

出金伝票だけでは経費として認められません。
参考)【領収書紛失の救世主】出金伝票で経費にする完全マニュアル|書…
出金伝票は、個人事業主が現金で事業関連の支出を行った際に作成する記録書類です。
領収書が発行されない支払いや、領収書を紛失してしまった場合に使います。具体的には、電車やバスなどの公共交通機関を利用した交通費、取引先へのお祝いや香典といった慶弔費、自動販売機での購入、割り勘での飲食代などが該当します。
参考)https://kigyou-kyoukasyo.com/tax/shukkindenpyou-kakikata/
領収書を紛失し再発行もできない状況では、出金伝票を記入することで経費として認められることがあります。破損や文字のかすれで領収書の内容が読み取れないときも同様に対応できます。
参考)出金伝票とは?経理処理に使える書き方や注意点を解説 - 経理…
ただし、出金伝票は支払った本人が作成できるため、領収書よりも証拠能力は低くなります。国税不服審判所の裁決でも、客観的な裏付け資料がない現金支出の経費性が否定された事例があります。
つまり裏付けが不可欠です。
出金伝票には法的に定められた書式はありませんが、取引実態がわかるように6つの項目を記入する必要があります。
参考)出金伝票の書き方|勘定科目一覧や交通費をまとめて書く方法を解…
1つ目は日付です。現金を支払った実際の日付を記載し、出金伝票の作成日ではありません。2つ目は支払先で、現金を支払った店舗名や会社名を正確に記入します。3つ目は勘定科目で、旅費交通費や消耗品費など、その支出がどの費用に該当するかを明記します。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/payment-slip/
4つ目は摘要欄で、支出の目的や内容を詳しく記載します。5つ目は金額で、支払った正確な金額を記入します。6つ目は起票者で、伝票を作成した人の名前を記入するか押印します。個人事業主本人が経理をしている場合、押印は特に必要ありません。
参考)【出金伝票の書き方6ポイント】出金伝票は誰でも簡単に作れます…
手書きでもPC入力でも問題ありませんが、上記の6項目が記載されていることが重要です。修正液の使用は禁止し、修正箇所には訂正印を押すルールを設けると良いでしょう。
参考)出金伝票とは?書き方や使用するケース、経理処理する際の注意点…
交通費を出金伝票に記入する際は、勘定科目に「旅費交通費」と記載します。
摘要欄には、移動した経路がわかるように往復した駅名を書きます。例えば「○○駅~××駅(往復)」という形式で記入し、さらに「△△社 打ち合わせ」のように、どこにどういった目的で向かったのかを明確にします。
金額欄には実際に支払った運賃を記入します。日付は電車やバスを利用した当日の日付を書き、支払先は「JR」「私鉄○○線」「△△バス」など具体的な交通機関名を記載します。
公共交通機関の運賃は3万円未満の場合、インボイス制度でも特例が認められており、出金伝票での記録が有効です。移動手段とルートを細かく記載しておくと、後から確認する際にも便利です。
参考)出金伝票の書き方とは?記入例や領収書との違いも紹介|「楽楽精…
消耗品費を記入する場合、勘定科目に「消耗品費」と記載し、摘要欄には何の備品をどれくらい購入したかを具体的に書きます。
例えば「A4コピー用紙 5束」「ボールペン 黒10本」といった形で、誰が見ても支出の内容が一目でわかるようにすることが重要です。曖昧な記述を避け、具体的な事項や用途を記載しましょう。
参考)出金伝票とは?出金伝票を利用できる場面や書き方、注意点を解説…
接待交際費の場合、勘定科目に「接待交際費」と記載し、摘要欄には接待に参加した人の氏名や会社名、会合の趣旨などを記録します。例えば「△△株式会社 □□部長 食事会(新規取引先打ち合わせ)」といった形式です。
慶弔費も接待交際費の一種ですが、「慶弔費」として別の勘定科目で管理することも可能です。御祝儀や香典はそもそも領収書がもらえない性質の支出なので、出金伝票での記録が基本となります。品目やサービスの内容を明確にすることが必須です。
参考)交際費について、人数割の会費のような形で支払ったものがありま…
出金伝票を単体で使用しても、税務調査で経費として認められない可能性があります。
これは出金伝票が自分で作成できる書類であるため、証拠能力が領収書より低いためです。国税不服審判所の裁決では、客観的な裏付け資料がない現金支出の経費性が否定されました。
裏付けが必須条件です。
具体的な裏付け資料としては、銀行ATMからの現金引き出し記録、取引先とのメールやLINEのやり取り、手帳やカレンダーへの予定記録、名刺、議事録などが有効です。例えば接待交際費であれば、飲食店の予約確認メールや参加者とのメッセージ履歴が補強証拠となります。
交通費の場合は、打ち合わせ先の名刺や訪問記録、商談後のお礼メールなどを残しておくと良いでしょう。
つまり証拠の組み合わせが重要ということですね。
インボイス制度下では、出金伝票だけでは消費税控除が制限されるため、特に注意が必要です。公共交通機関の3万円未満の運賃などの特例を除き、適格請求書の保存が原則となります。
参考)「困ったときの出金伝票」は、インボイス制度でどうなるか?
個人事業主の出金伝票保管期間は、確定申告書の提出期限の翌日を起点として、原則7年間です。
参考)確定申告後の書類の保存期間は何年?個人事業主の場合を解説 -…
青色申告の場合、帳簿や決算関係書類は原則7年間の保存が必要となります。ただし、前々年分の事業所得および不動産所得の金額が300万円以下の場合、保存期間は5年間に短縮されます。
法人税法では、帳簿と取引等に関して作成または受領した書類を7年間保存することが定められています。会社法では、契約上のトラブルに対応できるよう、事業に関する重要な資料とともに10年間の保存が推奨されています。
7年が基本です。
出金伝票は領収書やレシートと同じ保管期間で、将来の税務調査や証拠提出のために必要となるため、正確な記録と保管を行うことが求められます。
決められた期間を守りましょう。
紙の出金伝票は、年度ごとにファイリングして保管すると管理しやすくなります。会計ソフトで電子的に作成した場合は、電子帳簿保存法の要件に従って保存する必要があります。
国税庁の個人事業主向けページでは、記帳や帳簿等の保存について詳しい情報が掲載されています。保管期間の起算日や具体的な要件を確認できるので、不安な点がある場合はこちらを参照すると良いでしょう。
マネーフォワードの出金伝票ガイドでは、個人事業主向けに勘定科目や注意点が詳しく解説されており、実務で使えるテンプレートも入手できます。初めて出金伝票を作成する場合の参考資料として活用できます。