

年末調整で保険料を申告し忘れると、最大4万円の控除を丸ごと取り逃がします。
収入保障保険は、「給与所得者の保険料控除申告書」の中の「一般の生命保険料」欄に記入します。これが最初に押さえておくべき基本です。
生命保険料控除には3つの区分があります。「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3種類で、収入保障保険は死亡リスクに備える保険であるため「一般生命保険料控除」に分類されます。医療保険や就業不能保険が「介護医療保険料控除」に該当するのとは区別が必要です。
「収入保障保険も医療系の保険に似ているから介護医療欄かも」と迷う人がいますが、そうではありません。控除区分の違いは大きな落とし穴なので注意が必要です。
保険料控除申告書の記入は、手元に「生命保険料控除証明書」を置きながら進めます。証明書は毎年10月ごろに保険会社から郵送、または電子データで届きます。以下の項目を順番に記入していきます。
| 記入欄 | 記入内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| ①保険会社等の名称 | 例:FWD生命、マニュライフ生命など | 控除証明書に記載 |
| ②保険等の種類 | 例:収入保障保険、家族収入保険など | 控除証明書に記載 |
| ③保険期間 | 例:10年、20年など | 控除証明書に記載 |
| ④契約者氏名 | 保険の契約者(通常は本人)の氏名 | 控除証明書の「ご契約者」欄 |
| ⑤受取人(氏名・続柄) | 例:山田花子・妻 | 保険証券またはマイページで確認 |
| ⑥新・旧の区分 | 「新」または「旧」を選択 | 控除証明書に記載 |
| ⑦本年中に支払った保険料 | 控除証明書の「ご申告額」を転記 | 控除証明書の下段 |
⑥の「新・旧区分」については、平成24年(2012年)1月1日以降に契約した保険は「新制度(新)」、平成23年(2011年)12月31日以前に契約した保険は「旧制度(旧)」を選びます。これが基本です。
参考:収入保障保険の年末調整と確定申告の手続きを詳しく解説
生命保険料控除証明書には「証明額」と「ご申告額」という2種類の金額が印字されています。どちらを記入するか迷う人が多いのですが、結論は明確です。
年末調整の申告書に記入するのは「ご申告額」の金額です。
「証明額」は保険会社が証明できる時点(例:証明書発行時点)までの実績額であり、「ご申告額」は1月1日から12月31日の1年分の払込保険料の見込み額です。月払い契約の場合、証明書の発行時点はまだ年末に達していないため、12月分も含めた「ご申告額」を申告するのが正しい記入方法です。
実際に記入すべき金額が「ご申告額」だということを知らず、「証明額」を記入してしまうと申告額が少なくなります。月払いで年間保険料が12万円の場合、10月発行の証明書の「証明額」は約10万円しかありません。残り2万円分を申告し損ねることになります。これは損です。
なお、年払い(一括払い)の場合は「証明額」と「ご申告額」が同じになるため混乱はありませんが、月払い・半年払いの場合は必ず確認してください。
電子的控除証明書(XML形式)を利用している場合は、年末調整ソフトや勤務先指定のシステムに取り込むことで自動入力が可能です。入力ミスを防ぐうえでも有効な方法です。
参考:控除証明書の「証明額」と「ご申告額」の違いについて
国税庁|No.1140 生命保険料控除
控除額の計算は、契約が「新制度」か「旧制度」かで計算式が変わります。これが原則です。
【新制度(平成24年1月1日以降の契約)所得税の場合】
| 年間払込保険料 | 控除額の計算式 |
|---|---|
| 2万円以下 | 払込保険料の全額 |
| 2万円超〜4万円以下 | 払込保険料 × 1/2 + 1万円 |
| 4万円超〜8万円以下 | 払込保険料 × 1/4 + 2万円 |
| 8万円超 | 一律 4万円 |
たとえば、年間保険料が12万円であれば8万円超に該当し、所得税の控除額は一律4万円になります。保険料が20万円であっても控除額は同じ4万円です。払えば払うほど控除が増えるわけではない点は覚えておきましょう。
【旧制度(平成23年12月31日以前の契約)所得税の場合】
| 年間払込保険料 | 控除額の計算式 |
|---|---|
| 2万5,000円以下 | 払込保険料の全額 |
| 2万5,000円超〜5万円以下 | 払込保険料 × 1/2 + 1万2,500円 |
| 5万円超〜10万円以下 | 払込保険料 × 1/4 + 2万5,000円 |
| 10万円超 | 一律 5万円 |
旧制度は上限が5万円と、新制度の4万円より1万円高い点が特徴です。古い契約のほうが控除が有利なケースもあります。
新制度・旧制度の両方の契約がある場合は、合算して控除を申告できます。ただし合算する際は「旧制度の控除額が4万円以上かどうか」で計算ルールが変わります。旧制度が4万円以上なら旧制度の控除額のみ(上限5万円)、4万円未満なら新旧合計で上限4万円までが控除対象です。
住民税の控除計算は所得税と計算式が異なります。新制度の住民税控除は各枠上限2万8,000円(3枠合計7万円)、旧制度は上限3万5,000円です。所得税の控除より低い水準になります。
参考:新旧両方の控除計算が必要な場合の詳しいルール
国税庁|旧生命保険料と新生命保険料の支払がある場合の生命保険料控除額
年末調整の書き方でよくある失敗パターンがあります。同じミスを繰り返さないよう、具体的に確認しておきましょう。
❶ 控除区分を「介護医療」と間違える
収入保障保険は「一般生命保険料控除」であり、「介護医療保険料控除」ではありません。同時に医療保険に加入している場合、混在しやすいので控除証明書の区分表記を必ずチェックしてください。証明書には「控除の区分」として「一般」「介護医療」「個人年金」のいずれかが印字されています。
❷ 受取人欄を空白にする、または間違えて記入する
受取人欄(氏名・続柄)が不完全だと控除が認められない場合があります。「妻・山田花子」のように氏名と続柄の両方を記入するのが原則です。受取人が確認できない場合は、保険証券や保険会社のマイページで調べてから記入しましょう。
❸ 「証明額」を誤って申告してしまう
前述のとおり、月払い契約では「証明額」ではなく「ご申告額」を記入します。これは意外に見落とされがちな点です。
❹ 新・旧区分を逆に記入する
平成24年(2012年)以降の契約が「新制度」です。古い保険に乗り換えや転換をした場合、転換後の契約日が適用されるため「新制度」扱いになります。転換した契約を「旧制度」と思い込んで記入するミスがあります。
❺ 控除証明書の添付を忘れる
書面の場合は必ず控除証明書を申告書に添付します。コピーは不可で、原本が必要です。ただし電子的控除証明書(XML)を使用する場合は、年末調整ソフトへの取り込みで対応可能です。
ミスに気づいた場合の対処として、年末調整の期限前なら勤務先への訂正が可能です。年末調整終了後であれば、5年以内に確定申告(還付申告)を行うことで控除を受けられます。
控除申告を忘れたとしても、5年以内なら還付申告で取り戻せます。これは知っておいて損のない知識です。
参考:申告漏れの対応や還付申告について
公益財団法人 生命保険文化センター|生命保険料控除の申告を忘れた場合
会社員であれば原則として年末調整で済ませられますが、状況によっては確定申告が必要または有利になるケースがあります。これは、一般的にはあまり語られない視点です。
年末調整だけでは対応できないケースとして、以下のような状況が挙げられます。
確定申告の場合、e-Tax(電子申告)を利用すると控除証明書の添付を省略できます。電子的控除証明書をそのままアップロードするか、画面に金額を入力するだけで手続きが完了します。5年間は控除証明書の保存義務があります。確定申告の期間は原則として2月16日から3月15日です。
もう一点、見落とされやすい独自ポイントがあります。収入保障保険の保険料控除申告では、「保険料を実際に払っている人(保険料負担者)」が控除を受ける権利を持ちます。たとえば、夫が契約者でも妻が保険料を払い込んでいる場合は妻が控除を受けられます。逆に「名義が自分だから自分が申告すべき」と思い込んで、実際の支払者でない人が申告するのは誤りです。
控除を受けられるのは「保険料を払っている人」が条件です。
家族間で収入保障保険を保有している場合は、誰が実際の保険料負担者かを確認したうえで、正しい方が申告することが重要です。同じ保険契約について二重に控除を申請することはできません。
参考:確定申告での生命保険料控除の手続きについて
国税庁|No.1140 生命保険料控除

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