譲渡所得税が課税される場合があります

公益法人等への寄付は非課税の可能性

国税庁長官の承認を受けることで、公益法人等への寄付による譲渡所得が非課税になる特例があります

寄付と贈与の違いと個人の税務上の扱い


寄付と贈与は似た概念ですが、税務上の取り扱いが異なります。


参考)https://eco-to-ship.jp/report/7710/

寄付は任意で非営利団体などに金品を渡すことを指し、一方的な意思表示で成立します。贈与は贈る側と受け取る側の双方の合意により成立する契約です。税務上、個人間で金品を渡す行為は寄付と呼ばれても「贈与」として扱われます。


参考)寄付と贈与税の違いとは?税金の仕組みと寄付前に確認すべき3つ…


個人から個人への贈与では、贈る側に税金はかかりません。日本の相続税法は遺産取得課税方式を採用しており、財産を受け取った側が納税義務者となります。受け取った側は、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与の合計額が110万円を超えた場合、その超えた部分に贈与税が課税されます。


参考)個人から個人及び「個人とみなされる者」に対する贈与


贈与税の基礎控除110万円は受贈者1人あたりの金額です。例えば相続人が5人いれば、それぞれに年間110万円ずつ合計550万円まで基礎控除の範囲内で贈与できます。


参考)贈与税の節税対策に効く6の手法|贈与税・相続税を減税させる全…

個人が法人へ寄付する際のみなし譲渡課税

個人が法人に寄付をする場合、寄付する財産の種類により課税関係が変わります。


現金を寄付する場合、値上がり益が存在しないため贈る側に税金はかかりません。受け取った営利企業は受贈益として法人税の課税対象となります。


参考)税務上の寄附と贈与の取扱いは個人と法人で異なる


不動産や株式などを法人に寄付する場合は「みなし譲渡」に該当します。みなし譲渡とは、無償または著しく低い価額で資産を譲渡した場合でも、時価で譲渡したとみなして課税する規定です。個人が法人へ不動産や株式を寄付すると、時価で譲渡したとみなされます。


参考)みなし譲渡とは?課税対象となるケースと注意すべきポイント【所…


時価が取得価額を上回る場合、その値上がり益が譲渡所得として所得税住民税の課税対象になります。遺言による寄付の場合、所得税は15.315%が課税され、住民税は亡くなった年には課税されません。


つまり不動産を持っているだけの話です。



参考)「遺贈寄付の税務(3回目)」


寄付による贈与税非課税の特例と承認要件

個人が公益法人等に財産を寄付する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得が非課税になる特例があります。


参考)寄付で節税?知らなきゃ損する「譲渡所得の非課税特例」完全ガイ…


この特例には一般特例と承認特例の2種類があります。一般特例は国や地方公共団体への寄付が対象で、寄付金額から2,000円を引いた金額を所得控除できます。控除を受けるには寄付先が税法上の指定対象団体であること、確定申告書に寄附金受領証明書を添付することが必要です。


参考)寄付や遺贈で相続税はどうなる?非課税の条件と注意点をわかりや…


承認特例は公益法人等への寄付が対象です。適用を受けるには「寄付した日から2年以内にその公益法人が公益を目的とする事業に寄付金を使用する」など一定の要件を満たし、国税庁長官の承認を受ける必要があります。承認申請書は原則として寄付の日から4か月以内に、寄付した人の所得税の納税地を所轄する税務署に提出します。


参考)租税特別措置法40条の要件


承認を受けられれば課税対象になりません。ただし申請後に要件から外れると承認が取り消され、寄付した個人と受け取った公益法人の双方が課税対象となります。2020年に特例が拡充されましたが、要件は厳しく寄付する側が自ら申請を行う必要があります。


参考)みなし譲渡とは?所得税・消費税が課税されるケースと遺贈時の注…


相続人が相続財産を寄付する場合、相続税の申告期限(被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内)までに寄付の手続きと相続税申告を終える必要があります。


期限内申告が適用要件です。



参考)相続人が相続財産を寄付した場合

法人から個人への寄付と所得税の関係

法人から個人への寄付は、贈与税ではなく所得税の課税対象となります。


参考)法人から個人に対する贈与(相法21の3①一)


法人から個人への贈与では、贈与税は相続税の補完税であるため適用されません。相続が開始することのない法人には相続税の課税原因が生じないため、その補完税である贈与税も課税されません。

受け取った個人と法人の関係により、所得の種類が変わります。個人が法人の従業員である場合、賞与として給与所得になります。個人が法人の役員である場合も同様に給与所得として扱われます。個人が法人と雇用関係にない第三者の場合、一時所得となります。いずれの場合も所得税と住民税の課税対象です。


参考)寄付金に関わる税金にはどんな種類があるの?


法人格を有さない人格のない社団または財団から贈与により取得した財産も、法人からの贈与に準じて一時所得とされ、贈与税は課税されません。

法人が個人に財産を贈与する場合、企業会計上は全額費用とされても、法人税法上は特定の寄付金を除き一定の限度を超える金額は損金算入されません。国や地方公共団体への寄付金は全額損金算入できますが、一般の寄付金は資本金等の額と所得の金額に基づいて計算した金額までしか損金算入できません。

個人の寄付における人格なき社団と課税判定

個人が寄付を受け取った場合、受け取った側の属性により贈与税の納税義務が変わります。

個人から個人への寄付では、受け取った個人は常に贈与税の納税義務者となります。人格のない社団等(PTAや町内会、研究会など法人格を持たない団体)も、無条件に個人とみなされ贈与税の納税義務者となります。


持分の定めのない法人(一般社団法人、一般財団法人、学校法人、社会福祉法人など)は、特定の場合にのみ贈与税の納税義務者になります。これらの法人に贈与があった場合、贈与側の親族や親族と特定の関係にある者の贈与税の負担が不当に減少する場合、持分の定めのない法人であっても個人とみなされ贈与税の対象となります。


一般社団法人や一般財団法人については、租税回避目的の寄附は課税対象です。非営利型法人の場合、寄附金は原則非課税ですが、租税回避を目的とした寄附には注意が必要です。

株式会社や合名会社、合資会社などの営利法人は、常に贈与税の納税義務者になることはありません。贈与税の申告・納税の対象となるのは個人のみです。法人が贈与を受けた場合は、贈与時点の時価を受贈益として計上し法人税の課税対象となります。


寄附金控除は納税義務者である居住者本人または非居住者本人が支出した場合に適用できます。本人以外が支払った寄附金については、寄附金控除を適用できません。


確認が原則です。



参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1150_qa.htm

国税庁「No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)」では寄附金控除の要件と控除額の計算方法を詳しく説明しています
国税庁パンフレット「公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税」では承認申請の手続きと必要書類を解説しています




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