

紙の新聞購読料を前払いしたとき、電子版と同じ処理はダメ
新聞図書費は、事業や業務に必要な情報を得るために購入した新聞・書籍・雑誌などの費用を経費計上するための勘定科目です。決算書には元々存在しない科目で、企業や個人事業主が任意で追加できます。
参考)新聞図書費はどこまで経費にできる?仕訳の例やポイント解説
具体的には以下のような費用が新聞図書費に該当します。
参考)「新聞図書費」とはどんな勘定科目?経費計上できるもの・仕訳の…
業務上必要な知識や情報を得るための購入であることが基本です。
参考)新聞図書費の勘定科目に該当するものや仕訳例
電子コンテンツも対象になりますね。
ただし、事業との関連性が不明確な一般的なビジネス書や経営ノウハウ本、投資関連書籍(投資が事業でない場合)は新聞図書費に該当しません。個人事業主の場合は、事業に直接関係のあるものに限定され、家事費と見なされる一般紙などは計上できません。
マネーフォワードの新聞図書費解説(仕訳例と経費の範囲を詳細に説明)
新聞図書費の基本的な仕訳は、購入時に借方に「新聞図書費」、貸方に「現金」や「普通預金」を計上します。
参考)新聞図書費 【勘定科目・仕訳大全集】- 経理お役立ち情報 -…
一時的に書籍を購入した場合の仕訳例です。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 新聞図書費 2,000円 | 現金 2,000円 |
新聞図書費は基本的に消費税10%の課税対象ですが、週2回以上発行される定期購読の新聞は軽減税率8%が適用されます。この場合、税区分を「課仕(軽)8%」に設定する必要があります。
参考)新聞図書費で経費にできる範囲と「軽減税率」での注意点を解説
軽減税率は飲食料品と新聞だけです。
対象となる新聞の定義は「一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行されるもの」です。理髪店や飲食店などの店舗が業務用に定期購読する場合も軽減税率が適用されます。
参考)新聞代は確定申告で経費にできる?仕訳や軽減税率についても解説…
ただし、軽減税率の適用により簡易課税事業者や免税業者は仕入れの消費税が2%増えるため、調整ができず負担が増加するケースもあります。
参考)軽減税率で新聞が対象となる理由は生活必需品だから!定義や条件…
定期購読料を年間分まとめて支払った場合、決算期をまたぐときは前払費用への振替が必要です。
例えば10月1日に12,000円の年間購読料を支払い、決算日が3月31日の場合、翌期分の6,000円を前払費用に振り替えます。
| 日付 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 10月1日 | 新聞図書費 12,000円 | 現金 12,000円 |
| 3月31日 | 前払費用 6,000円 | 新聞図書費 6,000円 |
通常の紙媒体はこの処理が必要です。
ただし、短期前払費用の特例を継続適用する場合、支払日から1年以内の継続的な役務提供なら、決算期をまたいでも全額を当期の費用として処理できます。この特例が適用できるのは電子版の新聞や雑誌に限られます。
紙の新聞購読料は「物の譲渡」にあたるため、短期前払費用の特例は適用できません。電子書籍の年払は「役務提供」として契約内容次第で適用余地があります。
参考)短期前払費用まとめ - 安藤清隆税理士事務所安藤清隆税理士事…
継続適用が条件のため、「ある年は振り替える・ある年は振り替えない」という処理はできません。
購入した書籍や雑誌が事業に直接関係しない場合、他の勘定科目で処理します。
会社の休憩室に備える新聞や雑誌は、従業員の娯楽や福利厚生のために置かれているため「福利厚生費」として処理します。待合室で来客用に置く雑誌も同様に福利厚生費です。
参考)新聞図書費に経費計上できるもの・できないものを詳しく解説 -…
目的が業務か福利厚生かで判断します。
一時的に雑誌や新聞を購入する必要が出た場合や、継続的な購入ではなく金額も少額であれば「雑費」として計上します。雑費は他の勘定科目に当てはまらない少額の一時的な支出を処理するための項目です。
参考)購入した本は、すべて『新聞図書費』になるとは限らない?
研修やセミナーで使用する教材や参考書は「研修費」に該当することもあります。また、調査・研究を主目的とした購入の場合、「調査費」や「研究開発費」で処理する選択肢もあります。
参考)書籍の勘定科目は新聞図書費?その他のケースと注意点を紹介
接待のために書籍を贈答した場合は「接待交際費」で処理します。
バクラクの新聞図書費と他勘定科目の使い分け解説(福利厚生費との違いが明確に分かる)
取得価格が10万円以上の書籍や百科事典、美術全集などは、減価償却資産に該当するため新聞図書費ではなく「工具器具備品」として資産計上しなければなりません。
参考)新聞図書費
10万円未満なら損金算入できます。
資産計上後は減価償却を行います。例えば15万円の書籍を購入した場合の仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 工具器具備品 150,000円 | 現金 150,000円 |
減価償却時の仕訳は次のようになります。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 減価償却費 150,000円 | 工具器具備品 150,000円 |
青色申告を行っている中小企業者等は、少額減価償却資産の特例により、取得価格30万円未満の資産を一括で損金算入できます。この特例を使えば10万円以上の書籍も即座に経費処理が可能です。
図書券を購入してから書籍を買う場合、購入時に「貯蔵品」で処理し、実際に使用したときに新聞図書費に振り替えます。金券ショップで額面より安く購入した場合は、額面ではなく実際の購入金額で計上します。
複数の書籍をセットで購入する場合、その合計金額で仕訳を計上します。
個人事業主は法人と異なり、新聞図書費に計上できる範囲が厳しく制限されています。事業に直接的に関係のあるものに限定され、家事費と見なされるものは経費にできません。
参考)個人事業主は経費をどこまで切れる?経費にできるものや上限・メ…
例えば一般紙の新聞購読料は、事業との関連性が明確でないため原則として経費計上できません。
事業の参考部分だけ按分できます。
マーケティングのために情報誌や業界紙を購入している場合、明確な事業目的があれば新聞図書費として認められます。新聞や事業とあまり関係のない書籍の場合でも、事業の参考となった部分のみ経費として計上できます。
この区分作業を「家事按分」と呼びます。国税庁の法令解釈通達では、業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかで判定しますが、実務上は合理的な基準を設けて按分します。
参考)【税理士が徹底解説】個人事業主の経費で落ちるもの・落ちないも…
税務調査で問題とならないよう、事業との関連性を説明できる資料や購入目的のメモを残しておくことが重要です。
領収書に購入目的を書いておけばOKです。
一時的な購入で金額も少額な場合は、新聞図書費ではなく「雑費」として処理する選択肢もあります。ただし雑費の金額が大きくなると税務署から内容を問われる可能性が高まるため、継続的な購入であれば新聞図書費として独立させた方が管理しやすくなります。
弥生の新聞図書費の仕訳解説(具体的な仕訳例が豊富で実務に直結)