

プライベートでも使う車でも按分せず全額経費にできます
個人事業主が事業用車両にスタッドレスタイヤを購入した場合、一般的に「修繕費」「車両費」「資産維持費」のいずれかで処理します。
参考)タイヤ交換費用の仕訳に使える勘定科目まとめ
最も広く使われるのは修繕費です。タイヤ交換は車両の維持管理に必要な支出であり、車両の機能を原状に戻す行為と考えられるためです。車両費は自動車関連の支出を一括管理したい場合に便利な勘定科目として使われます。
参考)タイヤ交換の勘定科目は何になる?どれをどんな場合に使うのか解…
ただし20万円以上の高額なスタッドレスタイヤを購入した場合は注意が必要です。20万円以上の支出は資本的支出とみなされ、資産計上して車両本体と同じ耐用年数で減価償却する必要があります。
参考)スタッドレスタイヤを購入したら経費と資産どっち?を明確にしま…
普通自動車なら6年間、軽自動車なら4年間の耐用年数で減価償却計算を行います。
参考)【結論から】スタッドレスタイヤの耐用年数は?減価償却は可能?…
青色申告をしている個人事業主であれば、30万円未満の少額減価償却資産の特例を使って一括で経費計上できる場合もあります。この特例が使えるかどうかで税負担が大きく変わりますね。
参考)「スタッドレスタイヤを購入します。どう仕訳したらよいですか?…
個人事業主が事業とプライベートの両方で車を使用している場合、スタッドレスタイヤの費用も必ず家事按分しなければなりません。
家事按分の方法は主に2つあります。
1つ目は走行距離による按分です。
例えば年間総走行距離が10,000kmで事業用が6,000kmなら、按分割合は60%となります。2つ目は使用日数による按分で、年間365日のうち事業用に250日使ったなら約69%を経費にできます。
参考)【家事按分】車関係の按分割合の求め方と仕訳、勘定科目
按分割合の証拠としては、走行距離の記録や業務日報が重要になります。厳密には走行メーターを都度記録すべきですが、簡便的に車両の使用日数から算出する方法も認められています。
参考)「車の費用を私用と事業に按分する際の証拠資料」
按分後の金額が経費として計上できる部分で、残りは「事業主貸」として処理します。例えばスタッドレスタイヤが10万円で按分割合が60%なら、6万円が経費、4万円が事業主貸です。
按分割合は合理的な根拠に基づいて設定することが求められます。根拠のない割合は税務調査で否認されるリスクがありますね。
参考)社用車が税務調査で指摘されるケースと認められるポイント
スタッドレスタイヤが20万円以上になるケースは、SUVやミニバンなど大型車両でホイールとセットで購入した場合に起こりやすいです。
20万円未満であれば修繕費として即座に全額経費計上できます。この金額判断は税込経理方式なら消費税込み、税抜経理方式なら消費税抜きで行います。
20万円以上の場合、「車両運搬具」として資産計上し、車両本体と同じ耐用年数で減価償却します。
普通自動車なら6年、軽自動車なら4年です。
参考)社用車のタイヤ交換費用の経理処理。資本的支出か修繕費か
青色申告の個人事業主には特例があります。30万円未満なら少額減価償却資産の特例で一括償却が可能です。または一括償却資産として3年間の均等償却を選択することもできます。
参考)社用車のスタッドレスタイヤ - 相談の広場 - 総務の森
通常の夏タイヤへの交換は原状回復なので、20万円以上でも修繕費として処理できますが、スタッドレスタイヤは機能向上と判断されるケースがあるため扱いが異なります。金額が大きい場合は税理士に相談するのが確実です。
税務調査では社用車が本当に業務で使用されているか厳しくチェックされます。特に個人事業主の場合、私的利用との線引きが曖昧になりやすいため注意が必要です。
証拠として重要なのは以下の3つです。
走行記録は毎日つけるのが理想ですが、少なくとも月ごとの総走行距離と事業用走行距離を把握できる記録が必要です。スマートフォンのアプリやGPSログを活用すると記録が楽になりますね。
参考)按分とは?確定申告での家事按分の割合の決め方や仕訳方法 - …
税務調査で社用車が否認されると、修正申告や追徴課税が発生します。否認された金額に対して法人税が課されるだけでなく、過少申告加算税や重加算税などのペナルティも発生する可能性があります。
業務使用の実態が証明できない場合、按分割合を低く見積もられたり、最悪の場合は経費全体が否認されるリスクもあります。
記録不足は大きな損失につながりますね。
日常的に記録を残す習慣をつけることが、税務調査への最も有効な対策です。
青色申告を行っている個人事業主には、スタッドレスタイヤの経費処理で有利な特例があります。
最も強力なのが「30万円未満の少額減価償却資産の特例」です。この特例を使えば、本来なら減価償却が必要な20万円以上のスタッドレスタイヤでも、購入年度に一括で全額経費計上できます。つまり購入年度の節税効果が大きくなるということですね。
ただしこの特例には年間の合計額300万円までという制限があります。他の設備投資と合わせて管理する必要があります。
白色申告の場合や購入額が30万円を超える場合は、耐用年数に応じた通常の減価償却が必要です。購入時期によって減価償却費の金額が異なるため、具体的な計算は税理士に相談するのが確実です。
青色申告特例を活用するには、帳簿の正確な記録が前提となります。特例を使う場合は申告書に明細を添付する必要がありますので、購入時の領収書は必ず保管してください。
家事按分する場合、特例適用後の金額に按分割合をかけるのではなく、購入価格に按分割合をかけた後の金額が30万円未満かどうかで判断します。
この順序を間違えないようにしましょう。
参考リンクとして、青色申告の特例について詳しく知りたい方は国税庁の法人税基本通達を確認すると正確な情報が得られます。