

不自然な金額や頻度は要注意ポイントです。
税務署の視点を理解し、適切な記録と管理で指摘を回避する方法を知っておく必要がありますが、あなたの事業主借は大丈夫でしょうか?
事業主借が20%超は要注意です。
税務署は事業主借の金額に注目しています。事業規模に照らして不自然に事業主借が多いと、「これだけの資金を、どこから捻出しているのだろう?」という観点でチェックが行われるのです。
参考)事業主貸が多いと税務調査で目をつけられる?事前にできる対策も…
事業主借が多すぎる場合に疑われるポイントは2つあります。第一に、本業の売上の一部や副業などで得た他の収入を申告せず、事業主借の資金源にしている可能性です。第二に、相続や贈与で資金を得ているにも関わらず申告していない可能性を疑われます。
つまり申告漏れですね。
事業用の口座に頻繁に高額の入金があり、その都度事業主借で処理されているような場合は特に注意が必要です。事業主借の金額が事業規模から見て不自然に大きい場合、事業の収益性に問題があるのではないかと見られかねません。
参考)個人事業主の事業主貸が多い場合の問題点
事業主借とは、プライベートの資金を事業に投入した場合に使用する勘定科目です。個人の貯金を事業資金として充当したり、個人用のクレジットカードで事務用品を購入したりした際に記録します。
参考)事業主貸・事業主借とは?意味や仕訳方法、会計処理について解説…
一方、事業主貸は事業用の口座から生活費を引き出したり、事業用のクレジットカードで生活用品を購入した際に使う勘定科目です。事業用口座から国民年金保険料や所得税、住民税を支払った場合にも使用します。
事業主「から」借りると覚えれば簡単です。
税務調査では事業主貸だけでなく事業主借の金額にも注目しています。事業主借が全く無い若しくは少額の場合はそれ程大きな問題にはなりませんが、事業主借が多い場合は要注意です。
参考)税務調査で事業主貸・事業主借が多かったり、少ない場合の危険な…
| 項目 | 事業主貸 | 事業主借 |
|---|---|---|
| 定義 | 事業資金を個人に移した場合 | 個人資金を事業に投入した場合 |
| 具体例 | 生活費の引き出し、税金支払い | 個人貯金の投入、個人カードでの事務用品購入 |
| 税務調査での注意点 |
所得に対して多すぎると売上隠しを疑われる |
事業規模に対して多すぎると申告漏れや贈与を疑われる |
事業主貸や事業主借が頻繁に発生したり、多額になったりしている場合は、税務署から資金管理の適正性を疑われるリスクがあります。事業主貸や事業主借が発生する頻度が多すぎると、「資金管理がいい加減なのでは?」と税務署にネガティブな印象を与えてしまい、税務調査で不利になりかねません。
一般的に、事業主貸の割合が20%を超えると、税務署から注目されやすくなると言われています。例えば、年間の事業収入が1,000万円で、事業主貸が200万円だった場合、事業主貸の割合は20%になります。
これは一つの基準です。
年間の所得が300万円なのに、事業主貸が500万円もあるような場合は特に問題視されます。このようなケースでは、税務署から「事業主貸以外にも所得があるのではないか」と疑われる可能性が高くなります。
事業規模に応じた適切な金額設定が重要ということですね。
事業主借が発生した場合は、その理由と資金源を明確に記録しておくことが大切です。具体的には、どこから資金を調達したのかを明確にする必要があります。
どこかでお勤めしていた時の貯金があるとか、相続で遺産を受け継いだ等でプライベートの口座にしっかりとしたお金がある場合は、その旨を調査官に説明すれば大丈夫です。しかし、しっかりとした貯金がある等の明確な理由がない場合は問題になります。
記録が証拠になります。
事業主借の理由としては、例えば「事業用の資金が一時的に不足したため」「個人的な支出が先に必要だったため」などが考えられます。また、資金源については、具体的な出所を記録しておく必要があります。
📝 記録すべき項目
事業主貸の税務調査対策について詳しく解説している参考リンクです
個人用と事業用のそれぞれで銀行口座やクレジットカードを使い分けることで、事業主貸や事業主借の頻度や金額を少なく抑えることができます。開業したばかりの人が最初にやるべきは、事業用と個人用の銀行口座を完全に分けることです。
参考)事業主貸が多いと税務調査が来る!?融資も通らない危険な理由【…
これが基本中の基本です。
Excelなどで簡易的な管理表を作り、月ごとに「事業用の入出金」と「プライベートの入出金」を色分けして記録する方法もあります。これを基に、月末に事業主貸の合計金額を計算して会計ソフトに入力すれば、一定の精度を保てます。
毎月25日に20万円など、定期的に引き出す場合でも、その都度「借方:事業主貸/貸方:普通預金」として仕訳を切ります。個人事業主が自分に支払うお金は給料ではないため、必ず事業主貸として処理してください。
事業主貸・事業主借の残高がどう変動しているかを定期的にチェックし、貸借対照表との整合性を図ります。勘定科目の残高が合わないと、確定申告の際に修正が必要になったり、税務調査で疑義を招く可能性があるからです。
参考)事業主貸と事業主借を正しく使い分けるには?仕訳例でわかりやす…
💡 口座管理のポイント
事業主貸が多いと、資金繰りが不安定と判断され、融資の可否や金利に影響が出ます。逆に、記録が丁寧で資金繰りが安定していれば信用度が高まり借入が有利になります。
参考)【事業主貸 多いとどうなる】税務調査・帳簿のズレ・仕訳ミスの…
融資にも影響するんですね。
事業主貸が多すぎたり、仕訳の誤りが原因で元入金が不自然な数値になっていると「事業のお金と個人のお金の管理が甘い」と判断されることがあります。その結果、融資の審査でマイナス評価となり、希望額が借りられなかったり金利条件が悪くなるケースもあります。
借入金月商倍率という指標があり、一般的な目安としては月商の3倍までが健全な借入限度といわれています。借入過大の状態ではないか、決算書から簡単に確認できますので注意するようにしましょう。
参考)https://www.stsk.co.jp/useful/about_repayment/3321/
事業用の資金を借りるときの計画も重要です。
🏦 融資審査で見られるポイント
税務調査での事業主貸・事業主借の注意点について具体的な事例を交えて解説している参考リンクです