

雑収入計上した給付金でも益金不算入できます。
給付金を受け取ったときは、基本的に雑収入の勘定科目で処理します。これは給付金が本業の売上ではなく、営業外の臨時収入に該当するためです。
参考)給付金の仕訳に使う勘定科目まとめ
雑収入は事業に付随して発生する収入のうち、他の勘定科目に分類できない項目を処理する科目です。給付金は国や自治体からの支援であり、物やサービスの提供に対する対価ではありません。
参考)新宿税理士事務所|BIZARQ(ビズアーク)会計事務所
もし給付金の金額が大きく、後で確認しやすくしたい場合は「給付金収入」という補助科目を新設することも可能です。これは会計の明瞭性を高めるための工夫といえます。
どちらの科目を使っても税務上の扱いは変わりません。
給付金の支給が決定した時点で、まだ入金されていない場合は未収入金を使って処理します。
これは発生主義に基づく会計処理の原則です。
参考)個人事業主が補助金を受け取ったときの勘定科目と仕訳方法
具体的な仕訳は、支給決定通知書が届いた日に「借方:未収入金/貸方:雑収入」と記帳します。例えば50万円の給付金なら、未収入金50万円、雑収入50万円という仕訳です。
参考)持続化給付金、家賃支援給付金の勘定科目、仕訳、税金について
実際に入金があったときは「借方:普通預金/貸方:未収入金」で未収入金を消し込みます。この2段階処理により、支給決定と入金のタイミングのずれを正確に記録できます。
参考)給付金・協力金・助成金を受け取った時の仕訳 – …
未収入金は本業以外の債権という意味があります。給付金は事業活動の対価ではないため、売掛金ではなく未収入金を使うのが正しい処理です。
参考)給付金・協力金・助成金の勘定科目と仕訳は?課税されるの?
事業用ではなくプライベート用の口座に給付金が振り込まれた場合は、事業主借の勘定科目で処理します。
これは個人事業主特有の処理方法です。
参考)法人や個人事業主が給付金・助成金を受け取った場合の処理方法 …
仕訳は「借方:現金(または事業主貸)/貸方:事業主借」となります。事業主借は、事業主が個人的な資産を事業に投入したときに使う科目です。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-journal/support-money/
ただし、この処理が必要なのは事業に関係ない収入の場合です。事業継続や売上補填を目的とした給付金は、個人口座に入金されても事業収入とみなされるため、通常の雑収入として処理する必要があります。
参考)「給付金の勘定科目」
どちらの口座に入金されたかではなく、給付金の目的で判断します。
給付金を雑収入で計上する際、消費税の税区分は不課税(対象外)を選択します。給付金は物やサービスの提供に対する対価ではないためです。
消費税法では、国内で事業者が対価を得て行う資産の譲渡やサービスの提供が課税対象と定められています。給付金はこの要件を満たさないため、課税の対象になりません。
会計ソフトで仕訳を入力する際は、税区分を「対象外」「不課税」「非課税」などから選ぶ必要があります。間違って「課税売上」を選ぶと、消費税の申告額が狂ってしまいます。
不課税が正解です。
給付金の収益計上時期は、支給決定通知書に記載された決定日が原則です。法人税法では、収入すべき権利が確定した日の属する事業年度に収益を計上すると定められています。
支給決定の後に事業年度をまたぎ、翌事業年度に入金された場合でも、支給決定のあった事業年度に収益として計上する必要があります。例えば3月決算の会社が2月に支給決定を受け、4月に入金があった場合、2月の決算期に計上しなければなりません。
この処理を誤ると、本来の事業年度より後に収益を計上することになり、税務調査で指摘される可能性があります。
通知書の日付は必ず確認してください。
計上時期のミスは税務リスクになります。
参考)助成金の計上時期と税務会計の原則・例外を徹底解説!具体例と仕…
事業継続や売上補填を目的とした給付金は、原則として課税対象です。これらは受け取った事業者にとって事業収入とみなされ、法人税や所得税の課税対象になります。
具体的には持続化給付金、家賃支援給付金、雇用調整助成金、休業協力金などが該当します。これらは事業活動の損失を補う性質があるため、事業所得として確定申告時に計上する必要があります。
ただし消費税については、給付金は対価性がないため不課税となります。所得税・法人税は課税、消費税は不課税という組み合わせです。
税金がかかることを覚えておきましょう。
生活支援を目的とした給付金は、法令で明記された場合に限り非課税となります。所得税法では非課税となる所得が限定列挙されており、それ以外はすべて課税対象という前提です。
非課税の具体例には、特別定額給付金(一律10万円)、子育て世帯への臨時特別給付金、学生支援緊急給付金、低所得世帯への慰労金などがあります。これらは「新型コロナ税特法」や所得税法第9条などで非課税の根拠が明記されています。
学資として支給される金品、心身や資産に加えられた損害について支給される見舞金も非課税です。非課税かどうかは給付金の制度設計によって決まり、受給者が選べるものではありません。
法的根拠が不可欠です。
非課税の給付金を受け取った場合、会計上は一旦雑収入として計上します。その後、決算時に法人税の計算で益金不算入の処理を行います。
益金不算入とは、収益として計上したものの、税金計算の対象となる所得には含めないという処理です。仕訳自体は通常の給付金と同じく「借方:普通預金/貸方:雑収入」となります。
決算後の税額計算段階で、法人税申告書の別表で益金不算入の調整を行います。これにより、会計上は収益として記録されているが、税務上は所得に含まれないという状態を作り出します。
個人事業主の場合、生活支援目的で非課税の給付金は「事業主借」で処理することもあります。これは事業所得ではなく個人の収入として扱う方法です。
調整処理が必要になります。
給付金は消費税の課税対象外(不課税)のため、仕訳の税区分は「対象外」を選択します。補助金や助成金も同様に、物やサービスの提供に対する対価ではないため消費税はかかりません。
ただし注意が必要なのは、給付金で購入した物品やサービスには通常どおり消費税がかかる点です。給付金の受け取り自体は不課税でも、その資金を使った支出には消費税が発生します。
会計ソフトで入力する際、税区分を間違えると消費税申告書の金額が狂います。特に課税売上として処理してしまうと、本来より多い消費税を納めることになります。
税区分の設定ミスに注意してください。
消費税の還付金を受け取った場合は、雑収入の勘定科目で処理します。これは税金のかかる収入(所得)として扱われるためです。
参考)税金の還付金(所得税・消費税)の入金があった時の勘定科目の選…
消費税還付金が課税所得になる理由は、還付を受けた消費税が過去に経費として控除されていたからです。経費として処理した税金が戻ってくるため、収益として計上し直す必要があります。
一方、所得税の還付金は課税所得にはなりません。所得税は経費にならないため、還付されても収益にはならないという理屈です。
還付金の種類によって扱いが異なります。
国庫補助金などで固定資産を取得した場合、圧縮記帳の制度を利用できます。圧縮記帳とは、補助金相当額を固定資産の取得価額から減額し、当期の税負担を軽減する処理です。
参考)国庫補助金は圧縮記帳できる?適用要件や対象資産・会計処理を解…
圧縮記帳を行わないと、補助金を収益計上した年度に多額の税金が発生します。一方で減価償却は数年かけて費用化されるため、税負担のタイミングがずれてしまいます。
圧縮記帳により、この不均衡を解消できます。
参考)圧縮記帳とは?補助金で取得した固定資産の圧縮損処理と会計対応…
処理方法は「直接減額方式」と「積立金方式」の2種類があります。直接減額方式は固定資産の帳簿価額を直接減らし、積立金方式は圧縮積立金を純資産に計上する方法です。
どちらを選んでも税効果は同じです。
圧縮記帳を適用するには、交付年度末までに返還不要が確定している必要があります。交付決定通知を受け取っても、条件不履行で返還を求められるリスクが残っている間は適用できません。
事業の実施や成果報告が終わり、補助金の返還義務が完全に消えるまで待つ必要があります。交付年度末まで待てば、ほとんどの場合は返還不要が確定します。
また、会計帳簿で明確に費用として計上しなければ圧縮記帳は認められません。追徴課税や修正申告を求められるリスクがあるため、処理は慎重に行う必要があります。
中小企業では処理誤りによる否認例もあります。
圧縮記帳で減額できる金額には上限があり、これを圧縮限度額といいます。圧縮限度額は、補助金額と資産の取得価額のいずれか低い方となります。
例えば取得価額1,000万円の設備を、800万円の補助金で購入した場合、圧縮限度額は800万円です。一方、取得価額500万円の設備を800万円の補助金で購入した場合、圧縮限度額は500万円になります。
限度額を超えて処理すると、税務調査で否認される可能性があります。取得原価と交付決定額を確認し、正確に限度額を判断してください。
計算ミスは税務リスクです。
給付金は通常、営業外収益の雑収入として計上しますが、災害関連などの臨時的で多額な給付金は特別利益に該当する場合があります。特別損益は、例外的または異常な事象に基づき、かつ多額であることが要件です。
参考)特別損益とは?特別損失と特別利益として計上される具体例ととも…
自然災害やコロナ禍による企業への影響のように、臨時的で発生が予期できない大きな損害に対する支援は特別利益として計上されることがあります。ただし中小企業の会計指針に従う場合は、前期損益修正の科目を使うことも可能です。
特別損益は会社の当期の業務活動に関係せず、規則的また反復的に生じることのない臨時の利益や損失を指します。通常の補助金・助成金は反復性があるため、営業外収益で処理するのが一般的です。
判断基準を理解しておきましょう。
給付金の処理では、補助科目を活用した管理が業務効率化に有効です。雑収入の中に複数の給付金が混在すると、後から内訳を確認するのが困難になります。
具体的には、会計ソフトで「雑収入」の下に「持続化給付金」「雇用調整助成金」「自治体協力金」などの補助科目を設定します。これにより、試算表や総勘定元帳で給付金の種類別内訳が一目でわかります。
また、支給決定通知書や振込通知書などの証憑書類は、給付金ごとにファイリングしておくことが重要です。税務調査では、給付金の内容や計上時期を説明する根拠資料として提示を求められることがあります。
証憑管理も業務の一部です。
給付金の処理を標準化したマニュアルを作成しておくと、担当者が変わっても一貫した処理ができます。支給決定日の確認方法、仕訳パターン、税区分の設定、証憑の保管方法などを明文化してください。
属人化を防ぐ仕組みが大切です。
<参考リンク>
給付金の仕訳と勘定科目について、国税庁の見解や最新の税制改正情報を確認したい方は、以下のリンクが参考になります。
給付金の仕訳に使う勘定科目まとめ - マネーフォワード
補助金・助成金の計上時期と税務処理の詳細については、こちらが役立ちます。
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