

デスクトップパソコンは本体とディスプレイで耐用年数が違います。
国税庁の耐用年数表によると、一般的な業務用デスクトップパソコンの法定耐用年数は4年と定められています。これは電子計算機のパーソナルコンピューター(サーバー用を除く)に分類されるためです。
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サーバー用途で使用するパソコンは例外です。サーバー用パソコンの耐用年数は5年となります。つまり、同じパソコンでも使用目的によって耐用年数が変わるということですね。
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この4年という期間で、取得価額を分割して経費計上していくのが減価償却の基本的な考え方です。たとえば40万円のデスクトップパソコンを購入した場合、1年あたり10万円ずつ経費計上していくイメージです。
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ただし実際の計算では定額法や定率法といった償却方法により、年度ごとの償却額は変動します。税務処理では法人は定率法、個人事業主は定額法が原則とされています。
参考)パソコンの減価償却費の計算方法は?耐用年数やポイントと共に解…
デスクトップパソコンでディスプレイと本体が分離している場合、ディスプレイは「その他の事務機器」に分類されます。そのため、ディスプレイの法定耐用年数は5年となるんです。
本体とディスプレイは別々に償却が必要です。たとえば、本体30万円とディスプレイ15万円を同時に購入した場合、本体は4年、ディスプレイは5年でそれぞれ減価償却を行います。
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この区別を知らないと、すべてを4年で償却してしまい、税務調査で指摘されるリスクがあります。デスクトップパソコンを購入する際は、本体とディスプレイの価格を分けて記録しておくことが大切ですね。
実務では購入時の請求書や領収書で、本体とディスプレイの金額が分かれて記載されていることを確認しましょう。もし一体価格で記載されている場合は、販売店に内訳を確認するか、カタログ価格などから合理的に按分する必要があります。
デスクトップパソコンの会計処理は、取得価額によって3つのパターンに分かれます。この金額判定を間違えると、経費計上のタイミングがずれて資金繰りに影響が出ることもあります。
参考)パソコンは減価償却できる?計算方法や30万円未満の特例、耐用…
10万円未満のパソコンは、消耗品費として購入年度に全額経費計上できます。
減価償却の処理は不要です。
たとえば9万8,000円のパソコンなら、買った年にそのまま経費にできるということですね。
10万円以上30万円未満のパソコンは、青色申告の中小企業者であれば「少額減価償却資産の特例」が使えます。この特例を適用すれば、取得年度に全額を経費計上可能です。
参考)【事例で解説】パソコンの勘定科目とは?ケース別に購入時の仕訳…
30万円以上のパソコンは、法定耐用年数に基づく減価償却が必須です。
特例は使えません。
4年間で分割して経費計上していく必要があります。
参考)30万円未満のパソコンは少額減価償却資産に該当!仕訳・勘定科…
金額判定では、本体とディスプレイを別々に判断することが原則です。本体25万円とディスプレイ8万円なら、それぞれ別の資産として処理できます。
中古パソコンを購入した場合、新品と同じ耐用年数は使えません。すでに使用された期間があるため、残りの使用可能期間を見積もって耐用年数を決める必要があります。
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見積もりが困難な場合は、簡便法という計算式を使います。2つの計算パターンがあり、法定耐用年数を経過しているかどうかで使い分けるんです。
法定耐用年数を経過している場合は「法定耐用年数×20%」で計算します。たとえば4年を経過したパソコンなら、4年×20%=0.8年となり、端数切り捨てで2年(最低2年)が耐用年数です。
法定耐用年数を一部経過している場合は「(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)」で計算します。たとえば2年経過したパソコンなら、(4年-2年)+(2年×20%)=2.4年となり、端数切り捨てで2年が耐用年数です。
計算結果が2年未満になった場合でも、最低2年として扱うのが原則です。この簡便法を使えば、合理的な根拠をもって中古パソコンを減価償却できますね。
青色申告を行っている中小企業者には、パソコン購入時に活用できる節税特例があります。この制度を知っているかどうかで、キャッシュフローに大きな差が生まれるんです。
「少額減価償却資産の特例」は、30万円未満の資産を取得年度に全額経費計上できる制度です。適用条件は、青色申告をしている中小企業者で、資本金1億円以下、従業員500人以下の法人または個人事業主となります。
参考)30万円未満の少額減価償却資産の特例を活用して節税しよう!
年間の上限額は300万円までです。たとえば29万円のパソコンを10台購入すれば290万円となり、すべて当期の経費にできます。
11台目からは通常の減価償却が必要ですね。
この特例は令和6年(2024年)まで延長されています。ただし制度の期限は税制改正で変わる可能性があるため、国税庁や税理士の最新情報を確認することが重要です。
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適用を受けるには、確定申告書に「少額減価償却資産の取得価額の明細書」を添付する必要があります。購入時期や金額を正確に記録しておきましょう。
国税庁:少額減価償却資産の特例
少額減価償却資産の特例について、国税庁が公式に解説しています。
適用要件や手続きの詳細を確認できます。
10万円以上20万円未満のパソコンには、もう一つの選択肢があります。それが「一括償却資産」として3年間で均等償却する方法です。
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一括償却資産は、取得価額を3年間で均等に経費計上する制度です。20万円未満の資産であれば、青色申告・白色申告を問わず利用できます。たとえば18万円のパソコンなら、年間6万円ずつ3年間で償却するということですね。
この方法のメリットは、償却資産税の課税対象外になることです。通常の減価償却資産は固定資産税(償却資産税)の申告が必要ですが、一括償却資産は申告不要となります。
ただし、少額減価償却資産の特例が使える青色申告の中小企業者なら、そちらを選んだほうが有利です。取得年度に全額経費にできるほうが、キャッシュフロー上のメリットが大きいからです。
一括償却資産は、少額減価償却資産の年間300万円枠を使い切った後の選択肢として覚えておくと良いでしょう。複数のパソコンを購入する場合の組み合わせを考えることが大切です。
購入後のデスクトップパソコンに修理やパーツ交換が必要になったとき、その費用をどう処理するかも税務上の重要ポイントです。修繕費として経費にできるか、資本的支出として資産計上すべきかの判断が求められます。
20万円未満の修理費用は、原則として修繕費として全額経費計上できます。たとえば故障したハードディスクを交換して15万円かかった場合、その年の経費として処理できるということです。
20万円以上の場合や、性能が明らかに向上する改良の場合は、資本的支出として資産計上が必要です。メモリを大幅に増設したり、高性能なグラフィックボードに交換したりする費用は、資本的支出と判断される可能性が高いですね。
判断に迷う場合は、その支出が「原状回復」か「価値向上」かを基準に考えましょう。元の状態に戻すための支出なら修繕費、機能や性能をアップグレードする支出なら資本的支出となります。
資本的支出と判断した場合は、既存のパソコンの取得価額に加算して、残りの耐用年数で減価償却を続けます。税務調査でも確認されやすい項目なので、判断根拠を記録しておくことが重要です。
個人事業主がプライベートと事業の両方でパソコンを使う場合、事業専用割合に応じて按分する必要があります。
これを「家事按分」といいます。
按分の基準は、使用時間や使用日数で合理的に算定します。たとえば1週間のうち平日5日間を業務に使い、週末2日間は私的利用という場合、5÷7≒71%を事業専用割合とする考え方です。
この割合を決めたら、パソコンの取得価額に事業専用割合を乗じた金額を減価償却します。40万円のパソコンで事業専用割合70%なら、28万円分を減価償却の対象とするということですね。
按分比率は、実態に即して合理的に説明できることが大切です。税務調査で質問されたときに、使用実態の記録や根拠を示せるよう準備しておきましょう。
完全に事業専用のパソコンを別途用意すれば、按分の手間は不要になります。事業規模が大きくなってきたら、プライベート用と業務用を分けることも検討してみてください。
減価償却には「定額法」と「定率法」という2つの計算方法があります。どちらを使うかで、年度ごとの経費計上額が変わってくるんです。
定額法は、毎年同じ金額を償却する方法です。40万円のパソコン(耐用年数4年)なら、毎年10万円ずつ償却します。計算がシンプルで分かりやすいのがメリットですね。
定率法は、未償却残高に一定の率をかけて償却する方法です。初年度の償却額が大きく、年々減少していきます。たとえば40万円のパソコンを定率法で償却すると、1年目は約20万円、2年目は約10万円というイメージです。
法人は定率法が原則、個人事業主は定額法が原則とされています。
ただし届出を提出すれば変更も可能です。
定率法は早期に経費化できるため、利益が出ている年度に節税効果が高いといえます。
どちらの方法を選んでも、4年間の合計償却額は同じになります。
違いは償却のタイミングだけです。
自社の利益計画や資金繰りを考えて、有利な方法を選択しましょう。
減価償却の基礎となる「取得価額」には、本体価格だけでなく付随費用も含める必要があります。この判断を誤ると、償却額の計算が間違ってしまうんです。
取得価額に含めるべき費用は、購入代金、引取運賃、荷役費、購入手数料、関税などです。パソコン本体35万円+配送料5千円+セットアップ費用1万5千円なら、取得価額は36万5千円となります。
ただし、通常の維持管理費や修理費は取得価額に含めません。購入後に発生したウイルス対策ソフトの年間ライセンス料などは、消耗品費として別途経費計上します。
消費税の処理方法(税込経理か税抜経理か)によっても取得価額は変わります。税込経理なら消費税込みの金額、税抜経理なら消費税抜きの金額が取得価額です。どちらを採用しても問題ありませんが、継続適用が原則ですね。
購入時の請求書や領収書は、取得価額を証明する重要書類です。電子帳簿保存法に対応した方法で、確実に保管しておきましょう。
減価償却を正確に行うには、固定資産台帳での管理が欠かせません。台帳には、資産ごとの取得日、取得価額、耐用年数、償却方法、償却累計額などを記録します。
デスクトップパソコンを複数台導入している場合、1台ずつ管理するのが原則です。購入時期や金額が異なれば、償却のスケジュールも変わってくるからです。
固定資産台帳は、税務調査で必ず確認される書類の一つです。資産の現物と台帳の記録が一致しているか、除却や売却の記録が適切かなどがチェックされます。
会計ソフトの固定資産管理機能を活用すれば、償却計算や台帳作成を自動化できます。手作業でのミスを防ぐためにも、システム化を検討してみてください。
パソコンを廃棄したり売却したりした場合は、除却損や売却損益を計上する必要があります。廃棄証明書や売却時の契約書も、台帳と一緒に保管しておくことが重要です。
4年間の減価償却が終わったパソコンは、帳簿価額が1円(備忘価額)になります。この1円のまま、廃棄するまで固定資産台帳に残し続けるのが原則です。
耐用年数を過ぎても実際に使い続けている限り、除却処理はできません。まだ業務で使用しているのに帳簿から消してしまうと、税務上の問題になります。
実際に廃棄や売却をしたタイミングで、除却損または売却損益を計上します。帳簿価額1円のパソコンを廃棄すれば、1円の除却損です。微々たる金額ですが、正確な処理が求められますね。
耐用年数を大幅に超えて使い続けることは、セキュリティリスクやメンテナンスコストの増加につながります。税務上の耐用年数は4年ですが、実際の買い替えは3〜4年のサイクルで検討する企業が多いです。
参考)PCの耐用年数は4〜5年!修理か買い替えかはどう判断する? …
新しいパソコンへの入れ替え時期は、固定資産の減価償却スケジュールと設備投資計画を連動させて考えましょう。計画的な更新が、税務処理の効率化にもつながります。
パソコンを購入せずにリース契約で導入する選択肢もあります。リース契約の会計処理は、契約内容によって「ファイナンス・リース」か「オペレーティング・リース」に分類されます。
ファイナンス・リース契約(所有権移転条項ありのリース)の場合、実質的に資産を購入したものとみなされます。リース資産として固定資産に計上し、通常の減価償却と同様に処理するんです。
オペレーティング・リース契約の場合は、毎月のリース料を「賃借料」として経費計上します。
減価償却の処理は不要です。
手続きがシンプルなのがメリットですね。
リース契約のメリットは、初期投資を抑えられることと、定期的な更新がしやすいことです。一方、総額では購入より割高になることが多いため、コストと利便性のバランスで判断しましょう。
最近は「パソコンサブスクリプション」という月額定額制のサービスも登場しています。これもオペレーティング・リースと同様、月額料金を経費として処理できます。
パソコンの減価償却に関する税制は、定期的に改正されます。特に少額減価償却資産の特例は、期限付きの措置として延長が繰り返されてきました。
令和4年度(2022年度)の税制改正では、少額減価償却資産の特例が令和6年(2024年)まで延長されています。その後も延長される可能性がありますが、期限切れのリスクも考慮して設備投資計画を立てることが大切です。
また、電子帳簿保存法の改正により、2024年1月からは電子取引データの電子保存が義務化されました。パソコンの購入に関するメールやPDFの請求書も、電子データのまま保存する必要があります。
税制改正の情報は、国税庁のウェブサイトや税理士会の情報をこまめにチェックしましょう。適用時期を間違えると、本来受けられる特例が使えなくなることもあります。
国税庁ホームページ
税制改正の最新情報や耐用年数表の確認には、国税庁の公式サイトが最も信頼できる情報源です。
会計ソフトや税務システムも、税制改正に対応したバージョンアップが必要です。システムベンダーからのアップデート情報を見逃さないようにしてください。

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