

協会けんぽの保険料率、実は都道府県で最大1.43%も差があります。
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、健康保険法に基づき2008年10月に設立された公法人です。前身は厚生労働省の外局である社会保険庁が所管していた政府管掌健康保険でしたが、社会保険庁の廃止・解体により業務が引き継がれました。
参考)https://www.freee.co.jp/kb/kb-payroll/kyoukaikenpo/
独自の健康保険組合を持たない中小企業の従業員とその家族を対象とした健康保険の運営組織です。日本国内で最大の医療保険者で、約3,900万人が加入しています。
つまり日本最大規模ということですね。
参考)全国健康保険協会(協会けんぽ)とは? わかりやすく解説
加入者は医療費の窓口負担軽減や、出産・死亡時の給付、健康診断などのサービスを受けられます。被保険者及びその被扶養者の健康増進を図るとともに、良質かつ効率的な医療が享受できるようにすることを目的としています。
協会けんぽは中小企業が主に加入し、制度は全国一律ですが、保険料は地域別に設定されています。一方、健康保険組合は大企業や業界団体が設立する自主運営型で、保険料や給付に柔軟性があります。
参考)協会けんぽと健康保険組合の違いを徹底解説|中小企業の人事実務…
一般的に、常時700名以上の従業員を抱える大企業が自社で独自の健康保険組合を設立するのに対し、協会けんぽは健康保険組合を設立できない中小企業が加入します。
運営主体が異なるということです。
健康保険組合は協会けんぽと比べて、保険料率や給付内容を独自に設定できるため、費用面・福祉厚生面でメリットがある場合が多いです。協会けんぽは「標準化」重視、組合健保は「柔軟性」重視という特徴があります。
健康保険組合では付加給付として、法定給付に上乗せした給付を行うケースもあります。
これは組合健保だけの特徴です。
会社を設立し、常時雇用する従業員が5人以上になった場合は強制適用事業所となるため、「新規適用届」を提出しなければなりません。協会けんぽに加入するには、まず年金事務所で「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出し、同時に被保険者となる従業員の「被保険者資格取得届」も出す必要があります。
参考)協会けんぽとは?加入方法や他の健康保険との違いを解説!
提出書類として、届出する事業所が法人事業所の場合は法人(商業)登記簿謄本が必要です。事業主が国、地方公共団体または法人の場合は法人番号指定通知書のコピーも求められます。手続きは事業所の所在地を管轄する年金事務所で行います。
ただし、臨時に使用される人で日々雇い入れられる人(1か月を超えて引き続き使用される場合はその時点から被保険者)や、2か月以内の期間を定めて使用される人は適用が除外されます。
雇用形態によって例外があるんですね。
参考)健康保険・厚生年金保険の被保険者
協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに異なります。令和7年度の健康保険料率は、最も低い新潟県が9.35%、最も高い佐賀県が10.78%となっており、その差は1.43%にも及びます。
参考)協会けんぽの基礎知識|企業向け加入手続きから給付制度まで解説…
例えば報酬月額が30万円の場合、保険料率の差は3,210円になります。年間で換算すると約38,520円の差が生まれるため、事業所の所在地によって実質的な負担額が大きく変わることになります。
地域差が大きいということですね。
参考)健康保険料、実は都道府県で違うってご存知ですか?~みんなで健…
40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者に該当する方については、これに全国一律の介護保険料率1.60%が加わります。保険料は事業主と被保険者が折半して負担します。
参考)【協会けんぽ】令和8年度 任意継続被保険者の標準報酬月額の上…
保険料の納付期限から約20日後に督促状が発行され、その後10日以内に納付されない場合は延滞金(年14.6%)が課されます。さらに滞納が続くと催告書の送付、財産調査を経て、銀行預金や売掛金の差押えなどの強制徴収手続きに移行するため注意が必要です。
被保険者とは、協会けんぽに加入している従業員本人のことを指します。一方、被扶養者は被保険者の収入によって生計を維持している家族で、配偶者、子、孫、父母、祖父母、曾祖父母、兄弟姉妹などが該当します。
参考)健康保険(協会けんぽ)の被扶養者の範囲と年収要件
被扶養者になるためには、同居している場合は認定対象者の年収が130万円未満で、かつ被保険者の年収の半分未満である必要があります。同居していない場合は、年収が130万円未満で、かつ被保険者からの仕送額より少ないことが条件です。
年収要件が基本です。
被扶養者の病気やけがに対しては、家族療養費が支給されます。その給付の範囲・受給方法・受給期間などは、すべて被保険者に対する療養の給付と同様です。
参考)被扶養者に関する給付
被扶養者の範囲には、被保険者と同居していることが要件となるおじおば、おいめい、配偶者の父母など三親等内の親族も含まれます。また、日本国内に住所があることも要件の一つです。
協会けんぽの主な給付として、医療費の窓口負担が原則3割に軽減される療養の給付があります。これにより、病気やけがの際の経済的負担が大幅に抑えられます。
出産時には出産育児一時金が支給され、被保険者が死亡した場合には埋葬料が支給されます。また、病気やけがで仕事を休んだ場合には傷病手当金が支給されるなど、様々な場面で経済的サポートが受けられます。
交通事故など第三者の行為によるけがの治療に協会けんぽを使用する場合には、「第三者行為による傷病届」の提出が必要です。この届出を忘れると健康保険が使えない場合があるため、事故に遭った際は速やかに手続きすることが重要です。
届出が必須です。
参考)交通事故の治療費、健康保険が使えない本当の理由|原則と例外ま…
ただし、労働者が業務上の理由や通勤によって負傷した場合(業務災害・通勤災害)には、原則として健康保険ではなく労災保険が適用されます。仕事中や通勤中の事故では労災保険を優先的に使用する必要があります。
退職後も一定期間、協会けんぽに加入し続けることができる制度が任意継続被保険者制度です。退職前に2か月以上の被保険者期間があれば、退職日の翌日から20日以内に申請することで、最長2年間継続加入できます。
参考)Q.協会けんぽの任意継続被保険者の制度について教えてください…
任意継続をした場合の保険料は、退職時の標準報酬月額に各都道府県の保険料率をかけた額になります。ただし、退職時の標準報酬月額が上限額(令和8年度は32万円)を超えていた場合は、上限額で計算されます。
退職後の健康保険制度への加入は、任意継続のほか、国民健康保険への加入、または家族の被扶養者になるという3つの選択肢があります。それぞれの保険料や給付内容を比較して、最も有利な選択をすることが重要です。
任意継続の場合、在職中は会社と折半していた保険料を全額自己負担することになるため、保険料が約2倍になる点に注意が必要です。一方で、国民健康保険と比べて保険料が安くなるケースもあるため、退職前にシミュレーションしておくとよいでしょう。
全国健康保険協会の公式サイトでは、保険料率や給付内容の詳細を確認できます。制度の最新情報や手続き方法についても掲載されているため、実務担当者は定期的にチェックすることをおすすめします。