小規模企業共済等掛金とは 年末調整の仕組みと手続き完全ガイド

小規模企業共済等掛金とは 年末調整の仕組みと手続き完全ガイド

小規模企業共済等掛金とは 年末調整

年末調整で控除証明書を紛失すると再発行に3週間かかります

この記事の3つのポイント
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小規模企業共済等掛金控除の基本

支払った掛金の全額が所得控除となり、上限なしで節税できる制度です

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年末調整での申請手順

控除証明書の「合計金額」を保険料控除申告書に転記するだけで手続き完了

⚠️
間に合わなかった場合の対処法

確定申告でも控除を受けられるので慌てる必要はありません

小規模企業共済等掛金控除の基本的な仕組み

小規模企業共済等掛金控除は、所得控除の一種で、支払った掛金の全額が所得金額から控除される制度です。この控除の対象となるのは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する小規模企業共済、確定拠出年金(企業型・個人型iDeCo)、心身障害者扶養共済制度の掛金です。


参考)No.1135 小規模企業共済等掛金控除|国税庁


他の所得控除と異なり、支払った金額の全額が控除されるため、節税効果が非常に高いのが特徴です。生命保険料控除のように上限が設定されていないため、掛金の額が多ければ多いほど控除額も増えます。


参考)小規模企業共済等掛金控除とは?利用できる掛金の種類や申告方法…

つまり全額控除です。


この制度は、小規模企業の経営者や個人事業主が将来のために積み立てる掛金について、二重課税を防ぐ目的で設けられています。掛金を支払った時点では課税されず、将来受け取る時に課税される仕組みになっています。


参考)小規模企業共済等掛金控除とは?上限や計算、年末調整や確定申告…

年末調整または確定申告で申請することで控除を受けられます。会社員などの給与所得者は年末調整で、個人事業主は確定申告で手続きを行うのが基本です。


参考)小規模企業共済等掛金控除


小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金の種類

控除の対象となる掛金は大きく3つに分類されます。第一に、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する小規模企業共済の掛金です。小規模企業の経営者や個人事業主が加入でき、月額1,000円から7万円まで500円単位で設定できます。


第二に、確定拠出年金法に基づく企業型年金加入者掛金と個人型年金加入者掛金(iDeCo)です。iDeCoは20歳以上60歳未満の国内在住者が加入でき、月額5,000円から6万8,000円まで設定可能です。専業主婦・主夫や企業年金のないサラリーマンの場合は月額2万3,000円が上限となります。

第三に、心身障害者扶養共済制度の掛金も対象です。地方公共団体が運営するこの制度は、障害のある方を扶養する保護者が加入できます。

これが対象の3種類です。


税務担当者として重要なのは、これらの掛金はすべて従業員本人が直接支払ったものに限られる点です。給与天引きで会社が支払った企業型確定拠出年金のマッチング拠出部分など、個人負担分のみが控除対象となります。


参考)【2025年最新】年末調整の書き方とは?各種控除申告書の記入…

小規模企業共済等掛金の年末調整での具体的な記入方法

年末調整での手続きには「給与所得者の保険料控除申告書」と「小規模企業共済等掛金払込証明書」の2つの書類が必要です。従業員から提出を受けた証明書を確認しながら、申告書の右下にある「小規模企業共済等掛金控除」欄に記入してもらいます。


参考)iDeCoの年末調整はどうやる?手続きと書き方を解説【202…

記入する金額は、払込証明書に記載されている「合計金額」をそのまま転記するだけです。証明書には「既払込掛金額」「12月までの掛金予定額」「合計金額」の3つの金額が記載されていますが、年末調整で使用するのは「合計金額」のみとなります。

具体的には、「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の欄に金額を記入し、さらに下の「合計(控除額)」欄にも同じ金額を記入します。小規模企業共済とiDeCoの両方に加入している場合は、それぞれの金額を記入し、合計額を計算します。


参考)年末調整と確定申告書の書き方

記入が完了したら、証明書を申告書に添付して勤務先に提出してもらいます。証明書の添付を忘れると控除が受けられないため、税務担当者としては提出書類の確認が重要です。


参考)年末調整の訂正や年末調整後の修正の仕方について


小規模企業共済等掛金の控除証明書の発送時期と注意点

小規模企業共済の掛金控除証明書は、当年中9月までに掛金の払込みがある方には11月に発送されます。当年に加入し、掛金の払込みが10月から12月の間に開始された方には、翌年2月に発送される仕組みです。


参考)掛金控除証明書

iDeCoの「小規模企業共済等掛金払込証明書」は、毎年10月下旬から順次発送となります。加入時期により発送時期が異なり、10月に初回払込があった方には11月下旬、11月に初回払込があった方には12月下旬に追加発行されます。


参考)令和7年「小規模企業共済等掛金払込証明書(控除証明書)」発送…


11月に届くのが基本です。


年の途中で掛金額を変更した場合、変更前と変更後の掛金額が反映された「合計金額」が証明書に記載されます。変更後の証明書が届いた場合は、勤務先に年末調整の修正が可能か確認する必要があります。


参考)小規模企業共済等掛金払込証明書が2枚届いた


税務担当者として注意すべきは、証明書が2枚届くケースです。掛金額の変更があった場合、前回発行時の払込金額と払込予定金額の合計額に変更が発生すると追加発行されます。この場合、新しい証明書の金額を使用するよう従業員に指示することが重要です。


小規模企業共済等掛金の年末調整でよくある記入ミスと対処法

年末調整での記入ミスで最も多いのが、証明書の「既払込掛金額」や「12月までの掛金予定額」を転記してしまうケースです。正しくは「合計金額」を記入する必要があります。この金額の選択ミスにより、控除額が実際より少なくなってしまうことがあります。

次に多いのが、証明書の添付忘れです。生命保険料控除や地震保険料控除と同様に、小規模企業共済等掛金控除も証明書の添付が必須となります。添付漏れがあると年末調整後に修正申告が必要になり、企業と従業員双方に負担がかかります。

厳しいところですね。


記入欄を間違えるケースもよく見られます。「社会保険料控除」欄と混同して記入してしまう従業員がいるため、税務担当者は提出書類のチェック時に記入欄が正しいか確認することが大切です。

もし記入ミスに気づいたら、訂正印を押して修正するか、担当者に相談して書き直す必要があります。提出後にミスに気づいた場合でも、年末調整の期限内であれば訂正できることが多いため、早めに申し出るよう従業員に周知しておくべきです。

年末調整の修正が不可能な場合は、従業員自身で確定申告を行うことで控除を受けられます。税務担当者としては、このような対処法も従業員に案内できるようにしておくと安心です。

小規模企業共済等掛金の年末調整に間に合わなかった場合の確定申告

払込証明書の発送時期の関係で年末調整に間に合わなかったり、提出を忘れてしまったりした場合でも、確定申告を行うことで控除を受けられます。確定申告の期間は2月16日から3月15日までとなります。


参考)年末調整でiDeCoの手続きを忘れた!確定申告で税金を取り戻…

確定申告では「申告書第一表」と「申告書第二表」に必要事項を記入します。第一表の左側にある「⑭小規模企業共済等掛金控除」欄に、払込証明書に記載されている合計金額を記入してください。


第二表の右側にある「⑭小規模企業共済等掛金控除」欄では、「保険料の種類等」に「個人型確定拠出年金」または「小規模企業共済」と記入し、「支払保険料等の計」に合計金額を記入します。

申告書に払込証明書と源泉徴収票を添付して税務署に提出すれば手続きは完了です。e-Taxで申請する場合は、「控除等入力」から「小規模企業共済等掛金控除」を選択し、証明書の合計金額を入力します。


参考)https://www.sjdc.co.jp/individual/procedure/paymentcert/


問題ありません。


年末調整済みの源泉徴収票に記載の所得控除額を修正する場合も、同様の手順で確定申告を行います。税務担当者としては、年末調整に間に合わなかった従業員に対して、確定申告での対応が可能であることを案内することで、従業員の不安を軽減できます。


参考)【確定申告書等作成コーナー】-年末調整済みの源泉徴収票に記載…

国税庁の小規模企業共済等掛金控除に関する詳細情報
国税庁の公式サイトでは、小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金の種類や控除額の計算方法について、法令に基づいた正確な情報が掲載されています。税務担当者が従業員からの問い合わせに対応する際の参考資料として活用できます。


中小機構の掛金控除証明書発送に関する最新情報
中小企業基盤整備機構の公式サイトでは、小規模企業共済の掛金控除証明書の発送時期や再発行手続きについて、年度ごとの最新情報が公開されています。証明書の到着時期を従業員に案内する際に役立ちます。