行政書士屋号の決め方と変更手続き

行政書士屋号の決め方と変更手続き

行政書士屋号の決め方

屋号を商標登録せず3年使うと他人に取られます

この記事の3つのポイント
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行政書士事務所名には法定ルールがある

「行政書士」の文字を必須とし、同一会内での名称重複は原則禁止。法人と誤認される表現も使用不可

💡
屋号変更は確定申告書への記載で完了

税務署への特別な届出は不要だが、屋号付き口座の名義変更や取引先への通知が必要

⚖️
商標登録で屋号を法的に保護できる

開業届だけでは法的保護力がなく、他者の無断使用を防げない。商標登録で権利侵害リスクを回避

行政書士の屋号に必須の法定ルール


行政書士として開業する際、事務所名には日本行政書士会連合会が定める「事務所の名称に関する指針」を守る必要があります。


参考)行政書士事務所の名称で守るべき3つのルールと決め方

最も重要なルールは、事務所の名称に必ず「行政書士」という文言を含めることです。これは行政書士法に基づく名称のルールであり、省略や別の表現は一切認められません。登録時に行政書士名簿に記載される事務所名は法定の登録条件となっているため、この要件を満たさないと登録自体ができません。


参考)事務所の名前の決め方:行政書士行政書士事務所の名称の決め方─…


同一会内(開業する地域の単位会)では既に登録されている事務所名と同じ名称は使えません。ただし例外として、自分の氏名を使っている場合に限り同一名称でも登録可能なケースがあります。例えば「行政書士佐藤太郎事務所」のように氏名を含む場合は同名でも認められる場合があります。


また、法人と誤認されやすい「株式会社」「合同会社」「法人」などの表現は使用禁止です。これは個人事業主の屋号全般に適用される規制で、税務署への開業届でも同様の制限があります。


参考)士業の屋号はどう考える?注意事項と3つのポイント 


これらのルールを事前に確認することが原則です。

行政書士屋号の具体的な作り方

屋号を作る際は、地名・業務内容・象徴語を組み合わせるテンプレート方式が効果的です。


参考)士業の屋号がかっこいい決め方と検索に強い名前の作成術で効果倍…

基本的な構造は「地名(漢字)+業務(漢字)+象徴語(カタカナ)」「地名(漢字)+象徴語(カタカナ)+業務(漢字)」「業務(漢字)+地名(漢字)+価値語(漢字一字)」の3パターンです。同一地域の事務所名一覧を検索して被りやすい語尾を避けることが実務上の近道です。

行政書士業界では「許認可・相続・在留」など分野連想が強い語を屋号やサブコピーに補助的に入れると、ホームページ検索でのマッチ度が高まります。読みやすい3〜10文字の固有部分を意識し、電話口で復唱しやすい音を選ぶのが実務のコツです。

発音テストも重要です。電話で氏名と屋号を交互に復唱し、聞き返し回数が平均1回以内なら実務運用に耐えます。士業の敬称や肩書は音の終止に重さを与えるため、屋号本体は軽快に、肩書は別読みで補完する運用が効果的です。

具体的な手順は以下です:

  • 主力サービスと対象者を3つに絞る
  • 地域名+機能語の順で屋号候補を作成
  • HPのtitle/H1、GMB、NAPを屋号と統一
  • 発音テストと誤読チェックを実施
  • 競合と被らないか最終検索で再確認​

この手順なら、誤認ゼロで伝わる屋号と問い合わせの質向上が同時に実現します。

行政書士屋号と開業届の関係

個人事業主として開業する際、税務署に提出する開業届の屋号欄に記入するだけで屋号の登録は完了します。

開業届の屋号欄は任意記入のため、屋号をつけない場合は空欄のままでも問題ありません。つまり屋号は必須ではなく個人事業主の判断に委ねられています。ただし屋号付き口座を開設したい場合は、開業届に屋号を記載しておく必要があります。開業届に屋号を付けない場合は、残念ながら屋号入りの銀行口座は作れませんので注意してください。


参考)個人事業主が銀行口座を作る場合の注意点


行政書士の場合、開業届に記載する「屋号」と行政書士会に登録する「事務所名」は別物として扱われることがあります。屋号は事業そのものにつける名称で特別なルールはありませんが、事務所名は各士業団体ごとにルールが異なります。いずれも会社・法人と誤認しやすい名称や権利侵害にあたる名称は不適当です。

個人の事業用口座開設にあたっては、住所・氏名・屋号等が確認できる開業届の控えなどが必要になります。

これは基本ルールですね。


行政書士が屋号を使う税務上のメリット

屋号を設定することで、事業への信用度の増加と事業の資金管理の効率化を図ることができます。


参考)屋号の変更、税務署で手続きは必要?屋号変更後に必要な手続きま…

屋号付き口座を開設すると、取引先や顧客からの信頼性が高まります。個人名義の口座よりも事業専用口座として認識されやすく、振込先として案内する際も事業としての印象が強くなります。特に行政書士のような士業では、専門家としての信頼感を醸成する効果があります。


参考)【行政書士監修】開業後は屋号付き口座が必要?メリットと開設で…


確定申告書や収支内訳書青色申告決算書に屋号を記載することで、事業活動の記録が明確になります。税務署に対しても事業実態を示しやすくなり、事業所得としての申告がスムーズに進みます。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/change-name/

ただし屋号には法的保護力はほとんどありません。開業届に記載するだけでは、同じ名前や類似した名前を他の個人事業主が使ってトラブルが発生しても権利を主張できません。ブランドを守るには商標登録やドメイン取得、SNSのアカウント確保など別途の対策が必要です。


参考)屋号のメリット・デメリットはある?登録方法・個人事業主が知っ…


個人事業が軌道に乗るにつれてブランド力を高めてきた屋号を守るには、商標登録が必要となります。

法的保護が限定的ということですね。


行政書士の屋号変更手続きの流れ

屋号を変更したい場合は、基本的には毎年の確定申告の際に確定申告書や収支内訳書または青色申告決算書に変更後の屋号を記載して提出するだけです。

税務署に特別な手続きを取る必要はありません。屋号は毎年の確定申告で提出する「確定申告書」や「決算書」に記載した内容が適用されるため、各書類の記載欄に変更後の屋号を記載するだけで変更完了です。また屋号変更に回数制限はないため何度でも変えられます。


参考)屋号変更はあとからできる?個人事業主の手続きまとめ


ただし屋号変更の証明書がほしい場合は、税務署に「所得税消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」もしくは開業届を再提出することで屋号変更を証明できます。原本とコピーを準備しておき、原本を提出してコピーに受領印をもらう方法が一般的です。


参考)屋号の変更にはどんな手続きが必要?変更手続きと注意点について…

商号登記済みのケースでは、法務局で商号変更登記をしなくてはなりません。一度法務局で登記を行っていると同じ所在地で同じ名称は使えないため注意が必要です。法務局に自身で作成した商号登記申請書と登記料を持って提出に行きます。

確定申告時の記載だけで済むということですね。


行政書士屋号変更後に必要な手続き

屋号を変更すると、口座の名義変更や取引先への連絡に加え、業種によっては変更届の提出が必要になります。

屋号付き口座を開設している場合は、金融機関で名義変更を行いましょう。名義変更が必ず必要になるわけではありませんが、取引先や顧客からすれば屋号と振込先名義が異なることで不安を覚えるケースも考えられます。また金融機関から融資を受けている場合は、屋号変更の旨を担当者に伝えておくようにしましょう。


主要銀行の名義変更手続きは以下の通りです:

  • 三菱UFJ銀行: 口座開設を行った支店の窓口で手続きが必要​
  • 三井住友銀行: 「営業性個人口座」の名義変更は口座開設を行った支店窓口で対応​
  • ゆうちょ銀行: 各金融機関の規定に従う

基本的に屋号の変更はそれほど難しいものではありませんが、状況によっては難しい可能性があります。名刺や契約書の修正、特にSNSやGoogleマップなどに登録している場合、変更に時間がかかる場合もあります。最初に屋号を設定する際は慎重に選びましょう。

変更時の手続きが面倒ですね。


行政書士の屋号を商標登録で保護する方法

屋号を商標登録していないと、知らず知らずのうちに他者が商標登録している屋号を使用してしまい商標権を侵してしまう可能性があります。

こうなると万が一法的トラブルが発生した場合、非常に重大なビジネスリスクを抱えてしまうことになります。商標登録をするとその際に必ず商標登録の有無をチェックすることになるので、こうした危険性を未然に防ぐことができます。

商標登録は社名や屋号などを無断使用などの権利侵害から法的に守るための手続きのことです。商標登録は法人設立せずに個人事業主のままでも申請可能で、商標登録の申請先は特許庁です。個人事業主の屋号は特に商標登録しなくても問題はないのですが、商標登録すると権利侵害からその名称を守る際の法的な根拠ができます。

他者からブランド名や店舗名などを無断使用されたり権利侵害されたりしそうな恐れがある場合は、商標登録を検討してみると良いでしょう。特に行政書士として事業が軌道に乗り、屋号のブランド価値が高まってきた段階では、商標登録による保護を検討する価値があります。

商標登録の費用は発生しますが、長期的なブランド保護と権利侵害トラブルの回避を考えると投資効果は大きいです。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kaigyou/registration/

法的根拠が必要ということですね。


行政書士の屋号で避けるべき失敗パターン

屋号の登録費用自体は無料ですが、名刺や看板の作成や運用に関連する間接的なコストが発生する場合があります。

最も避けるべき失敗は、同一地域で既に使われている屋号や商標登録済みの名称を選んでしまうことです。個人事業主が法人化する際、その所在地で同一の商号で他人が登記済だと、それまで使っていた屋号の名称を会社設立時の登記で使用できません。事業拡大を見越して屋号を選ぶ場合、将来的な法人化も視野に入れた名称選定が重要です。

また、発音しにくい名称や電話での聞き取りミスが多い名称も実務上の問題を引き起こします。音節が4〜7以内、同音連続の回避、電話で3回復唱して誤認0回なら合格ラインです。士業の実務では電話でのやり取りが頻繁にあるため、この点は特に重視すべきです。

SEO対策を無視した屋号も機会損失につながります。titleは30文字台で業務+地名を入れてクリック率を確保し、H1では屋号の印象を引き立てます。重複回避と検索性の両立を意識し、同義語を使い分けると自然に仕上がります。

特許庁のデータベース検索で商標登録状況を確認しておくと、権利侵害リスクを事前に回避できます。「宅地建物取引業者の検索」や異業種であっても法務局で類似商号の調査を行うことが推奨されます。
参考)宅建業新規免許Q&A|宅建業免許専門行政書士

屋号の利用目的や事業規模に応じて適切なコストを検討しましょう。

事前調査が重要ということですね。




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