出納帳とは 意味|税務担当者向け基本帳簿の作成と管理方法

出納帳とは 意味|税務担当者向け基本帳簿の作成と管理方法

出納帳とは 意味

白色申告でも現金出納帳の不備は重加算税35%の対象になります。


📌 出納帳の基本を3ポイントで理解
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出納帳の定義と役割

事業で発生する現金・預金の入出金を日付順に記録する帳簿。資金の流れを可視化し、経営判断や税務申告の基礎資料となる

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主な種類は2つ

現金出納帳(現金取引)と預金出納帳(銀行口座)に分類。それぞれ「いつ・どこで・何のために」お金が動いたかを明確に記録

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税務上の重要性

2014年以降は青色・白色申告を問わず全事業主に記帳・保存義務あり。不備は推計課税や重加算税のリスクに直結

出納帳とは何か|補助簿としての位置づけ


出納帳(すいとうちょう)とは、企業や個人事業主が事業活動における現金や預金の入出金を日付順に記録する帳簿です。会計帳簿は「主要簿」と「補助簿」に分類されますが、出納帳は補助簿に該当します。


参考)出納帳とは?帳簿の役割や種類、書き方、内容が合わない場合の対…


主要簿である仕訳帳や総勘定元帳がすべての取引を網羅的に記録するのに対し、出納帳は特定の勘定科目(現金や預金)に絞って詳細を追跡する役割を担います。


つまり補助簿ということですね。


この帳簿により「いつ・どこで・何のために」お金が動いたのかを明確に把握できるため、資金繰り計画の立案や経営判断の基礎資料として活用されます。日々の取引が多い事業ほど、正確な出納帳の作成が資金管理の成否を左右します。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/about-cashbook-type/


出納帳の意味と目的|税務担当者が理解すべき重要性

税務担当者にとって出納帳は単なる記録ツールではなく、税務申告の信頼性を証明する重要な証拠書類です。帳簿の不備や不存在は、税務調査において事業者の信頼性全体を損なう結果を招きます。


参考)税務調査で現金出納帳がない場合のリスク

2014年1月以降、青色申告だけでなく白色申告の事業主にも記帳・帳簿保存が法律で義務付けられました。


これは例外ありません。


この改正により、すべての個人事業主と法人が出納帳を含む帳簿類を適切に作成・保存する責任を負っています。


参考)個人事業主に現金出納帳は不要?記帳ルールや確定申告の対応を解…


出納帳が存在しない状態で税務調査を受けると、推計課税により実際よりも高額な税金を課される可能性があります。さらに売上の除外や架空経費の計上を疑われ、重加算税(35%)という重いペナルティが科されるリスクも発生します。帳簿不備は過少申告加算税の10%上乗せの対象にもなります。


参考)確定申告なのに帳簿を付けてない!個人事業主の最低限の対策は?…


税務調査官は基本的な帳簿すら作成していない事業者に対して、申告内容全体に疑いの目を向けざるを得ません。取引の詳細について質問された際、帳簿がなければ記憶に頼った曖昧な説明しかできず、調査官の心証を悪くし、より厳格な調査や不利な認定を受けるリスクが高まります。

税務調査で現金出納帳がない場合のリスク
税務調査における出納帳不備の具体的なリスクと対策について、推計課税や重加算税の適用事例を交えて詳しく解説しています。


出納帳の種類|現金出納帳と預金出納帳の違い

出納帳は管理対象によって主に2種類に分類されます。


それぞれ異なる用途と記録方法を持ちます。


■現金出納帳
現金の入出金を日付ごとに記録する帳簿です。「いつ」「何の目的で」「いくら使ったか」「いくら受け取ったか」を記帳するため、現金の流れを一目で把握できます。日々の現金取引が多い小規模事業者や個人事業主に特に重要で、売上帳や仕入帳の役割を兼ねる場合もあります。


■預金出納帳
金融機関の口座ごとに預金の入出金を記録する帳簿です。当座預金なら当座預金出納帳、普通預金なら普通預金出納帳と口座ごとに区別して作成します。複数の銀行口座を持つ事業者は、口座ごとに別々の預金出納帳を用意する必要があります。


参考)預金出納帳とは?記載項目や作成方法などを詳しく解説 - 弥生…

これらに加えて、掛け売りを記録する「売掛帳」、買掛金を記録する「買掛帳」なども出納帳の一種として分類されることがあります。事業形態や取引内容に応じて、必要な出納帳の種類と数が変わってきます。


参考)https://www.jdlibex.net/ab/

出納帳と複式簿記の関係|青色申告での扱い

青色申告で複式簿記を採用する場合、現金出納帳を別途作成する必要は基本的にありません。複式簿記では取引を「借方・貸方」の両面から仕訳帳と総勘定元帳に記録するため、現金の動きも「現金勘定」として自動的に管理されるからです。

青色申告55万円・65万円控除を受ける場合、総勘定元帳と仕訳帳という主要簿の作成が義務付けられています。これらの帳簿には現金の動きも含まれているため、追加で現金出納帳を作成しなくても税務上の要件は満たされます。


複式簿記なら不要ということですね。



参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-blue-return/book/

ただし、実務上は現金管理の精度を高めるため、複式簿記を採用していても現金出納帳を補助的に作成する事業者も少なくありません。特に現金取引が頻繁に発生する小売業や飲食業では、日々の現金残高を確認する手段として現金出納帳が有効です。


一方、白色申告や青色申告10万円控除を選択する場合は、簡易帳簿として現金出納帳の作成が推奨されます。記帳義務がある以上、現金取引を記録する何らかの帳簿は必須です。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-shiroiroshinkoku/obligation/


出納帳作成の基本ルール|記載項目と書き方の原則

出納帳を正確に作成するには、記載すべき項目と基本ルールを理解する必要があります。


📋 必須記載項目

これらが基本です。


✅ 記帳の基本ルール
最初の行には前月または前期からの繰越残高を記載します。各取引は発生した日付順に1行ずつ記入し、入金と出金を同時に記載することはありません。月末や期末には最後の行に合計金額を記載し、次月または次期への繰越金額を明記します。


参考)現金出納帳とは?記入方法やポイントを徹底解説!


摘要欄は「封筒購入」ではなく「〇〇商店より封筒購入」のように、相手先と内容が第三者にも分かるよう具体的に書くことが重要です。税務調査では摘要の具体性が帳簿の信頼性を左右します。

残高は入金があれば加算、出金があれば減算して毎日計算します。この日々の残高確認が、後述する「残高不一致」の早期発見につながります。

出納帳とは?種類や書き方のほか残高が合わないときの対処法も
出納帳の基本的な書き方、記載項目の詳細、および実務でよくある残高不一致の原因と解決方法について、会計ソフト大手が分かりやすく解説しています。


出納帳の残高が合わない場合の対処法

実務では現金出納帳の残高と手持ちの実際残高が合わないという事態がしばしば発生します。この場合、試算表や決算書には実際残高を計上すべきなので、差額の原因を突き止める必要があります。


参考)現金残高が合わないときの対処方法

🔍 よくある原因と対処法
原因1:記録・入力ミス
会計ソフトへ入力した数字の誤りや、電卓計算でのミスが最も頻出します。過去の記録を一つずつ確認し、誤入力を発見したらすぐに修正します。


手計算なら計算ですね。



原因2:領収書の記録漏れ
領収書があるのに現金出納帳への記録が漏れていたケースも多発します。未記帳の領収書がないか確認し、見つかれば即座に追加記帳します。

原因3:原因不明の差額
どうしても原因が特定できない場合は「現金過不足」という仮勘定を使用します。


これは例外的な処理です。


現金過不足勘定は、その他流動資産やその他流動負債に表示しますが、確定申告や決算では必ずゼロにしなければなりません。

税務調査では「不自然な多額の出金や入金」「現金残高が常にゼロや一定金額」といった異常パターンがチェックされます。これらは仮装・隠蔽の疑いとして重加算税の対象となる可能性があるため、出納帳の記録が客観的に信頼できることが重要です。

日々の残高照合を習慣化することで、差額発生時の原因特定が容易になり、税務リスクを大幅に軽減できます。


出納帳作成ツールの選択肢|エクセルと会計ソフトの比較

出納帳を作成する方法は大きく分けて手書き、エクセル、会計ソフトの3つがありますが、現代の税務担当者にとって実質的な選択肢はエクセルと会計ソフトです。


📊 エクセルのメリット
初期コストがかからず、すでにPCに入っているため導入ハードルが低い点が魅力です。自分の事業に合わせてカスタマイズでき、データの互換性も高いため税理士や会計士とのデータ共有も容易です。外出先でもオンラインやアプリで開けるので、どこでも入力や確認ができます。


参考)エクセルか会計ソフトか?会計ソフトの方がおすすめな理由とおす…

⚠️ エクセルのデメリット
計算式の設定ミスや手動入力によるヒューマンエラーのリスクがあります。月次集計や決算書作成は手作業が中心となり、取引量が増えると作業負担が大きくなります。税制改正への対応も自分で行う必要があり、専門知識がないと対応が遅れる可能性があります。


💻 会計ソフトのメリット
銀行口座やクレジットカードとの自動連携により、入力業務を大幅に削減できます。自動仕訳機能で領収書やレシートを読み取り、勘定科目を自動判定してくれるため、会計知識が少なくても正確な記帳が可能です。税制改正にも自動対応するため、常に最新の法令に準拠した処理ができます。


参考)現金出納帳作成に対応した会計ソフトおすすめ10選【2025年…

主要な会計ソフトとしては、弥生会計Next、freee会計、マネーフォワード クラウド会計、ジョブカン会計などがあります。クラウド型なら月額料金で場所を問わず利用でき、在宅勤務でもアクセス可能です。

取引量が月30件未満で税務知識がある場合はエクセルでも対応可能ですが、それ以上の規模や複数人での作業が必要な場合は会計ソフトの導入を検討すべきです。初期投資を抑えたい場合は、フリーウェイ経理Liteなど無料プランのある会計ソフトから始めることもできます。

現金出納帳作成に対応した会計ソフトおすすめ10選
出納帳作成機能を搭載した会計ソフトの比較情報。クラウド型・インストール型の特徴、料金体系、機能の違いを詳しく紹介しています。




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