損益分岐点の計算方法を簡単に理解して経営に活かす

損益分岐点の計算方法を簡単に理解して経営に活かす

損益分岐点の計算方法を簡単に理解する全知識

固定費を正確に分類できていない場合、損益分岐点を計算しても数字が3割以上ズレて、黒字と思っていた月が実は赤字という事態に陥ることがあります。


📊 この記事でわかること3選
🧮
損益分岐点の計算方法を基礎から理解

「固定費 ÷ 限界利益率」の公式を、具体的な数字の例を使いながらやさしく解説します。

📉
業種別の損益分岐点比率の目安を把握

飲食・製造・サービスなど、業種ごとに大きく異なる平均値と、危険ラインの見分け方を解説します。

💡
損益分岐点を下げる3つの実践的アプローチ

固定費削減・変動費削減・単価引き上げの3方向から、今すぐ実行できる改善策を具体的に紹介します。

このページの目次
  1. 損益分岐点の計算方法を簡単に理解する全知識
    1. 損益分岐点の計算方法の基本式とは何かをまず理解する
    2. 損益分岐点の計算方法に欠かせない「固定費」と「変動費」の違い
    3. 損益分岐点の計算方法を数字で解説する具体的な例題
    4. 損益分岐点の計算方法における限界利益率の重要性を理解する
    5. 損益分岐点の計算方法をエクセルで自動化する簡単な手順
    6. 損益分岐点の計算方法で求めた「損益分岐点比率」の見方と目安
    7. 損益分岐点の計算方法を補完する「安全余裕率」の求め方
    8. 損益分岐点の計算方法を活かした「目標売上高」の逆算の仕方
    9. 損益分岐点の計算方法で間違いやすい「準変動費」の扱い方
    10. 損益分岐点の計算方法を業種別に具体例で比較する
    11. 損益分岐点の計算方法をもとに「固定費削減」で改善を図る方法
    12. 損益分岐点の計算方法をもとに「変動費削減と単価引き上げ」で改善する方法
    13. 損益分岐点の計算方法を複数商品・事業に展開するときの注意点
    14. 損益分岐点の計算方法を株式投資・企業分析に活用する視点
    15. 損益分岐点の計算方法をグラフで可視化するメリットと作り方
    16. 損益分岐点の計算方法と合わせて覚えておきたい「CVP分析」の全体像
    17. 損益分岐点の計算方法を毎月モニタリングする経営管理の習慣化


損益分岐点の計算方法の基本式とは何かをまず理解する


損益分岐点とは、売上高と費用が完全に一致し、利益もゼロ・損失もゼロになる売上のことです。この点を上回れば黒字、下回れば赤字という判断の基準線になります。


損益分岐点を求める基本の公式は次の通りです。








計算式 内容
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益 最も代表的な計算式
限界利益 = 売上高 − 変動費 固定費を回収するための利益
限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高 売上に占める限界利益の割合


一見ややこしく見えますが、構造はシンプルです。「固定費さえ賄える売上があれば赤字にならない」という考え方が根本にあります。


つまり損益分岐点が基本です。この1点を押さえれば、計算の全体像がスムーズにつながります。


損益分岐点の計算方法に欠かせない「固定費」と「変動費」の違い

損益分岐点を正確に求めるためには、費用を「固定費」と「変動費」に分けることが大前提です。この分類を間違えると、計算結果に大きなズレが生じます。


固定費とは、売上がゼロであっても必ず発生する費用です。家賃・正社員の給与・リース料・保険料・減価償却費などが代表例です。


毎月同じ金額がかかり続けるイメージです。


変動費とは、売上の増減に連動して変わる費用です。商品の仕入れ原価・製造材料費・販売手数料・配送費などが当てはまります。売れれば増え、売れなければ減るのが特徴です。









業種 固定費の例 変動費の例
製造業 工場賃借料・人件費・減価償却費 材料費・外注費・梱包費
卸・小売業 店舗賃借料・人件費 仕入原価・販売手数料・配送費
サービス業 オフィス賃借料・人件費・システム利用料 外注費・消耗品費
建設 事務所賃借料・重機リース料・人件費 材料費・重機燃料費


注意が必要なのは、歩合給や光熱費のように固定費と変動費の両方の性質を持つ「準固変費」が存在することです。電気代は売上ゼロでも基本料がかかりますが、稼働量によっても増減します。こうした費用は、管理会計上で適切に分解する必要があります。


分類が条件です。正確な分類があって初めて、損益分岐点の計算が意味を持ちます。


損益分岐点の計算方法を数字で解説する具体的な例題

実際の数字を使って計算の流れを追うと、格段に理解しやすくなります。ここでは製品1個あたり1万円で販売する小売業を例に取り上げます。


【設定条件】


  • 販売価格:1個あたり1万円

  • 仕入原価(変動費):1個あたり3,000円

  • 毎月の固定費:50万円


まず限界利益を計算します。


$$\text{限界利益} = 10,000円 - 3,000円 = 7,000円$$


$$\text{限界利益率} = 7,000円 ÷ 10,000円 = 70\%$$


$$\text{損益分岐点売上高} = 500,000円 ÷ 0.7 ≒ 714,286円$$


月間71万4,286円以上の売上がなければ赤字、ということがわかります。


台数に換算すると約72台です。


東京のワンルームマンションの家賃(月8万円前後)を例に取れば、固定費50万円は約6か月分の家賃に相当します。それだけの固定費を毎月売上で回収しなければならないイメージです。


結論はシンプルです。「固定費を限界利益率で割る」この1ステップを覚えれば、あとは数字を当てはめるだけで損益分岐点が求まります。


損益分岐点の計算方法における限界利益率の重要性を理解する

限界利益率は、損益分岐点の高さを決定する核心的な数字です。この数値が高いほど損益分岐点は低くなり、少ない売上でも黒字化できるという意味になります。


たとえば固定費が同じ500万円であっても、限界利益率が異なると損益分岐点はこれほど変わります。








限界利益率 損益分岐点売上高 業種のイメージ
40% 1,250万円 製造業・卸売業
60% 約833万円 建設業・小売業
80% 625万円 サービス業・ソフトウェア


限界利益率40%と80%では、同じ固定費でも損益分岐点が2倍も変わります。


これは使えそうです。


仕入原価が高い小売業や製造業は限界利益率が低くなりやすく、それだけ多くの売上を積み上げなければ黒字になれません。逆にSaaSや情報サービスのように仕入れがほぼゼロの事業は限界利益率が高くなるため、損益分岐点を低く保ちやすいという特徴があります。


限界利益率が原則です。この数値を改善することが、損益分岐点を下げる最も根本的な方法です。


損益分岐点の計算方法をエクセルで自動化する簡単な手順

毎月手計算するのは手間がかかります。エクセルを使えば数字を入力するだけで損益分岐点が自動的に求まる仕組みを5分で作れます。


まずセルに次の項目を入力します。



  • B2:売上高(例:1,000,000)

  • B3:変動費(例:300,000)

  • B4:固定費(例:500,000)


続いて計算セルに数式を入力します。



  • B5(限界利益):=B2-B3

  • B6(限界利益率):=B5/B2

  • B7(損益分岐点売上高):=B4/B6


これだけで完成です。B2・B3・B4の数字を変えるたびに、損益分岐点が瞬時に更新されます。さらに折れ線グラフを追加すれば、損益分岐点グラフも自動で作成できます。


この方法なら問題ありません。専門ソフトを用意しなくても、無料のエクセルだけで十分な分析環境が整います。


損益分岐点のエクセルテンプレートは、freeeやマネーフォワードが無料で公開しています。初めての方にはこちらを利用するのが手軽です。


無料テンプレートの参考先として、freeeが提供するExcel形式の損益分岐点テンプレートが活用できます。


書き方のサンプルも付属しています。


損益分岐点の無料Excelテンプレート|freee


損益分岐点の計算方法で求めた「損益分岐点比率」の見方と目安

損益分岐点比率とは、現在の売上高に対して損益分岐点がどこに位置しているかを示す指標です。計算式はシンプルで、「損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100」で求められます。


この比率が低ければ低いほど、売上が減っても赤字にならない余裕があるという意味です。









損益分岐点比率 状態の評価 対応の目安
70%以下 ✅ 非常に健全・黒字余裕が大きい 設備投資や事業拡大を検討できる段階
70〜90% ⚠️ 平均的・環境変動でリスクあり 固定費削減を継続的に意識する
90〜100% 🔶 要注意・赤字転落の危険性あり すぐに費用構造の見直しが必要
100%超 🔴 現時点で赤字・資金繰り危機 緊急の改善措置が必要


中小企業庁「中小企業白書2021年版」によると、大企業の損益分岐点比率が60%まで改善している一方で、中規模企業は85.1%、小規模企業は92.7%という実態があります。


数字の差は大きいですね。


大企業との格差が明確に存在しており、中小企業ほど損益分岐点比率の管理が経営上の緊急課題です。


90%超は危険水域と捉えてください。


損益分岐点の計算方法を補完する「安全余裕率」の求め方

安全余裕率は、損益分岐点比率と表裏一体の指標です。「売上があとどのくらい落ちても大丈夫か」を示す指標で、「経営安全余裕率」とも呼ばれます。


計算式は次の2つで求められます。


$$\text{安全余裕率} = \frac{実際の売上高 - 損益分岐点売上高}{実際の売上高} \times 100$$


$$\text{安全余裕率} = 100\% - 損益分岐点比率$$


たとえば損益分岐点売上高が500万円、実際の売上高が700万円の場合は次のようになります。


$$(700 - 500) \div 700 \times 100 = 約28.6\%$$


安全余裕率28.6%とは、現在の売上から28.6%(約200万円)落ちて初めて赤字になるという意味です。東京ドーム1個分の収容人数が約55,000人とすると、わかりやすく言えば「約3割の顧客を失っても耐えられる」というイメージです。











安全余裕率 経営状態の評価
0%以下 赤字状態
10%未満 危険域・要即対応
10〜19% 平均的な水準
20〜30% 安全域
31〜49% かなり優良
50%以上 極めて優良


これが条件です。安全余裕率が10%未満になると、軽微な売上減でもたちまち赤字転落のリスクが高まります。


損益分岐点の計算方法を活かした「目標売上高」の逆算の仕方

損益分岐点がわかると、「赤字を避ける最低ライン」だけでなく「目標利益を出すために必要な売上高」も逆算できます。これが「目標利益達成売上高」という考え方です。


計算式は次の通りです。


$$\text{目標利益達成売上高} = \frac{固定費 + 目標利益}{限界利益率}$$


具体例で確認します。固定費300万円、目標利益100万円、限界利益率70%の場合は次のようになります。


$$(300 + 100) \div 0.7 = 約571万円$$


月571万円の売上を達成すれば、100万円の利益が残る計算です。この数字を社内目標に落とし込むことで、「何のために今月〇〇万円を目指すのか」という根拠が明確になります。


これは使えそうです。単に「売上目標〇〇万円」と言うより、「この売上で利益がこれだけ残る」と見えることで、営業チームのモチベーションにもつながります。


損益分岐点の計算方法で間違いやすい「準変動費」の扱い方

実務でよく起きるミスが、固定費と変動費の分類を間違えることです。特に「準変動費」と呼ばれる費用は注意が必要です。


準変動費とは、売上がゼロでも一定額はかかるが、売上が増えると比例的に増えていく費用のことです。具体的には水道光熱費・電話料金・一部の交通費などが該当します。これらを全額固定費に分類してしまうと、変動費が過小評価されて損益分岐点が実態より低く計算されてしまいます。



  • 💡 光熱費:基本料金部分は固定費、使用量に応じた部分は変動費として分解する

  • 💡 歩合給:基本給部分は固定費、成果連動の歩合部分は変動費として扱う

  • 💡 通信費:月額契約の基本分は固定費、従量部分は変動費として処理する


このような費用を正確に固定・変動に振り分ける作業を「固変分解」と呼びます。精度を高めたい場合は、2〜3期分の実績データを使い、統計的な分解手法(回帰分析など)を活用する方法もあります。


注意に限ります。固変分解が不正確だと、損益分岐点の計算結果が実態から乖離するため、誤った経営判断につながるリスクがあります。


固定費と変動費の分け方を詳しく解説しているページも参考になります。


固定費と変動費の分け方は?損益分岐点や計算式を簡単に解説|経費精算.com


損益分岐点の計算方法を業種別に具体例で比較する

損益分岐点は業種によって大きく異なります。同じ「固定費500万円」でも、業種の違いで損益分岐点売上高が2倍以上差が出ることもあります。自社と他業種を比較する際は業種ごとの特性を踏まえることが重要です。


【製造業の例】
固定費500万円、限界利益率40%の場合 → 損益分岐点売上高 1,250万円


製造業は工場の減価償却費や材料費が重く、限界利益率が低くなりがちです。1,250万円はA4コピー用紙(約500円/500枚)に換算すると250万枚分の売上規模に相当します。


厳しいところですね。


【サービス業の例】
固定費500万円、限界利益率80%の場合 → 損益分岐点売上高 625万円


サービス業は仕入れ原価がほぼ�かからないため限界利益率が高く、損益分岐点を低く保てます。ただし人件費という大きな固定費を抱えることも多く、売上が急落すると一気に赤字転落しやすいリスクもあります。


【業種別の損益分岐点比率の平均(freee調べ)】


  • 🍽️ 宿泊業・飲食サービス業:97.5%(最も危険域に近い)

  • 🚛 運輸業・郵便業:91.1%

  • 💻 情報通信業:88.5%

  • 🏪 小売業:88.4%

  • 🏭 製造業:85.1%

  • 🏗️ 建設業:78.2%(比較的余裕あり)


自社の損益分岐点比率を同業他社の平均と比べることで、自社の体力が業界内でどのポジションにあるかが見えてきます。


業種別の損益分岐点比率の傾向や詳細データは、中小企業庁の白書が参考になります。


中小企業白書2021年版「中小企業の財務基盤と損益分岐点比率」|中小企業庁


損益分岐点の計算方法をもとに「固定費削減」で改善を図る方法

損益分岐点を下げる最も直接的な方法が固定費の削減です。変動費と違い、固定費は売上に関係なく毎月かかり続けるため、1円削減すれば損益分岐点が永続的に下がるという大きな効果があります。


固定費削減の優先度が高い項目を整理すると次の通りです。



  • 🏢 家賃・賃借料:オフィスの縮小・テレワーク移行・シェアオフィスへの切り替えで最大30〜50%削減できる場合も

  • 🔧 リース料・固定資産:使用頻度の低い設備の返却、クラウドへの移行で月数万〜数十万円規模の削減が可能

  • 📢 広告宣伝費:費用対効果を分析したうえで、効果の薄い媒体を整理する

  • 💡 水道光熱費:省エネ設備への切り替えやLED化など、初期投資で長期削減効果を得る


注意が必要なのは、人件費の安易なカットです。人件費は固定費の中でも最大の項目ですが、削減しすぎると従業員のモチベーション低下を招き、サービス品質が下がって売上自体が落ちるという負の連鎖に陥るリスクがあります。


固定費削減に取り組む際は「売上に影響しない費用から削減する」という順序が原則です。まず賃料・保険料・使用頻度の低いサービス契約などの見直しから着手するのが現実的です。


損益分岐点の計算方法をもとに「変動費削減と単価引き上げ」で改善する方法

固定費以外にも損益分岐点を下げる方法があります。


変動費の削減と販売単価の引き上げです。


どちらも限界利益率を高める方向に働き、結果として損益分岐点を低下させます。


変動費削減の代表的な手段は次の通りです。



  • 📦 大量仕入れ・長期契約による単価交渉でコスト削減

  • 🔄 調達先の見直し・競合見積もりで仕入れ原価を下げる

  • 📋 無駄な外注工程の内製化で変動費を固定費化する(ただし固定費が増えるトレードオフに注意)


単価引き上げは見落とされやすい手法ですが、効果は非常に大きいです。たとえば1台1万円で仕入れ3,000円の商品を1万1,000円に値上げすると、限界利益率は70%から約72.7%に上昇します。これにより固定費500万円の場合、損益分岐点が約71.4万円から約68.7万円に下がります。


約2.7万円の改善です。


数字を示すと「2.7万円の改善」は小さく見えますが、月々2.7万円の損益分岐点引き下げは年間で32万円以上の利益改善に相当します。


ただし単価引き上げは顧客離れのリスクを伴います。競合との価格差・顧客の価格感度・提供する付加価値とのバランスを慎重に検討した上で実施することが大切です。


損益分岐点の計算方法を複数商品・事業に展開するときの注意点

ここが多くの人が見落とす独自視点です。複数の商品ラインや事業部門を持つ場合、全社一括の損益分岐点だけでは経営判断を誤るリスクがあります。


たとえばA商品の限界利益率が80%、B商品が30%だとします。全社の売上ミックスが「A:B=3:7」の状態で計算した損益分岐点は、売れ筋がAに変わって「A:B=7:3」になった瞬間にまったく別の数値になります。これが損益分岐点分析の落とし穴のひとつです。


この問題を解決するためには、商品ごと・事業部ごとに損益分岐点を個別に計算することが必要です。CVP分析(コスト・販売量・利益の分析)では、この「製品構成の固定」という前提条件を理解した上で使うことが求められます。



  • 📌 複数商品がある場合は商品ごとの限界利益率を個別に把握する

  • 📌 売上ミックスが変化したときは損益分岐点を再計算する

  • 📌 撤退判断の際は商品単体の損益分岐点で判断するのが正確


意外ですね。一括で計算した全社の損益分岐点が良くても、特定の商品や事業が足を引っ張っている場合、実態の赤字構造が見えにくくなることがあります。


損益分岐点分析(CVP分析)の詳細については、以下のページが参考になります。


CVP分析(損益分岐点分析)とは?目的・計算・活用方法|freee


損益分岐点の計算方法を株式投資・企業分析に活用する視点

損益分岐点は、自分の事業だけでなく、投資対象の企業を分析する際にも非常に有効なツールです。損益分岐点比率を見ることで、その企業が不況局面でどれだけ赤字に耐えられるかを判断できます。


たとえばある企業の損益分岐点比率が65%であれば、現在の売上から35%も落ちて初めて赤字になるという高い耐性を示しています。一方、比率が95%の企業は少し業況が悪化しただけで赤字転落しやすく、経営リスクが高いと判断できます。



  • 📊 有価証券報告書の「固定費」「変動費」の構造を把握することで、大まかな損益分岐点が推測できる

  • 📊 セグメント別の限界利益率を比較することで、どの事業が収益の柱かを判断できる

  • 📊 景気後退シナリオで売上が20〜30%減った場合でも黒字を保てるか、損益分岐点比率を目安に評価できる


これが条件です。損益分岐点比率70%以下の企業は、不況に強い構造を持つと判断する投資家も多くいます。企業の財務体力を見る一つの物差しとして、日頃から意識することが投資判断の精度を高めます。


損益分岐点の計算方法をグラフで可視化するメリットと作り方

損益分岐点をグラフで表すと、数字だけでは伝わりにくい「今どのゾーンにいるか」が一目でわかります。特に経営会議や融資交渉の場では、グラフを見せることで相手への説得力が格段に上がります。


損益分岐点グラフの基本構造は次の通りです。



  • 横軸:売上高(0円から最大売上に向かって右へ伸びる)

  • 縦軸:費用・売上高(金額)

  • 青い線(費用合計):固定費の水準から始まり、変動費に応じて右上に傾く

  • 赤い線(売上高):原点から右上に45度で伸びる

  • 2つの線が交わる点:これが損益分岐点


エクセルでは次の手順で作れます。



  1. 売上高・固定費・変動費+固定費の3系列のデータを表にまとめる

  2. 表を全選択し「挿入→グラフ→折れ線」を選択する

  3. 売上高の線と費用合計の線の交点が損益分岐点

  4. 「面グラフ」に切り替えると損益ゾーンが色分けされてより視覚的にわかりやすくなる


これだけ覚えておけばOKです。グラフの作成自体は10分もあれば完成するので、月次の管理資料に定期的に組み込む習慣が経営の見える化につながります。


エクセルでの損益分岐点グラフの作り方を詳しく解説したページはこちらです。


エクセルで損益分岐点を計算する方法をわかりやすく解説|freee


損益分岐点の計算方法と合わせて覚えておきたい「CVP分析」の全体像

CVP分析とは「Cost(コスト)・Volume(販売量)・Profit(利益)」の関係を分析する手法で、損益分岐点分析を含む管理会計上の重要なツールです。


損益分岐点の計算は、このCVP分析の中核となる作業です。CVP分析全体を活用すると、次のような経営判断が可能になります。



  • 🎯 損益分岐点売上高の把握(最低限必要な売上がわかる)

  • 🎯 目標利益達成売上高の計算(目標利益を出すための売上目標が設定できる)

  • 🎯 安全余裕率の測定(現在どれだけ赤字に余裕があるかがわかる)

  • 🎯 価格変更・固定費変更のシミュレーション(「もし〇〇したら」の仮定計算ができる)


CVP分析には限界もあります。単一の製品しか扱わないこと、販売価格・単位変動費・固定費が一定という前提があることです。実際のビジネスでは、価格は季節によって変動し、仕入れコストも交渉次第で変わります。そのためCVP分析は「あくまで一定条件下での参考値」として使うことが重要です。


CVP分析が基本です。損益分岐点という1点だけでなく、分析の全体像を理解することで経営の解像度がさらに高まります。


損益分岐点の計算方法を毎月モニタリングする経営管理の習慣化

損益分岐点は一度計算して終わりではありません。毎月の売上・費用の変動に合わせて定期的に再計算・モニタリングすることで、初めて経営管理のツールとして機能します。


特に次のタイミングでは必ず損益分岐点を再確認することを習慣にしてください。



  • 📅 新年度・期初の事業計画策定時

  • 📅 固定費が増加する変化があった時(採用・移転・設備投資など)

  • 📅 売上が前月比10%以上変動した時

  • 📅 値上げ・値下げなど価格政策を変更した時


損益分岐点のモニタリングを月次で行っている企業では、赤字に気づくタイミングが早くなり、手を打てる余地が生まれます。逆に年1回しか確認しない場合、赤字が半年以上続いてから気づくケースもあります。


痛いですね。


月次での損益分岐点チェックを行うためには、試算表や損益計算書を月ごとに作成する経理体制が前提条件になります。クラウド会計ソフト(freee・弥生会計 Nextなど)を活用すれば、月次の損益計算書が自動で作成されるため、損益分岐点の計算作業を大幅に短縮できます。


月次でのモニタリングに対応した会計ソフトの比較や選び方については、こちらも参考にしてください。


損益分岐点とは?計算方法の具体例や経営に活かす方法を解説|弥生




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