在宅ワーク経費光熱費の計上方法と家事按分の注意点

在宅ワーク経費光熱費の計上方法と家事按分の注意点

在宅ワーク経費光熱費の計上

月額5,000円の電気代を50%按分するだけで否認されます。

この記事の3つのポイント
📊
家事按分の適正な計算方法

光熱費は床面積×労働時間÷2で算出し、合理的な根拠が必要です

⚠️
税務調査での否認リスク

按分比率に客観的証拠がない場合、家事関連費は最も多い指摘事項です

💼
従業員への経費負担ルール

企業は在宅勤務手当や一定額補助で光熱費をカバーする方法が一般的です

在宅ワークで光熱費を経費にできる基本条件


在宅ワークで発生する光熱費は、業務に使用した部分に限り経費として計上できます。自宅で仕事をしている場合、家賃や光熱費の一部も「事業をするうえで必要な支出」になるため、経費として計上することが可能です。ただし、生活費と事業費が混在しているため、全額を経費にすることはできません。

業務に必要不可欠なインターネット通信費、業務時間内の給水やトイレなどに使用する水道代、照明やパソコン器具に使う電気代が該当します。これらの費用を経費として会社側が負担しなければならないといったルールはありませんが、基本的には、会社側でどこまで負担するかというルールを定めて、経費として負担する必要があるでしょう。
参考)WeWork

個人事業主の場合、100%事業に関連している支出なら、もちろん100%経費になるので単純明快です。しかし、自宅兼事務所の場合は、プライベートと業務の区別が曖昧になるため、家事按分という方法で事業用部分を算出する必要があります。


参考)家賃は?電気代は?どこまでOK?在宅ワークの経費 - 在宅ワ…


在宅ワーク光熱費の具体的な計算方法

電気料金の場合、一般的には「1ヵ月の電気料金 ×(在宅勤務した部屋の床面積 ÷ 自宅の床面積)×(在宅勤務日数 ÷ 該当月の日数)÷ 2」として計算します。床面積が入っているので計算が複雑になりますが、労働時間と日数をもとに算出するという点は通信費の計算と同じです。


参考)在宅勤務における経費とは?光熱費や通信費の取り扱いについて解…

たとえば、とある月の電気料金が20,000円、自分の部屋の床面積が15平方メートル、自宅の床面積が80平方メートル、在宅勤務日数が30日のうち10日だったとします。すると、電気料金のうち、20,000円 ×(15㎡ ÷ 80㎡)×(10日 ÷ 30日)÷ 2 = 625円が経費となります。

労働時間をベースにすることが一般的ですが、より精緻な計算を行いたい場合は、業務用機器の消費電力から算出することも可能です。計算の手順としては、まず「24時間 – 8時間(睡眠時間)= 16時間」で日常のなかで光熱費がかかる時間を求めます。次に、光熱費がかかる時間のなかに、どれだけ労働時間が含まれているかを算出しましょう。
水道光熱費の按分比率は約24%程度が一般的な目安です。自宅兼事務所の電気代が月1万円なら、経費計上できる金額は月2,400円になります。


参考)https://www.diners.co.jp/ja/entry_form/corporate/kajianbun.html

在宅ワーク経費で税務調査での否認リスク

税務調査で最も否認されやすいのは、按分比率に合理的な根拠がないケースです。単に「50%」「70%」などと設定していたとしても、その比率が実態と合っていないと判断されると否認されてしまうおそれがあります。按分比率は、客観的な証拠に基づいて設定する必要があります

個人事業主はプライベートと事業の境界が曖昧になりがちなため、税務調査での家事関連費の否認は最も多い指摘事項の一つといわれています。例えば、自宅の一部を事務所として使用している場合に、実際には全体の10%程度しか業務に使用していないにもかかわらず、家賃の50%を経費計上しているようなケースです。

このような場合、調査官は実際の業務スペースの状況を確認し、按分比率の妥当性を判断します。実態と乖離した按分比率と調査で指摘されると、否認されるだけでなく、追徴税額が発生する可能性があります。

例えば、車両費の按分では運行日誌(業務で使用した日時、目的地、走行距離などを記録したもの)が重要な証拠となります。同様に、通信費の按分では、業務関連の通話や通信の記録が業務利用の証拠となります。これらの記録がなく、単に「感覚的に60%くらい業務で使っている」という説明は、税務調査では通用しません。

在宅ワーク光熱費の按分根拠と証拠資料の準備

経費の支払いを証明する基本的な証拠書類がなければ、そもそも経費として認められない可能性もあります。レシートや請求書には、可能な限り業務関連であることを示すメモを残しておくことが重要です。

按分比率の根拠資料としては、以下のようなものが有効です。


  • 業務日誌:毎日の労働時間と業務内容を記録したもの
  • タイムカード:在宅勤務の開始・終了時刻を記録したもの
  • 間取り図:業務スペースの床面積を明確に示す図面
  • 電気代の明細:月ごとの使用量と料金を確認できる書類
  • 業務用機器のリスト:パソコン、プリンターなどの消費電力を示す資料

仕事で使用する時間は事業ごとにさまざまですが、不自然にならない範囲で決めましょう。繁閑の差が大きい事業の場合は、一年中、繁忙期の稼働時間数から考えた使用割合で家事按分するのは不適切です。月ごとに時間数に応じた割合を適用したり、年間の稼働時間数を平均化したり、根拠を主張できる方法で使用割合を決めましょう。


参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/rent/

自宅の総面積のうち、事業用として使用しているスペースが1割以下の場合、家事按分ができない可能性があります。事業用スペースの面積が少なくても家事按分を行いたい場合は、労働時間や業務内容を詳細に記録し、事業での使用実態を証明できる資料を整備することが求められます。


参考)【税理士監修】家賃の何割まで経費にできる?自宅兼事務所の按分…

在宅ワーク従業員への光熱費負担ルール

企業が従業員の在宅勤務に伴う光熱費を負担する場合、明確なルールを定める必要があります。光熱費は業務使用分と個人利用分の線引きが容易でないため、毎月一定額を在宅勤務手当や補助金として支給している企業が目立ちます

在宅勤務では、従業員が自宅で業務を行う際に使用する電気料金も経費計上する必要があります。具体的には、業務に従事する時間帯に消費した電気代の一部を、企業が負担するケースが一般的です。


参考)在宅勤務(リモートワーク)の従業員への経費|計上できる範囲や…

テレワークなど業務のために使用した経費の額は「従業員が負担した基本料や通信費 × (1日8時間として計算した日数 / その月の日数)× 1/2」で算出する方法もあります。この計算式は国税庁が示している実費相当額の算定方法として参考になります。


参考)テレワークにかかる費用負担について~いわゆる実費相当額の計算…

在宅勤務時間に応じて、水道光熱費の一定の割合を企業が負担する方法が考えられます。具体的な金額や割合を設定するために、従業員の同意を得ておきましょう。在宅勤務であっても、勤務で必要となる文房具などの備品は企業側が経費として負担する必要があります。


法人の場合でも、自宅を業務使用している実態があれば、電気代の一部を法人経費として計上することは可能です。ただし、個人事業主のような「家事按分」とは異なり、法人と役員個人は法律上別人格のため、法人が自宅の費用を負担するには「会社が役員から業務用スペースを賃借している」という形式を整える必要があります。
参考)「在宅ワークにおける電気代の経費について(法人の場合)」

在宅ワーク光熱費計上での特殊なケースと注意点

親族間の取引については、税務署は厳しくチェックするため注意が必要です。家賃が相場より高額である場合や、実際は支払っていないのに経費計上する場合は家事按分が認められません。第三者に支払う家賃と同等の条件である旨を証明する書類や契約書を準備し、リスクを避けましょう。

配偶者名義の携帯電話料金や、子供名義のインターネット契約など、明らかに家族個人が使用しているものを事業経費として計上すると、税務調査で否認される可能性が高くなります。これは家族を従業員として雇用している場合も同様です。

1年間の家賃をまとめて家事按分し、経費として計上可能です。ただし、自宅を事業用として使用している割合を考慮して計算する必要があります。光熱費についても同様に、年間でまとめて計算する方法が認められていますが、月ごとの変動が大きい場合は月別に按分比率を調整することも検討すべきです。

副業で収入を得るために支出した部分は経費として認められます。経費計上で副業の所得が20万円以下になれば確定申告しないでよいかという質問がありますが、原則として確定申告は不要ですが、給与所得で年末調整をしていることが前提です。


参考)副業で家賃や光熱費は経費にできる?按分計算や確定申告について…

在宅ワークで意外と知られていないのは、デスクや椅子といった業務に必要な家具の購入費も経費として認められる場合があることです。書籍代やセミナー代、会計ソフトの使用料やサーバー代、打ち合わせのための交通費なども100%事業に関連している支出なら、もちろん100%経費になります。


家事按分では光熱費、インターネットなどの費用も経費として計上が可能です。家事按分は、納税額の減額に繋がるため覚えておきましょう。ただし、按分比率の設定には慎重さが求められ、実態に即した合理的な根拠を持つことが最も重要なポイントです。




未経験から稼げる「書く副業」のはじめ方|現役Webライター考案の独学勉強法! コロナ時代の在宅ワークを1か月で身につけて月5万円の副収入を稼ぐ (文章起業家シリーズ)