

4級の手帳を持つ患者でも、指定医でない医師が診断書を書くと手帳申請そのものが無効になります。
身体障害者手帳の等級は1級から7級まで設定されており、1級が最も重い状態です。 4級は「社会生活に明らかな支障があるが、日常生活の基本動作は概ね自立している」レベルとされており、就労は可能でも業務内容への配慮が必要な状態です。 jsh-japan(https://www.jsh-japan.jp/cordiale-farm/column/3122/)
4級に該当する主な障害は以下のとおりです。 me-gu-ru(https://me-gu-ru.net/media/column/190/)
- 👁️ 視覚障害:両眼の視力の和が0.09以上0.12以下
- 👂 聴覚障害:両耳で80デシベル以上の難聴
- 🦷 機能障害:発音・咀嚼機能の著しい障害
- 🤲 上肢障害:両手の親指を欠くもの
- 🦶 下肢障害:足の指すべてを失っているもの
- ❤️ 心臓機能障害:家庭内での普通の日常生活活動には支障がないが、それ以上の活動で心不全・狭心症症状が起こるもの
- 🫁 呼吸器機能障害:動脈血O₂分圧が60Torrを超え70Torr以下
これが基本です。
障害の種別によって認定基準の細かさが大きく異なります。たとえば呼吸器機能障害では「動脈血O₂分圧が60Torrを超え70Torr以下」という数値基準が設定されています。 一方、心臓機能障害の4級認定では活動能力の程度の評価区分「(2)・(3)」に相当する状態が目安とされており、心エコーや冠動脈造影検査の所見も参照されます。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2760&dataType=1&pageNo=2)
医療従事者として重要なのは、「4級=軽度」という先入観を持たないことです。内部障害(心臓・呼吸器・腎臓など)の4級患者は、外見からは障害が分かりにくい「見えない障害」を抱えていることが多く、日常的な医療管理が継続的に必要な状態です。 つまり継続的なフォローが必須です。 syogai-koyo-bank(https://syogai-koyo-bank.com/contents/guide/20251120/)
申請に必要な書類として最低限押さえておくべきものを整理します。 works.manaby.co(https://works.manaby.co.jp/column/49011/)
- 📝 交付申請書(市区町村の障害福祉課で入手)
- 🩺 身体障害者診断書・意見書(指定医による作成が必須)
- 📸 顔写真(上半身・縦4cm×横3cm、最近6か月以内撮影)
- 🪪 マイナンバーが確認できる書類
ここで最も注意が必要なのが診断書です。 atgp(https://www.atgp.jp/knowhow/oyakudachi/c1041/)
身体障害者福祉法第15条第1項に基づき、診断書を作成できるのは都道府県知事が指定した医師(15条指定医)のみです。 指定は障害の種別ごとに行われており、たとえば視覚障害の指定医が聴覚障害の診断書を作成しても無効になります。 医師なら誰でも書けるわけではありません。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000063670.pdf)
大阪府の指定要件を例に挙げると、「指定を受けようとする障害に関する診療科の診療に5年以上従事し、かつ診療に関する相当の学識経験を有する者」という条件が設けられています。 厳しいところですね。 pref.osaka.lg(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/5333/1sokatujiko_r7.pdf)
患者が「かかりつけ医に診断書を書いてもらった」と申告してきた場合、その医師が当該障害種別の指定医かどうかを確認することが重要です。 指定医でない場合、診断書は無効となり申請が受理されません。厚生労働省は2024年以降、15条指定医向けの診断書作成マニュアルを整備しており、現場での判断基準の統一化が進んでいます。 atgp(https://www.atgp.jp/knowhow/oyakudachi/sonota/c3036/)
なお、等級変更の申請にも同様に指定医の診断書・意見書が必要です。 等級変更の際は、以前に診断書を作成した指定医に再依頼するとスムーズに進むことが多いとされています。これが条件です。 atgp(https://www.atgp.jp/knowhow/oyakudachi/sonota/c3036/)
患者への適切な情報提供も医療従事者の重要な役割です。4級の手帳を持つことで受けられる主な支援を確認しておきましょう。
💰 税制上の優遇 with-your-sma(https://with-your-sma.jp/support/expenses/techou.html)
- 所得税の障害者控除:年間27万円を控除
- 相続税の障害者控除:85歳までの年数×10万円
- 扶養している場合も同額の障害者控除が適用可能
🏥 医療費関連 n-syaho(https://www.n-syaho.com/common/images/siryou/fukushiiryou/shintaisyougai/shintai110401.pdf)
- 医療費助成制度(自治体による、1級〜4級を対象とするケースあり)
- 自立支援医療(更生医療):18歳以上の手帳所持者が対象、所得に応じた負担
- 1医療機関あたりの自己負担月額上限が設定される自治体も多い
🚗 日常生活の支援 city.minato.tokyo(https://www.city.minato.tokyo.jp/kenko/fukushi/shogaisha/naibu4/)
- 有料道路通行料金の割引
- フェリー旅客運賃の割引
- NHK受信料の減免
- 携帯電話使用料の割引(各社対応)
- 補装具の交付・修理(所得に応じた負担あり)
- 日常生活用具の給付・貸与
これは使えそうです。
重要なのは、これらの支援内容が自治体ごとに異なる点です。 港区の例では水道・下水道料金の減免や区民保養施設の優先抽選なども対象に含まれています。医療機関として患者に案内する際は、「お住まいの市区町村の障害福祉課に確認を」と促すことが最も確実な対応です。 city.minato.tokyo(https://www.city.minato.tokyo.jp/kenko/fukushi/shogaisha/naibu4/)
また、4級の場合は1〜3級と比較すると一部サービスの対象外となるケースもあります。 たとえば医療費助成の内容が手帳等級によって異なる都道府県が複数あり、「手帳を持っていれば医療費が必ずゼロになる」と思い込んでいる患者には正確な情報を伝える必要があります。誤解が生じやすい部分です。 rehab.go(https://www.rehab.go.jp/beppu/book/pdf/livinghome_no30_r504.pdf)
医療従事者があまり知らない知識として「指数による合算認定」があります。意外ですね。
障害が複数ある場合、それぞれの等級に対応した指数を合算して最終的な等級を決定するルールがあります。 たとえば心臓機能障害3級(指数7)と別の障害を組み合わせると、合計指数によってより上位の等級に認定される可能性があります。 pref.nagano.lg(https://www.pref.nagano.lg.jp/rehabili/kose/faq/naiyo.html)
| 等級 | 指数の目安 |
|---|---|
| 1級 | 18以上 |
| 2級 | 11〜17 |
| 3級 | 7〜10 |
| 4級 | 4〜6 |
| 5級 | 3 |
| 6級 | 2 |
たとえば4級に該当する2つの障害が重複している場合、原則として1級上位の3級として認定されることがあります。 つまり複数障害は足し算で考えることが基本です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shougaishatechou/dl/toukyu.pdf)
この仕組みを理解しておくことで、医療従事者は患者の申請時に「実は上位等級に該当する可能性がある」ことを見落とさずに済みます。複数の科を受診している患者の場合、各診療科の医師が連携して情報を共有することで、患者が受けられる等級・支援が変わる可能性があります。実際にその患者の生活の質が変わるため、多職種連携の視点から重要な確認事項です。
身体障害者手帳の認定に際して診断書の内容が審査に大きく影響します。複数の障害が疑われる患者については、障害福祉窓口への相談や社会福祉士・MSW(医療ソーシャルワーカー)への連携を早期に検討することが、患者にとっての最大のサポートになります。
参考:身体障害者障害程度等級表の解説(厚生労働省)── 等級別の認定基準の公式定義
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2760&dataType=1&pageNo=2
身体障害者手帳の等級と障害年金の等級は別物です。これは現場でよく混同されます。
障害者手帳は「身体障害者福祉法」に基づく制度であり、障害年金は「国民年金法・厚生年金保険法」に基づく制度です。認定基準・判定機関・申請窓口がすべて異なります。手帳が4級でも、障害年金の対象にならないケースや、逆に障害年金を受給していても手帳の等級が異なるケースが存在します。
| 項目 | 身体障害者手帳 | 障害年金 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 身体障害者福祉法 | 国民年金法・厚生年金法 |
| 申請先 | 市区町村の障害福祉課 | 年金事務所・市区町村 |
| 診断書作成者 | 15条指定医 | 担当医師(指定なし) |
| 等級区分 | 1〜7級 | 1〜3級 |
| 主な目的 | 福祉サービスの利用 | 所得補償 |
患者から「手帳を取れば年金もでますか?」と聞かれたとき、「制度が別なので別途申請が必要です」と案内するのが正確です。 精神障害者保健福祉手帳の場合は障害年金の証書で申請できるケースがありますが、身体障害者手帳には同様の連動制度はありません。 別の制度だけは覚えておけばOKです。 works.manaby.co(https://works.manaby.co.jp/column/49011/)
また、医療機関が患者に手帳取得を促す場合、手帳取得が患者の就労・生活状況・心理面に与える影響にも配慮が必要です。「手帳を持つ=障害者として登録される」という抵抗感を持つ患者も少なくないため、制度のメリットをわかりやすく説明し、患者自身が納得した上で申請を選択できるよう支援することが医療従事者の役割です。
参考:身体障害者手帳の等級の決め方(atGP)── 申請の注意点と支援サービスの解説
https://www.atgp.jp/knowhow/oyakudachi/c1041/
参考:身体障害者手帳3級・4級の具体例と取得メリット(障害雇用バンク)── 4級に該当する障害状態の具体的イメージ
https://syogai-koyo-bank.com/contents/guide/20251120/