親族定義とは税務上の範囲と扶養控除相続税の影響

親族定義とは税務上の範囲と扶養控除相続税の影響

親族定義と税務

内縁の配偶者は何十年同居しても親族になりません。


参考)税法でいうところの「親族」とは - 渋谷区松濤の税理士「創栄…


この記事の3ポイント
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税法上の親族範囲

6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族が対象。民法の定義に準拠し、扶養控除や相続税の基礎控除に影響する

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内縁関係は対象外

事実婚や内縁関係にあるパートナーは法律上の配偶者でないため親族に含まれず、配偶者控除や扶養控除の適用を受けられない

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養子縁組の効果

養子縁組により法定血族となれば親族となり、相続税の基礎控除が600万円増加し生命保険金の非課税枠も拡大する

親族定義の税法上の基準

税務上の親族とは、民法第725条に基づき6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を指します。血族には実際の血縁関係がある自然血族と、養子縁組によって法律上親子関係がある法定血族の両方が含まれます。姻族は婚姻によって親族関係が生じる人で、配偶者の血族や自分の血族の配偶者が該当します。


参考)税法上の親族の範囲とは?図を用いてわかりやすく解説 - そよ…


この定義は所得税相続税、贈与税など税法全般で共通して使われます。


参考)内縁関係や養子縁組などの場合の扶養の取扱い


税務担当者は扶養控除や配偶者控除の判定時、この親族定義を正確に把握しておく必要があります。定義を誤ると控除適用の判断を誤り、納税者に不利益を与える可能性があります。


参考)【図解】扶養親族とは誰のこと?対象範囲をわかりやすく解説


親族定義における血族の範囲

血族は6親等内まで親族として認められます。具体的には、親子が1親等、祖父母や孫が2親等、曽祖父母や曽孫が3親等です。兄弟姉妹は2親等、おじ・おばや甥・姪は3親等、いとこは4親等となります。


参考)一親等の範囲はどこまで? 二親等だと相続税が増える?相続のギ…


つまり6親等です。


6親等まで認められるため、いとこの孫(6親等)まで親族として扶養控除の対象になりえます。遠い親戚でも生計を一にしていれば、扶養控除などの対象にすることができます。

親等の数え方は、直系尊属・卑属の場合は単純に世代数を数えます。傍系の場合は、共通の祖先まで遡ってから対象者まで下る世代数を合計します。


参考)親族とは

親族定義における姻族の範囲

姻族は3親等内までが親族として認められ、血族の6親等より範囲が狭くなっています。配偶者の親(義父母)は1親等の姻族、配偶者の祖父母や孫は2親等の姻族です。配偶者のおじ・おばは3親等の姻族として親族に含まれます。


参考)法律上の「親族」とは?|弁護士|舞鶴法律事務所


一方で、自分のいとこの配偶者は4親等の姻族となるため親族には含まれません。

所得税と社会保険では親族の範囲が異なる点にも注意が必要です。所得税は血族6親等内・姻族3親等内ですが、社会保険は血族3親等内・姻族3親等内と範囲が狭くなります。税務担当者はこの違いを理解し、適切に判断する必要があります。

親族定義と扶養控除の関係

扶養控除の適用を受けるには、扶養親族が配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)であることが前提条件です。さらに、納税者と生計を一にしていること、年間の合計所得金額が48万円以下であること、青色申告者の事業専従者でないことなどの要件も満たす必要があります。


参考)【2024年版】扶養控除の対象となる扶養親族とは誰のこと? …


生計を一にしているとは、家計を共にしているということです。

単身赴任や留学で別居している場合でも、休暇の際に帰宅したり仕送りをしたりしていれば「生計を一にしている」に該当します。この判断は実態に基づいて行われるため、形式的な同居の有無だけで判断しないよう注意が必要です。


参考)生計を一にしない家族とは?生計を一にする要件も解説!


扶養控除の金額は扶養親族の年齢や同居の有無によって異なり、一般の扶養親族で38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)で63万円などとなっています。

親族定義における内縁関係の扱い

内縁関係や事実婚のパートナーは、婚姻届を提出していないため民法上の配偶者ではなく、税法上も親族として認められません。何十年同居していても、生活を共にしていても、法律上の婚姻関係がなければ配偶者控除や配偶者特別控除の適用を受けることができません。


参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191_qa.htm


相続税においても、内縁のパートナーは相続権が認められず、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例、生命保険金の非課税枠などの適用も受けられません。基礎控除額の計算における法定相続人にも含まれません。


参考)内縁のパートナーに遺産をのこしたい。どうすればいい? 事実婚…


ただし、内縁のパートナーとの間に生まれた子は、認知があれば血族として親族に該当します。認知された子は扶養控除の対象となり、相続権も発生します。税務担当者は内縁関係の有無と認知の有無を確認し、適切に判断する必要があります。


参考)事実婚と税法


社会保険では事実婚のパートナーも扶養の対象にできる場合があり、税制との違いに注意が必要です。


参考)第1回 事実婚、お金の「夫婦」認定は社会保障と税制で差


親族定義と養子縁組の税務効果

養子縁組をすると、養子は法定血族として親族に含まれます。相続税の計算では、養子縁組により法定相続人の数が増えるため、基礎控除額が増加します。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されるため、養子1人につき600万円の控除額が増えます。


参考)【2025年最新版】相続発生!親族とは?血族、姻族、尊属の意…


生命保険金や死亡退職金の非課税枠も「500万円×法定相続人の数」で計算されるため、養子縁組により非課税枠が拡大します。


参考)養子縁組による相続税の基礎控除

孫を養子にすることで相続を一代飛ばし、相続税を節税できるケースもあります。ただし、被相続人の養子となった孫(代襲相続人を除く)は相続税額の2割加算の対象となる点に注意が必要です。


参考)養子縁組は節税対策になるか

養子の数には相続税の計算上制限があり、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までしか法定相続人の数に算入できません。税務担当者は養子縁組の効果と制限を正確に理解し、適切にアドバイスする必要があります。

国税庁「扶養控除」では扶養親族の詳細な要件が解説されています
創栄共同事務所「税法でいうところの『親族』とは」では親族の範囲と内縁関係の扱いが具体的に説明されています