障害者控除(本人・扶養)で得する税額と申請の全手順

障害者控除(本人・扶養)で得する税額と申請の全手順

障害者控除(本人・扶養)の仕組みと節税・申請の全手順

障害者手帳がないと、障害者控除は絶対に使えません。


この記事でわかること
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控除額と節税効果

一般障害者27万円・特別障害者40万円・同居特別障害者75万円。所得税率20%なら最大15万円の節税になるケースも。

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対象者と申請方法

本人・配偶者・扶養親族(16歳未満も含む)が対象。年末調整か確定申告で申請でき、手帳なしでも条件次第で受けられます。

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過去5年の遡及申請

申告し忘れていた分は過去5年分まで遡って還付請求できます。更正の請求を使えば、まとまった還付金を受け取れる可能性があります。


障害者控除(本人・扶養)の基本:控除額と所得税・住民税の仕組み


障害者控除とは、納税者本人や、生計をともにする配偶者・扶養親族に障害がある場合に、課税所得から一定額を差し引ける所得控除です。所得控除とは、税金を計算するベースとなる「課税所得」を減らす仕組みであり、減った分だけ所得税住民税の両方が安くなります。


控除額は障害の程度によって3段階に分かれています。


| 区分 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|
| 一般障害者 | 27万円 | 26万円 |
| 特別障害者 | 40万円 | 30万円 |
| 同居特別障害者 | 75万円 | 53万円 |


実際にいくら節税できるかは、適用される所得税率によって変わります。所得税率が5%の方(課税所得195万円以下)が一般障害者控除27万円を受けると、所得税で約1万3,500円、住民税(税率一律10%)で約2万6,000円、合計約3万9,500円の節税です。所得税率が20%の方(課税所得330万円超695万円以下)なら、所得税だけで約5万4,000円節税になります。


これが原則です。


同居特別障害者に当てはまる場合、75万円×20%=15万円(所得税分)もの節税になるケースもあります。


さらに、障害者控除は扶養控除と併用できる点も重要です。同居する障害のある老親を扶養している場合、老人扶養控除(58万円)+同居特別障害者控除(75万円)で最大133万円もの控除が同時に受けられます。これは意外と見落とされているポイントです。


参考情報:国税庁による障害者控除の正式な控除額・対象者の定義はこちらで確認できます。


No.1160 障害者控除 - 国税庁


障害者控除(本人・扶養)の対象者:手帳なしでも受けられるケース

「障害者手帳がないと障害者控除は使えない」と思い込んでいる方は多いです。しかし実際には、手帳がなくても控除を受けられるケースが複数あります。これは大きなメリットにつながります。


所得税法が定める障害者控除の対象者は以下の通りです。身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳を持っている方はもちろん、次のケースも含まれます。


- 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人(認知症が重度のケースなど)→ 特別障害者
- 常に就床を要し、複雑な介護が必要な状態の人 → 特別障害者
- 65歳以上で、市町村長等から「障害者控除対象者認定書」の交付を受けた人


3つ目のポイントが特に重要です。65歳以上の要介護・要支援認定を受けている方は、お住まいの市区町村の窓口に「障害者控除対象者認定申請書」を提出することで認定を受けられる場合があります。手帳取得の手続きは不要です。


ただし、注意点があります。


要介護認定を受けているだけでは障害者控除の対象にはなりません。別途、市区町村への認定申請が必要です。確定申告の時期(2〜3月)に慌てないよう、10月頃から申請手続きを進めておくのが賢明です(自治体によって受付開始日が異なります)。


また、戦傷病者手帳の保持者や原子爆弾被爆者で厚生労働大臣の認定を受けている方も対象です。これらの方は常に特別障害者として扱われます。


参考情報:65歳以上の要介護高齢者が障害者手帳なしで障害者控除を受けるための認定の流れが詳しく解説されています。


親が「要介護」なら障害者控除が使える?障害者手帳なしでも税金が安くなる方法


障害者控除(本人・扶養)の意外な落とし穴:16歳未満の子どもと2025年改正の注意点

障害者控除に関してよく見られる勘違いが「扶養控除が使えない16歳未満の子は、障害者控除も使えない」という思い込みです。実際には正反対で、16歳未満の扶養親族が障害者に当てはまる場合、障害者控除はしっかり受けられます。


扶養控除は16歳以上が対象ですが、障害者控除には年齢制限がありません。これが原則です。


たとえば、10歳のお子さんが療育手帳(B判定)を持っている場合、扶養控除の27万円(または38万円)は受けられませんが、障害者控除の27万円は適用できます。手帳の等級がA判定(重度)なら、特別障害者控除として40万円の控除が受けられます。


一方、2025年(令和7年)の税制改正で新設された「特定親族特別控除」には注意が必要です。これは19歳以上23歳未満の親族で合計所得金額が58万円超123万円以下の人を対象とした新しい控除ですが、この「特定親族」は従来の扶養親族とは別物として定義されています。


厳しいところですね。


つまり、アルバイト収入がある大学生のお子さん(19〜22歳)が障害者手帳を持っている場合でも、所得金額が58万円を超えていると扶養親族に該当せず、障害者控除が適用できない可能性があります。お子さんの年収・所得と控除の適用可否については、年末調整や確定申告前に必ず確認してください。


障害者控除(本人・扶養)の申請方法:年末調整・確定申告の書き方

障害者控除を受けるための手続きは、会社員なら年末調整、個人事業主や特定のケースでは確定申告で行います。どちらも基本の流れは同じです。


年末調整で申請する場合


毎年秋に会社から配布される「給与所得者の扶養控除等申告書」に記入します。本人が障害者に該当する場合はC欄「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の該当欄にチェックを入れます。配偶者や扶養親族が障害者の場合は、各人の欄の「障害者」の区分に記入します。


証明書類として、障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳などのコピー、または「障害者控除対象者認定書」を提示します。


確定申告で申請する場合


確定申告書 第一表の「所得控除の額の合計額」の欄に障害者控除額を記入し、第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄で対象者の氏名・種別(障害者・特別障害者)を記入します。


これは使えそうです。


「会社に障害のことを知られたくない」という方もいます。この場合、年末調整では申告せず、年末に会社から受け取った源泉徴収票をもとに自分で確定申告する方法が使えます。確定申告はe-Taxを使えばオンラインで完結でき、かつて比べると手続きのハードルは大幅に下がっています。


参考情報:確定申告や年末調整での障害者控除の申告書の具体的な書き方が図解で解説されています。


障害者控除とは?確定申告や年末調整での申告書の書き方 - 弥生


障害者控除(本人・扶養)の申告漏れは過去5年分まで遡れる:還付金の受け取り方

障害者控除の存在を知らなかった、または申告を忘れていたという場合でも、あきらめる必要はありません。還付申告という手続きを使えば、過去5年分にさかのぼって申告し、払い過ぎた税金の還付を受けることができます。


5年分という期間は想像より長いです。


たとえば、5歳の子が療育手帳を取得していたが、ここ3年分の年末調整で障害者控除を申告していなかった場合、3年分の更正の請求を行えばまとまった還付金が戻ってきます。所得税率20%で一般障害者控除の場合、1年分で約5万4,000円(所得税)+約2万6,000円(住民税)=約8万円。3年分なら約24万円の還付が期待できます。


手続きは「更正の請求書」を税務署に提出します。e-Taxでもオンライン申請が可能です。必要書類は当時の源泉徴収票と、該当年の障害者であることを証明する書類(手帳・認定書など)です。


ただし、住民税の還付については注意が必要です。


所得税は「更正の請求」で税務署に対して申請しますが、住民税については市区町村が自動的に再計算するケースもあれば、別途申告が必要なケースもあります。お住まいの市区町村に確認するのが確実です。


還付申告の期限は、申告できる年の1月1日から5年間です。たとえば、2026年中に手続きするなら、2021年分(令和3年分)まで遡ることができます。期限を過ぎると還付金はもらえなくなるので、心当たりがある方は早めに動くことをおすすめします。


参考情報:障害者控除の申告漏れで過去5年遡って還付を受ける方法と「更正の請求」の手続きが詳しく解説されています。


確定申告で障害者控除を賢く活用する方法 - 川崎障害年金




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