

部門管理が無いと赤字部門を見逃します
ソリマチ株式会社は、個人事業主から中小法人まで幅広く対応した会計ソフトを提供しています。主要製品は「みんなの青色申告」と「会計王」の2つです。
参考)ソリマチの会計ソフトってどうなの?個人事業主向けに解説
個人事業主で確定申告のみを行う場合は、税込10,780円の「みんなの青色申告」が適しています。帳簿付けから青色申告・白色申告まで対応し、消費税申告書の作成も可能です。一方、法人決算が必要な場合や複数部門での管理を行う企業には、税込44,000円の「会計王」が推奨されます。
どちらを選ぶかは事業形態で決まります。
両製品ともWindows専用のインストール型ソフトで、Macでは利用できません。導入を検討する際は、まず使用するパソコンのOSを確認する必要があります。また、どちらも買い切り型ですが、税制改正に対応するためには年間保守サービス「バリューサポート」への加入が実質的に必須となります。
初年度は最大15ヶ月間無料でバリューサポートを利用できますが、2年目以降は年額6,600円(みんなの青色申告)または33,000円(会計王)が必要です。
会計王の最大の特徴は、標準で部門管理機能が搭載されている点です。最大10階層まで部門を設定でき、複数部門をグループ化しての集計・分析が可能です。
参考)https://kakaku.com/pc/account-soft/itemlist.aspx?pdf_ma=133
部門別会計を導入すると、会社全体では黒字でも特定の部門で赤字が発生している状況を明確に把握できます。たとえば複数の支店や事業部を持つ企業では、どの拠点が利益を生み出し、どこが足を引っ張っているのかが一目瞭然になります。赤字部門を早期に発見できれば、経営資源の再配分や事業撤退の判断をタイムリーに行えます。
つまり経営判断の精度が上がります。
弥生会計で同等の部門管理機能を使うには上位版の「弥生会計プロフェッショナル」が必要になるため、部門別管理を重視する企業にとって会計王はコストパフォーマンスに優れた選択肢です。個人事業主でも複数の業種や収入源がある場合は、部門別会計の導入が推奨されます。
ソリマチの会計ソフトは自動仕訳機能を搭載していますが、使い勝手には注意が必要です。銀行口座やクレジットカードのWeb明細を自動取得する際、「MoneyLink」という別ソフトを併用する必要があります。
この仕組みには2つの大きな制約があります。1つ目は、Web明細の同期がパソコン起動中しか行われない点です。2つ目は、1ヶ月を過ぎた古い明細は同期できなくなる点です。
これは業務効率に影響します。
たとえば出張や休暇で1ヶ月以上パソコンを起動しなかった場合、その期間の取引明細を手動で入力しなければなりません。クラウド型の競合製品(freee会計やマネーフォワード クラウド)では、常時バックグラウンドで明細を取得するため、このような制約はありません。
会計王とみんなの青色申告は、国内99%の金融機関やクレジットカードの明細取込に対応しています。対応金融機関の数では他社製品に引けを取りませんが、同期の仕組み自体に構造的な弱点があるため、頻繁に取引を記帳する企業では使いにくさを感じる可能性があります。
参考)会計王とは?導入のメリット・デメリットや価格について解説
自動仕訳を重視する場合は、クラウド型会計ソフトとの比較検討が賢明です。たとえば「やよいの青色申告 オンライン」は初年度無料で年額11,330円から、「マネーフォワード クラウド」は年額10,560円から利用でき、どちらもレシート撮影による自動仕訳にも対応しています。
ソリマチの会計ソフトは買い切り型ですが、実際には継続的な費用が発生します。みんなの青色申告は本体価格が税込10,780円、会計王は税込44,000円です。
これに加えて年間保守サービス「バリューサポート」の費用が必要になります。バリューサポートに加入すると、電話・メール・チャットでのサポート、最新版へのアップグレード、クラウドストレージ、電子帳簿保存BOXが利用できます。初年度は最大15ヶ月間無料ですが、2年目以降はみんなの青色申告で年額6,600円、会計王で年額33,000円がかかります。
バリューサポートは任意ですが、確定申告書の様式は頻繁に変更されるため、実質的には加入が必須と考えるべきです。たとえば3年間使用した場合、みんなの青色申告の総コストは税込23,980円(初年度10,780円+2年目以降6,600円×2年)になります。会計王なら税込110,000円(初年度44,000円+2年目以降33,000円×2年)です。
結局、毎年お金がかかります。
クラウド型会計ソフトと比較すると、料金面での優位性は限定的です。やよいの青色申告オンラインは初年度無料で2年目以降年額11,330円、マネーフォワード クラウドは年額10,560円から利用できます。3年間の総コストで比較すると、やよいオンラインは22,660円、マネーフォワードは31,680円となり、みんなの青色申告とほぼ同水準です。
ただしクラウド型はMacでも使えて、スマホアプリやレシート撮影機能も充実しているため、機能面ではクラウド型のほうが優位性があります。長期的なコスト試算と機能比較を行い、自社の業務スタイルに合った製品を選ぶことが重要です。
ソリマチ公式サイトでは、各製品の詳細な機能比較や無料体験版のダウンロードが可能です。導入前に実際の操作感を確認することをおすすめします。
電子帳簿保存法への対応は、税務担当者にとって避けて通れない課題です。ソリマチの製品では、みんなの青色申告と会計王が電子帳簿保存法に対応しています。
両製品とも「優良な電子帳簿」の保存要件を満たしており、青色申告特別控除65万円の適用が可能です。JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)の認証も取得しており、税法で要求される要件をクリアしていることが第三者機関によって証明されています。
これは信頼性の証明です。
バリューサポートに加入すると、「電子帳簿保存BOX」が利用できます。このツールを使えば、請求書やレシートなどをクラウド上に電子保存できます。電子帳簿保存法の詳細な知識がなくても、システムに従って保存するだけで法令要件を満たせる仕組みになっています。
特に重要なのは電子取引データの保存です。2024年1月から、メールで届いた請求書などの電子取引データは、電子データのまま保存することが義務付けられています。電子帳簿保存BOXを導入すれば、個人事業主でも簡単にこの要件をクリアできます。
一方、スマホ会計FinFinは電子帳簿保存法に対応していません。帳簿をPDF形式で出力し、紙にプリントアウトして保存する必要があります。白色申告なら5年、青色申告なら7年の保存義務があるため、スマホアプリの利点が十分に活かされていない状況です。
電子帳簿保存法対応を重視する場合は、みんなの青色申告または会計王を選択し、バリューサポートに加入して電子帳簿保存BOXを活用するのが確実な方法です。
国税庁の電子帳簿保存法Q&Aには、実務上の疑問点に対する詳細な回答が掲載されています。法令解釈で不明な点がある場合は、こちらを参照すると良いでしょう。