

チャージしたら全額が経費になると思ってませんか?
2026年現在、日本国内のキャッシュレス決済比率は年々上昇を続け、税務担当者にとっても電子マネーは業務上欠かせない決済手段になっています。しかし、単に普及率が高いサービスを選ぶだけでは不十分です。
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税務担当者が電子マネーを選ぶ際には、還元率・記帳処理のしやすさ・税務調査時の証明能力の3点を重視する必要があります。例えば、PayPayやd払いは利用履歴がアプリ内で確認でき、CSV形式でダウンロードも可能なため、帳簿との照合が容易です。
一方で、交通系ICカードのSuicaやPASMOは、利用履歴が直近26週間分しか保存されないという致命的な弱点があります。税務調査は過去3年〜7年分の資料を求められることがあるため、履歴が消える電子マネーは証拠能力に欠けます。
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これは大きなリスクです。
税務処理の観点では、プリペイド方式(事前チャージ型)よりもポストペイ方式(後払い型)の方が仕訳の手間が少なくなります。クレジットカード連携のQUICPayやiDなら、チャージ不要で支払時と引き落とし時の2回の仕訳で完結するためです。
2026年最新の電子マネーランキングでは、利便性とポイント還元率の両面から評価が行われています。1位は東日本旅客鉄道のSuicaで、鉄道・バス・買い物など多用途で利用可能な点が高評価です。対応店舗数は約226万店と国内最大級の規模を誇ります。
2位はPayPayで、QRコード決済としての加盟店の多さが最大の強みです。基本還元率は0.5%〜1.0%ですが、前月の利用状況に応じて最大2.0%まで上昇する仕組みがあります。スマホやApple Watchでの支払いが可能で、決済履歴もアプリ内で一元管理できます。
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3位は楽天Edyで、チャージ時と支払時の両方で楽天ポイントが貯まるダブルポイント制度が特徴です。電子マネー方式のため、据え置き型端末での決済がスムーズで、対応店舗は約50万店に及びます。
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4位の楽天ペイは、楽天キャッシュ払いで最大1.5%還元を狙える点が魅力です。SuicaとはPayPayカードゴールド、d払い、au PAYとも連携可能で、一つのアプリで交通系ICと買い物決済を使い分けられます。
5位のd払いは、dアカウントがあればドコモユーザー以外も利用できる汎用性の高さが評価されています。バーコード決済とクレジットカード決済の両方に対応し、スマホ型端末で手軽に決済が完了します。
電子マネーの経費処理は、支払方式によって仕訳のタイミングと勘定科目が大きく異なります。税務担当者が最も注意すべき点は、「チャージ=経費」ではないということです。
プリペイド方式の場合、現金をチャージした時点では「預け金」または「前払金」として資産計上します。例えば、Suicaに5,000円をチャージした場合の仕訳は以下の通りです。
借方:預け金 5,000円 / 貸方:現金 5,000円
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実際に電子マネーで商品やサービスを購入した時点で、初めて経費として計上します。例えば、チャージ済みの電子マネーでタクシー代3,000円を支払った場合は次のようになります。
借方:旅費交通費 3,000円 / 貸方:預け金 3,000円
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つまり2段階の処理が必要です。
ポストペイ方式の場合は、支払時に「未払金」として負債計上し、後日の引き落とし時に未払金を消去する流れになります。QUICPayやiDなどのクレジットカード連携型がこれに該当します。
支払時の仕訳:借方:旅費交通費 3,000円 / 貸方:未払金 3,000円
引き落とし時の仕訳:借方:未払金 3,000円 / 貸方:普通預金 3,000円
なお、個人用クレジットカードと紐づいた電子マネーで事業経費を支払った場合は、「事業主借」勘定で処理します。この場合、引き落としは個人口座で行われるため、事業帳簿上は支払時の仕訳のみで完結します。
店舗やサービスで電子マネー決済を受け付けている事業者の場合、入金処理にも注意が必要です。電子マネーでの売上は、入金までにタイムラグがあるため、現金売上とは異なる処理を行います。
商品を5,000円で販売し、顧客が電子マネーで決済した時点では、まだ現金は手元に入っていません。
この段階では「売掛金」として計上します。
借方:売掛金 5,000円 / 貸方:売上 5,000円
後日、電子マネー事業者から入金があった時点で、売掛金を回収したという仕訳を行います。
借方:預金 5,000円 / 貸方:売掛金 5,000円
利用可能な電子マネーが複数ある場合は、摘要欄にサービス名を記載しておくと、入金時の照合がスムーズです。例えば「売掛金(PayPay)」「売掛金(楽天ペイ)」のように補助科目を設定する方法もあります。
決済手数料が差し引かれる場合は、手数料分を「支払手数料」として別途計上する必要があります。例えば、売上5,000円に対して手数料が3%の場合、実際の入金額は4,850円になります。
この場合の仕訳は以下の通りです。
借方:預金 4,850円、支払手数料 150円 / 貸方:売掛金 5,000円
税務調査において、電子マネー関連で指摘を受けるケースが近年急増しています。国税庁は2024年の改正を機に電子決済事業者への照会を強化し、キャッシュレス決済データの調査件数は前年比で大幅に増加しました。
最も多い指摘事例は、「チャージ時に全額を経費計上している」というミスです。Suicaなどの交通系ICカードに3万円をチャージした際、その全額を「旅費交通費」として計上してしまうケースがあります。しかし実際には、チャージは現金を電子マネーに代えただけで、まだ経費は発生していません。
経費になるのは使った時点です。
2つ目の落とし穴は、Suicaの利用履歴が26週間(約半年)で消えてしまうため、税務調査時に証明できないという問題です。調査官から「この旅費交通費の内訳を示してください」と言われても、履歴が残っていなければ経費として認められない可能性があります。
対策としては、定期的に利用履歴をスクリーンショットやPDF保存しておくことが重要です。また、「Suica=交通費」と決めつけず、コンビニでの買い物など事業と関係ない支出が混在していないかも確認が必要です。
3つ目は、チャージ時と支払時の両方で経費計上してしまう二重計上の問題です。これは単なるミスではなく、意図的な場合は脱税行為と判断される可能性があります。プリペイド方式では、チャージ時は「預け金」、支払時に「経費」という2段階処理を徹底しましょう。
税務署は電子決済事業者に対して取引履歴の開示を求めることができるため、申告漏れや過少申告はすぐに発覚するリスクがあります。PayPayやd払いなど、取引データがサーバー上に残る決済手段は、特に透明性が高いです。
税務担当者にとって、電子マネーとクレジットカードを組み合わせることで、ポイント還元率を最大化しつつ、記帳処理の手間を減らすことが可能です。ポイント二重取りの仕組みを活用すれば、実質的なコスト削減につながります。
最も高還元率を狙えるのは、楽天カードと楽天ペイの組み合わせです。楽天カードから楽天キャッシュにチャージし、楽天ペイで支払うことで最大1.5%の還元が得られます。さらに楽天ポイントカード提示店では、提示分のポイントも加算されるため、実質還元率は2%を超えることもあります。
交通系ICカードでは、ビューカードとモバイルSuicaの連携が最強です。ビュー・スイカカードからSuicaにチャージすると1.5%還元となり、通常のクレジットカードチャージ(0.5%)の3倍のポイントが貯まります。
参考)【ジャンル別】還元率が高い電子マネーランキング 選び方・比較…
PayPayでは、PayPayカードゴールドを利用することで最大7%還元を実現できます。ヤフーショッピングやソフトバンク系サービスとの併用で還元率がアップする仕組みです。
これらは使い分けが鍵です。
法人や個人事業主の場合、経費精算の効率化も考慮すべきです。ポストペイ方式の電子マネーなら、クレジットカードの利用明細と電子マネーの支払履歴が自動で紐づくため、二重入力の手間が省けます。
参考)法人で使える電子マネー7選!機能・メリット・注意点から選び方…
一方で、高還元率を追求しすぎて複数のサービスを併用すると、記帳処理が煩雑になるデメリットもあります。税務担当者としては、還元率2%以内であれば、処理のしやすさを優先した方が結果的に業務効率は上がるでしょう。
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