電気代勘定科目 個人事業主が知るべき仕訳と按分の正しい計上方法

電気代勘定科目 個人事業主が知るべき仕訳と按分の正しい計上方法

電気代勘定科目 個人事業主の経費計上と按分

電気代を全額経費にすると追徴課税のリスクがあります。


この記事のポイント
💡
電気代の勘定科目は水道光熱費

個人事業主は按分した金額のみ「水道光熱費」として経費計上し、残りは事業主貸・事業主借で処理します

📊
按分比率は合理的な基準で決める

使用時間・日数、コンセント数、使用面積など、客観的に説明できる根拠を残すことが重要です

⚠️
全額計上は税務調査で否認される

自宅兼事務所の電気代を100%経費にすると、調査時に根拠不足で大半が否認され追徴課税となります

電気代は水道光熱費として計上する勘定科目


個人事業主が事業に使用した電気代は「水道光熱費」の勘定科目で経費計上します。事業専用の事務所であれば全額を経費にできますが、自宅兼事務所の場合は家事按分が必要です。


つまり按分が必須です。



参考)https://u-power.jp/sdgs/future/000464.html


仕訳では按分した金額を水道光熱費に、残りを事業主貸または事業主借で処理します。事業用口座から支払った場合は「水道光熱費/普通預金」と「事業主貸/普通預金」の両方を記載します。プライベート口座からの支払いなら「水道光熱費/事業主借」のみで完結です。


参考)電気代の勘定科目は個人事業主なら何?どこまで経費計上できる?…


たとえば月15,000円の電気代のうち50%を事業利用とした場合、事業用口座からの支払いでは「借方:水道光熱費7,500円・事業主貸7,500円/貸方:普通預金15,000円」と仕訳します。一方、プライベート口座からの支払いは「借方:水道光熱費7,500円/貸方:事業主借7,500円」のみです。

家賃に電気代が含まれる契約では、水道光熱費として分けず「地代家賃」で一括処理します。この場合は按分後の経費算入額全体を地代家賃勘定に記入し、水道光熱費の科目は使いません。


参考)税理士ドットコム - [計上]水道光熱費込みの家賃の勘定項目…


白色申告でも青色申告でも、按分して計上できる経費に上限はありません。必要な費用であれば合理的な基準で按分し、いくらでも経費計上できます。


参考)白色申告・青色申告での経費について【まとめ】- 個人事業主の…

個人事業主が電気代を按分する計算方法

按分比率を決める方法は大きく分けて「使用時間と日数」「コンセント数」「使用面積」の3つがあります。どの方法も合理的な説明ができれば認められますが、税務調査に備えて根拠を記録しておくことが重要です。


使用時間による計算が一般的ですね。



参考)家事按分の割合とは?個人事業主が知っておくべき按分の計算方法…


📌 使用時間・日数で計算する方法
1日の業務時間と週の労働日数から按分率を求めます。たとえば1日5時間・週5日間働く場合、1週間の業務時間は25時間です。1週間の総時間168時間(24時間×7日)で割ると、按分率は約15%になります。


参考)家事按分を正しく適用!個人事業主が知っておきたい経費計上の方…

月の電気代15,000円なら、15,000円×0.15=2,250円が経費として計上できる金額です。この計算式は時間ベースで明確に説明できるため、税務署にも受け入れられやすい方法といえます。


別の例では、1日7時間・週6日=42時間を業務に使う場合、42時間÷168時間=0.25となり、月1万円の電気代なら2,500円を経費計上できます。使用時間が多いほど按分比率も高まりますが、不自然に高すぎると調査時に疑われる可能性があります。


📌 コンセント数で計算する方法
業務で使用するコンセントの差し込み口の数を基準にする方法もあります。自宅全体のコンセント数に対し、業務専用で使う口数の割合を算出します。たとえば自宅に20口あり、そのうち5口を業務に使うなら按分率は25%です。


参考)【確定申告シリーズ】家賃に車、水道光熱費…個人事業主はどこま…


この方法はシンプルで記録も簡単ですが、実際の電力消費量を反映しにくい点に注意が必要です。業務用の機器が高消費電力のPCやサーバーなら、コンセント数だけでは過小評価になる恐れがあります。

📌 使用面積で計算する方法
自宅の総面積に対する業務スペースの割合で按分する方法です。たとえば総面積60㎡のうち仕事部屋が15㎡なら、按分率は25%となります。この方法は家賃の按分と同じ基準を使えるため、一貫性が保ちやすいメリットがあります。


参考)白色申告での家事按分のやり方は?割合の設定と計算方法 - 確…


ただし電気は部屋単位ではなく時間や機器によって消費量が変わるため、面積基準だけでは実態とずれる可能性もあります。使用時間との併用や、主要機器の消費電力を加味した補正を行うとより正確です。

按分比率を決めたら、電気使用量の記録や業務時間のメモなど、根拠となるデータをしっかり整理しておきましょう。税務調査では「どの程度事業で使っているか」を説明できないと、経費の大半を否認されるリスクがあります。


これは必須です。



freee会計|電気代の勘定科目は水道光熱費? 個人事業主が経費にする方法や按分方法を解説
按分方法の具体例と注意点が詳しく紹介されています。


電気代の仕訳で使う事業主貸と事業主借の違い

事業主貸と事業主借は、個人事業主特有の勘定科目で、プライベートと事業の資金の流れを記録するために使います。電気代の仕訳では、どちらの口座から支払ったかで使い分けが必要です。


使い分けが基本です。



参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-journal/electric-bill/


✅ 事業主貸の使い方
事業用口座から電気代を支払い、その中にプライベート部分が含まれる場合に使います。たとえば電気代50,000円のうち20,000円が事業用、30,000円がプライベート用なら、「借方:水道光熱費20,000円・事業主貸30,000円/貸方:普通預金50,000円」と仕訳します。


参考)個人事業主が水道光熱費を経費にするには?勘定科目や仕分けにつ…


事業主貸は、事業資金からプライベートな支出を行った場合に用いる科目です。これにより事業の損益計算から私用分を除外し、正確な経費だけを計上できます。事業用資金の売上がプライベート口座に入金された際にも使います。

✅ 事業主借の使い方
プライベート口座から電気代を支払った場合に使います。この場合は普通預金の残高まで記載する必要がなく、経費になる部分だけを仕訳します。たとえば50,000円の電気代のうち20,000円が事業用なら、「借方:水道光熱費20,000円/貸方:事業主借20,000円」とシンプルに記録します。

事業主借は、プライベート資金で事業関連の支払いをした場合に使う科目です。事業とプライベートの資金の境界を明確にし、どちらの財布から出たかを記録できます。

両者の使い分けを間違えると、事業の現金収支が正しく記録されず、確定申告時に混乱を招く可能性があります。支払い元の口座を確認し、適切な科目を選びましょう。


この確認が重要です。



個人事業主が電気代を全額経費にできないケース

自宅兼事務所の電気代を全額経費にすることはできません。家事按分を用いて、事業に使用した割合のみ経費として計上する必要があります。


全額計上は禁止です。



参考)領収書がない電気代でも確定申告は可能!証明方法と経費計上のコ…


税務調査では家事按分がチェックされやすい項目の一つです。納税者が恣意的に按分率を操作して経費を過大計上する可能性があるためです。特に「ほぼ全額」を経費にしている場合、合理的な説明がなければ経費の大半を否認される可能性があります。


たとえば電気代を100%経費計上しているのに、実際には家族が同居し生活用にも使っている場合、税務署は「事業利用分だけでなくプライベート分も含まれている」と判断します。根拠なく全額を費用計上すると、追徴課税のリスクが高まります。

按分の基準があいまいだと、税務調査で否認されるだけでなく、以降の調査でもチェック対象になりやすくなります。「どのくらい事業で使っているか」を客観的な事実から説明できることが求められます。


これが条件です。



携帯電話やインターネット関連費用も同様で、仕事とプライベートの両方で使う場合、全額経費計上は認められません。家族の利用や私用通話が含まれていれば、事業利用分のみが認められます。

按分の妥当性を示すため、電気代の使用量、業務時間のメモ、コンセント使用記録など、根拠となるデータをしっかり整理しておきましょう。「妥当な基準で割合を決める」「記録や資料を残す」「全額経費計上は避ける」といったポイントを意識することで、追徴課税のリスクを減らせます。


大蔵会計事務所|家事按分の失敗が思わぬ追徴課税につながるケース
税務調査での否認事例と対策が具体的に解説されています。


電気代の領収書がない場合の確定申告対応

電気代の領収書がなくても確定申告は可能です。クレジットカード明細や出金伝票を活用して記録を補完することが必要です。


領収書は必須ではありません。



電力会社から適格請求書が発行されない場合は、代替手段で証明します。クレジットカード払いなら明細書に電気代の項目が記載されているため、それを証拠として保存しましょう。


銀行振込なら通帳明細が記録として使えます。



参考)電気代を経費計上して節税につなげよう!個人事業主の光熱費活用…


出金伝票は、領収書がない経費の記録に使う補助手段です。電気代の支払日、金額、支払先を記入し、クレジットカード明細や通帳記録と照合できる状態にしておくと安心です。


これにより経費算入の正当性を保てます。



未対応の事業者との取引については、税務署に相談することで適切な対応が可能です。按分の根拠となる使用面積や業務時間の記録も併せて整理しておけば、調査時にスムーズに説明できます。

書類管理が甘いと、経費算入の正当性が疑われる原因になるので注意してください。通帳明細やカード明細は最低でも7年間保存する義務があります。


書類の保存が義務です。


電気代の按分比率が高すぎる場合の税務調査リスク

按分比率が不自然に高いと、税務調査で重点的にチェックされます。たとえば自宅兼事務所で家族と同居しているのに、電気代の90%を事業用として計上していると「プライベート分が含まれているのではないか」と疑われやすくなります。


高すぎる比率は危険です。



税務署は家事按分の合理性を厳しく見ます。事業利用の実態と按分比率が大きく乖離している場合、「恣意的に按分率を操作して経費を過大計上している」と判断され、経費の大半を否認される可能性があります。


たとえば1日の業務時間が3時間程度なのに、電気代の70%を経費計上していると整合性が取れません。1日3時間・週5日なら按分率は約9%(15時間÷168時間)が妥当で、それを大幅に超える計上は根拠を求められます。

按分の基準として「事業:私用=7:3」など、客観的な事実から合理性を示すことが求められます。使用時間の記録、コンセント数の実測値、業務用機器のリストなど、具体的なデータを残しておくことが重要です。


これが対策になります。



按分比率を決める際は、他の経費(家賃、通信費など)との一貫性も意識しましょう。家賃は面積比で30%なのに電気代だけ70%では説明がつきません。各経費で同じ基準を使うか、違う基準を使う場合はその理由を明確にしておくと安心です。

調査で否認されると追徴課税だけでなく、以降の調査でもチェック対象になりやすくなります。妥当な割合を設定し、記録を残すことで、長期的に税務リスクを減らせます。

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