

電子決済導入時の手数料、実は全額経費になりません。
電子決済とキャッシュレス決済は同じ意味で使われることが多いですが、厳密には範囲が異なります。キャッシュレス決済は、現金を使わない決済手段の総称を指し、小切手や手形などもキャッシュレスには一応含まれます。一方、電子決済はデジタル化したお金で決済する方法を指します。
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つまり電子決済はキャッシュレス決済の一種です。
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電子決済には、クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済、デビットカード決済などが含まれます。これらはすべて電子的なデータのやりとりによって決済を処理するシステムです。オンラインバンキングを利用した銀行振込も電子決済と呼ばれることがあります。
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実務上は両者を区別せず使用するケースがほとんどです。税務担当者としては、決済手段の技術的な違いよりも、会計処理や税務上の取扱いに注目することが重要になります。
電子決済には大きく分けて5つの種類があります。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済、デビットカード、プリペイドカードです。それぞれ支払いタイミングが異なり、前払い(プリペイド型)、即時払い(デビット型)、後払い(ポストペイ型)の3タイプに分類されます。
電子マネー決済は、ICチップが内蔵されたカードやスマートフォンを端末にかざすだけで決済が完了します。Suica、PASMO、WAON、nanacoなどが代表例です。サインや暗証番号の入力が不要で、会計をスピーディーに済ませられるのが特徴です。
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QRコード決済は、スマートフォンのアプリを使ってQRコードを読み取り決済を行います。PayPay、LINE Pay、楽天ペイ、au PAYなどがあり、ポイント還元キャンペーンが充実している点が魅力です。電子マネーと比べると決済処理がやや遅めですが、スマホ1台で完結する手軽さがあります。
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クレジットカード決済は、与信審査が必要な後払い方式です。高額商品の購入にも対応でき、幅広い年齢層に利用されています。ただし、10~20代のユーザーは与信審査がない電子マネーやQRコード決済を好む傾向があります。
電子決済を導入すると、売上が立った日と入金日が異なるため「未収金」として管理する必要があります。また、入金額は売上金そのものではなく決済手数料を差し引いた金額になるため、差額を「支払手数料」として計上しなければなりません。この時間差と手数料が会計処理の難しさを生む原因です。
プリペイド方式の電子マネーでは、チャージ時と利用時の2回に分けて処理を行います。チャージ時点では経費が発生しないため一旦「仮払金」で計上し、実際に商品を購入した際に「仮払金」を崩して適切な勘定科目で仕訳します。
ポストペイ方式の電子マネーは、利用時と口座引き落とし時の両方で会計処理が必要です。利用時には「未払金」で処理し、口座引き落とし時に支払処理をして未払金を消去します。プリペイド方式よりも処理回数が多くなります。
キャッシュレス決済では半月ほどのタイムラグが生じるため、未収金の計上が必須です。
タイムラグが原因です。
消費税については特に注意が必要です。手数料が「課税対象」となるか「非課税」となるかは、利用する決済手段や代行業者の性質によって異なります。課税区分を誤ると、税務申告時に余計な追徴リスクを抱えることになります。
法人税や所得税の観点では、キャッシュレス決済に伴う手数料は費用になるためコストが増え、結果的に所得が小さくなる影響があります。手数料率とその課税区分(課税または非課税)、振込サイクル(週単位・月単位など)、明細提供方法(紙・CSV・APIなど)を事前に確認しておく必要があります。
契約書や請求書の保管と消費税区分の管理は、税務調査対応の観点からも極めて重要です。2020年10月から施行された電子帳簿保存法により、一定の要件を満たすキャッシュレス決済の利用明細を領収書代わりとして保存できるようになりました。
紙の領収書に比べて紛失のリスクが減り、経費精算にかかる書類作成の負担も削減できます。明細の保管形式を整理することで、税務調査時の対応もスムーズになります。
キャッシュレス決済の導入には、導入時の費用や手間、毎月の利用料・手数料負担がある点がデメリットです。また、災害時やシステム障害時に利用できなくなる恐れがあり、売上の現金化に時間がかかる点も考慮する必要があります。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-trend/introduction-of-cashless-payment/
一方、レジでの売上金や釣り銭の管理業務が減り、現金の盗難を防げるメリットもあります。会計業務の効率化により、レジ締め作業の手間が大幅に削減され、代金未回収リスクも軽減できます。
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クラウド会計ソフトとの連携を検討すると、銀行口座やクレジットカードを同期して出入金を自動入力できます。家計簿感覚でできる帳簿付けが可能になり、確定申告時には税額控除の金額を自動算出してくれます。e-tax(電子申告)対応でオンライン申告も可能です。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-trend/cashless-tax/
導入前には契約内容を細かく確認しましょう。特に手数料率、振込サイクル、明細提供方法は後々の経理処理に大きく影響します。導入後は定期的に取引記録を確認し、申告漏れのリスクを防ぐことが重要です。データの透明性が高まる分、申告漏れのリスクも高まることを認識しておく必要があります。