法定相続情報証明制度の必要書類と申請手順を完全解説

法定相続情報証明制度の必要書類と申請手順を完全解説

法定相続情報証明制度の必要書類と手続きの全体像

相続放棄しても、一覧図にあなたの名前が載り続けます。


📋 この記事の3つのポイント
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必要書類は大きく4種類

被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡)・住民票除票・相続人全員の戸籍謄本・申出人の本人確認書類を揃えることが基本です。

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証明書の発行手数料は無料

法務局への申請・証明書交付は何通でも無料。ただし戸籍謄本取得費(1通450円〜750円)は実費がかかります。

⚠️
保管期間は申出日翌年から5年間

5年を過ぎると再発行不可になるため、必要な通数を早めに取得しておくことが重要です。


法定相続情報証明制度とは何か|制度の目的と概要


法定相続情報証明制度は、2017年5月に法務局が運用を開始した公的な相続関係証明の仕組みです。かつての相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までつながる戸籍謄本の束を、銀行・法務局・税務署など手続き先ごとに提出し直す必要がありました。これが相続人にとって大きな時間的・金銭的負担となっていました。


この制度の核となる書類が「法定相続情報一覧図」です。被相続人と相続人全員の関係を家系図のような形式で一覧化し、法務局の登記官が認証した写しが発行されます。この写し1枚が、戸籍謄本の束の代わりとして各機関で使えるようになります。


つまり制度の本質はシンプルです。


最初に1回だけ書類を集めて法務局に申出すれば、あとは認証済みの証明書コピーを何枚でも無料で受け取り、複数の相続手続きを同時並行で進められる。これが金融に関心のある方にとって特に価値があるのは、株式有価証券・預貯金口座が複数ある相続ケースで、書類収集の手間が激減するからです。


この制度は2017年の施行当初、不動産の相続登記のみに利用できましたが、現在は銀行預金の払い戻し・名義変更、相続税申告、遺族年金請求、自動車の名義変更など幅広い手続きに対応しています。これは使えそうですね。


参考リンク:法務局による制度の公式説明ページです。申出書のWordテンプレートやPDFも無料でダウンロードできます。


法定相続情報証明制度の具体的な手続について|法務局


法定相続情報証明制度の必要書類一覧|絶対に揃える4種類

申出に必要な書類は「必ず揃えるもの」と「ケースによって必要になるもの」に分かれます。まず必須の4種類を確認しましょう。


対象 書類名 取得先・備考
被相続人 出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍 本籍地の市区町村役場(2024年3月〜広域交付制度で最寄り窓口でも可)
被相続人 住民票の除票(または戸籍の附票) 最後の住所地の市区町村役場(本籍地の記載が必要)
相続人全員 戸籍謄本または戸籍抄本 各相続人の本籍地の市区町村役場(被相続人の死亡後に取得したもの)
申出人 氏名・住所を確認できる公的書類のコピー 運転免許証(表裏)・マイナンバーカード(表面)・住民票の写しなど


被相続人の戸籍謄本は「最後の1通だけ」では足りません。出生時から死亡時まで、本籍地を変えるたびに作成された戸籍すべてを連続して揃える必要があります。転籍・結婚・戸籍法の改正などで複数の市区町村にまたがるケースも多く、人によっては5〜10通以上になることもあります。


費用の目安はこのとおりです。


  • 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書):1通 450円
  • 除籍謄本・改製原戸籍謄本:1通 750円
  • 住民票除票・戸籍の附票:1通 300円前後


相続関係が一般的なケース(配偶者と子どもの組み合わせ程度)でも、書類収集の実費は合計3,000円〜6,000円程度になることが多いです。法務局への申出と証明書交付は何枚でも無料ですが、書類収集の実費はかかる、という点を事前に把握しておきましょう。


なお、2024年3月1日から始まった「戸籍謄本の広域交付制度」を使えば、全国どの市区町村窓口でも被相続人の戸籍謄本を請求できるようになりました。以前は本籍地の役所を転々とする必要があったので、これは大きな時短効果があります。ただし窓口申請のみで、郵送・代理人申請は不可の点に注意です。


参考リンク:必要書類の一覧表と各書類の詳細について、司法書士監修のわかりやすい解説が掲載されています。


法定相続情報一覧図の取得に必要な書類一覧|不動産名義変更手続センター


法定相続情報証明制度のケース別追加書類|見落としがちな条件

基本の4種類に加えて、相続の状況によっては別途書類が必要になります。ここが意外と見落とされやすい部分です。


  • 📌 相続人の住所を一覧図に記載したい場合:相続人全員の住民票または戸籍の附票が必要。住所の記載は任意ですが、不動産の相続登記では住所つき一覧図があれば住民票の追加提出が不要になる機関もあります。
  • 📌 代理人が申出する場合:委任状と代理人の身分確認書類が必要。弁護士・司法書士・税理士・行政書士などの資格者代理人も対応可能です。
  • 📌 親族が代理人の場合:申出人と代理人が親族関係にあることを証明する戸籍謄本が追加で必要です。
  • 📌 住民票除票が廃棄されていた場合:住民票除票の代わりに「戸籍の附票」を使います。除票は通常5年で廃棄されるため、被相続人の死亡から時間が経っているケースでは確認が必要です。


相続人の住所記載は任意です。


ただし記載する場合には住民票の添付が必要になり、記載しない場合には不動産登記などで別途住民票が求められるケースがあります。どちらが効率的かは手続き内容によって変わるので、申出前に手続き先(法務局・金融機関)に確認しておくのが確実です。


参考リンク:ケース別の注意点やよくある質問が整理されており、実際の申出前にチェックすることをおすすめします。


法定相続情報証明制度の注意点とよくある質問|lawkai


法定相続情報証明制度の申請ステップ|STEP1〜3の流れ

申出の手続きは大きく3つのステップに分かれています。順番に確認しましょう。


【STEP 1】必要書類の収集


前のセクションで解説した4種類の書類を揃えます。被相続人の戸籍謄本は本籍地をたどりながら複数通集める必要があるため、ここが最も時間がかかるステップです。広域交付制度(2024年3月〜)を活用すれば、最寄りの市区町村窓口でまとめて請求できます。書類収集は原則、自分で行う必要がありますが、司法書士や行政書士への代行依頼も可能です。


【STEP 2】法定相続情報一覧図の作成


申出人(相続人)自身が被相続人と相続人全員の関係をA4縦1枚にまとめた「法定相続情報一覧図」を作成します。これが制度を利用する上で唯一の手間です。


作成時の必須ルールは以下のとおりです。


  • ✅ A4縦サイズ・1枚に収める(複数枚の場合はページ番号を記載)
  • ✅ 用紙下部5cmは空白にする(法務局の認証文が入るため)
  • ✅ 手書きまたはパソコン入力どちらでも可。鉛筆不可・黒インク使用
  • ✅ 被相続人との続柄は「妻」「長男」「長女」と具体的に記載(「配偶者」「子」だと税務署での相続税申告で使えないケースがある)
  • ✅ 略字・旧字体の見落とし、番地の省略などはNG(書き直しになります)


法務局のホームページには「法定相続人が配偶者と子の場合」「代襲相続が発生している場合」など、状況別のひな形テンプレートが無料で公開されています。まずはひな形を活用するのが最短ルートです。


【STEP 3】申出書の記入と法務局への提出


「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」に必要事項を記入し、STEP1の書類とSTEP2の一覧図を揃えて申出します。申出先の法務局は以下の4か所のいずれかを選べます。


  • 被相続人の本籍地(死亡時の本籍地)
  • 被相続人の最後の住所地
  • 申出人の住所地
  • 被相続人名義の不動産の所在地


申出は窓口持参のほか、郵送でも可能です。郵送の場合は返信用封筒と切手を同封します。申出から証明書交付までの期間は通常1週間〜10日程度ですが、書類に不備があると補正を求められ、最終的に3か月以内に補正がなければ書類が廃棄される点に注意が必要です。


法務局に提出した申出人の運転免許証コピーなどの本人確認書類は返却されません。原本を他の手続きに使いたい場合は、コピーと原本の両方を一緒に提出すれば原本は返却されます。これは意外に知られていないルールです。


法定相続情報証明制度を使う際の意外な落とし穴と注意点

「書類を揃えて法務局に出せば全部解決」と思っていると、実際の手続きでつまずくことがあります。金融関係の相続手続きで特に意識しておきたい注意点をまとめます。


① 相続放棄した人も一覧図に記載される


家庭裁判所で相続放棄の手続きを完了した相続人であっても、法定相続情報一覧図にはその人の氏名が記載されます。法定相続情報証明制度はあくまでも「戸籍に基づく法定相続人を証明するもの」であり、相続放棄の事実は反映されません。


相続放棄した相続人がいる場合は、一覧図とは別に「相続放棄申述受理証明書」を手続き先に提出することで対応します。この点を知らずに一覧図だけ提出すると、金融機関の窓口で書類不備として差し戻されることがあります。厳しいところですね。


遺産分割協議書や印鑑証明書は別途必要


法定相続情報一覧図の写しは「誰が相続人か」を証明する書類です。銀行で預貯金の払い戻しや名義変更を行う際には、一覧図に加えて遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書・金融機関所定の申請書類なども必要になります。


一覧図があれば相続手続きのすべての書類が不要になるわけではない、が基本です。


③ 一部の金融機関・証券会社では使えないことがある


制度は全国的に普及していますが、一部の金融機関や証券会社では独自ルールにより法定相続情報一覧図の写しを受け付けていないケースがあります。特に信用金庫・地方銀行の一部や、特定の証券会社では事前確認が必要です。手続きが少ない場合は、むしろ通常の戸籍謄本で対応した方がスムーズな場合もあります。


④ 再発行は申出から5年間・申出人のみ可能


法定相続情報一覧図は、申出日の翌年から起算して5年間、法務局に保管されます。この期間中は何通でも無料で再交付が可能です。ただし再交付の申請ができるのは、最初に申出人として登録した人だけです。他の相続人は、委任状がなければ再交付を受けられません。


5年後は再発行の申請ができなくなります。


相続が発生してから時間が経ち、2次相続(配偶者が亡くなった場合など)が発生したときに一覧図が足りなくなることがあります。この点を見越して、必要な通数を多めに取得しておくことをおすすめします。法務局での保管期間が終了した後に追加が必要になった場合は、1から書類収集と申出をやり直す必要が生じます。


⑤ 外国籍の相続人・被相続人がいる場合は利用不可


被相続人または相続人のいずれかが日本国籍を持っていない場合は、この制度を利用できません。戸籍制度は日本国籍保持者にのみ適用されるためです。外国籍の方が絡む相続では、現地の法律に基づいた書類と翻訳・公証などが必要になるため、国際相続に詳しい専門家(弁護士・行政書士)への相談を早めに行うことが重要です。


参考リンク:デメリットや制度の限界について詳しく解説されています。手続き前の確認にお役立てください。


法定相続情報一覧図を取得するメリット・デメリット|ベンチャーサポート相続税理士法人


法定相続情報証明制度を最大限活用するための独自視点|金融資産が多い相続ほど差が出る

一般的な解説では「相続手続きの書類が1枚で済む」という点が強調されます。ただ、金融に関心のある方にとっては、もう少し踏み込んだ視点が役立ちます。それは「資産が多いほど、この制度の効果が加速度的に大きくなる」という点です。


預貯金口座が3つ、有価証券口座が2つ、不動産が1件という相続を考えてみましょう。それぞれの手続き先に戸籍謄本の束を提出・返却・再提出というサイクルを繰り返す場合、最低でも数か月かかることがあります。金融機関の戸籍謄本に独自の有効期限(3か月・6か月など)を設けているところもあり、手続きが長引くと有効期限切れで取り直しが発生するリスクもあります。


法定相続情報一覧図が6通あれば、6か所の手続きを同時進行できます。


相続税の申告期限は「相続の開始を知った日の翌日から10か月以内」です。不動産評価・金融資産の確認・遺産分割協議と並行しながら期限を守るには、書類収集の時間を短縮することが直接的な時間的余裕に直結します。証明書が何通でも無料で発行できる点は、資産の種類や手続き先が多い場合に特に大きなメリットをもたらします。


また、証明書には「有効期限の定めがない」という特徴があります(金融機関が独自に期限を設けることはあります)。一方で、戸籍謄本は時間の経過で「取得後の変化」を反映しなくなるリスクがあります。公的認証済みの証明書を1枚持ち回す方が、書類管理の面でも圧倒的にシンプルです。


資産の多様化・国際化が進む現代において、相続手続きを計画的に進めるためのツールとして、この制度はまだ十分に活用されていないのが実情です。制度開始が2017年と比較的新しいこともあり、「知らなかった」という方も少なくありません。相続が発生してから慌てて調べるより、事前に概要を把握しておくことが最大の時短対策と言えます。


相続が起きる前に一度、法務局の公式ページを確認しておくのが現実的な一歩です。申出書のテンプレートと記入例は法務局のホームページから無料でダウンロードでき、制度の全体像を10分程度で把握できます。知っているだけで手続きのスピードが変わる制度です。


参考リンク:日本司法書士会連合会による制度解説ページです。制度の基礎から実務的な注意点まで、信頼性の高い情報が掲載されています。


新しい相続手続「法定相続情報証明制度」|日本司法書士会連合会




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