標準報酬月額とは何を見ればわかる調べ方

標準報酬月額とは何を見ればわかる調べ方

標準報酬月額とは何を見ればわかる

標準報酬月額の確認方法
📋
給与明細で確認

毎月の給与明細に記載された社会保険料から逆算して確認可能

📊
保険料額表で調査

協会けんぽの公式サイトで都道府県別の保険料額表を参照

🏢
人事部への問い合わせ

会社の労務担当者に直接確認する最も確実な方法

標準報酬月額の給与明細での確認方法

標準報酬月額は給与明細を見ることで間接的に確認することができます。給与明細には健康保険料と厚生年金保険料が記載されており、これらの金額から逆算して標準報酬月額を算出することが可能です。

 

具体的な確認手順は以下の通りです。

  • 健康保険料の確認 - 給与明細の控除欄に記載された健康保険料の金額をチェック
  • 厚生年金保険料の確認 - 同様に厚生年金保険料の金額を確認
  • 保険料額表との照合 - 協会けんぽの保険料額表で該当する等級を特定
  • 標準報酬月額の特定 - 等級に対応する標準報酬月額を確認

例えば、東京都在住で健康保険料が14,910円、厚生年金保険料が27,450円の場合、これは標準報酬月額30万円(22等級)に該当します。

 

⚠️ 注意点:給与明細に直接「標準報酬月額」と記載されている場合もありますが、すべての企業で表示されるわけではないため、保険料からの逆算が確実な方法です。

 

標準報酬月額の保険料額表での調べ方

保険料額表は標準報酬月額を確認する最も正確な方法です。協会けんぽに加入している場合は、協会けんぽの公式ホームページから都道府県別の保険料額表を入手できます。

 

保険料額表の見方

等級 標準報酬月額 報酬月額(以上〜未満) 健康保険料 厚生年金保険料
20 260,000円 250,000〜270,000円 12,870円 23,790円
21 280,000円 270,000〜290,000円 13,860円 25,620円
22 300,000円 290,000〜310,000円 14,850円 27,450円

🔍 調べ方の手順

  1. 自分の勤務地の都道府県を確認
  2. 該当する都道府県の保険料額表をダウンロード
  3. 月給の金額を「報酬月額」の欄で照合
  4. 対応する標準報酬月額と等級を確認

組合健保に加入している場合は、所属する健康保険組合に直接問い合わせる必要があります。組合健保では独自の保険料率を設定している場合があるため、協会けんぽの表は使用できません。

 

年度ごとに保険料率が改定される可能性があるため、常に最新の保険料額表を参照することが重要です📅。

 

標準報酬月額の等級と社会保険料の関係

標準報酬月額は等級制度によって管理されており、健康保険と厚生年金保険でそれぞれ異なる等級数があります。

 

等級の構成

  • 健康保険 - 1等級(58,000円)から50等級(1,390,000円)まで
  • 厚生年金保険 - 1等級(88,000円)から32等級(650,000円)まで

この等級制度により、月々の給与が多少変動しても社会保険料は一定に保たれます。例えば、報酬月額が290,000円から310,000円の範囲内であれば、どの金額でも標準報酬月額は300,000円(22等級)となります。

 

💡 メリット

  • 残業代の変動に左右されない安定した保険料
  • 労務担当者の計算業務の簡素化
  • 従業員の家計管理がしやすい

社会保険料の計算例(東京都・令和6年度)。

  • 標準報酬月額300,000円の場合
  • 健康保険料:14,850円(労使折半で個人負担7,425円)
  • 厚生年金保険料:27,450円(労使折半で個人負担13,725円)
  • 合計個人負担:21,150円

等級が上がるほど保険料も高くなりますが、同時に将来受け取る年金額や傷病手当金なども増加するため、単純に負担増とは言えない側面があります🎯。

 

標準報酬月額の計算方法と決定時期

標準報酬月額の算出は年1回、毎年7月1日に行われる「定時決定」で実施されます。計算の基礎となるのは、その年の4月から6月までの3ヵ月間の給与の平均額です。

 

基本的な計算式

標準報酬月額 = (4月給与 + 5月給与 + 6月給与)÷ 3

計算に含まれるもの

  • 基本給
  • 残業手当・時間外手当
  • 家族手当・扶養手当
  • 通勤手当
  • 精勤手当
  • 管理職手当
  • 各種資格手当

計算に含まれないもの❌。

  • 賞与(年3回以下の場合)
  • 臨時的なインセンティブ
  • 結婚祝い金などの慶弔金
  • 出張手当
  • 退職金

📊 実際の計算例

  • 4月給与:320,000円
  • 5月給与:310,000円
  • 6月給与:330,000円
  • 平均額:(320,000 + 310,000 + 330,000) ÷ 3 = 320,000円
  • 該当等級:23等級(報酬月額310,000円〜330,000円未満)

この計算結果により決定された標準報酬月額は、翌年の8月まで(つまり1年間)適用されます。ただし、大幅な給与変動があった場合は随時改定の対象となる可能性があります。

 

標準報酬月額の変更タイミングと手続き

標準報酬月額は原則として年1回の定時決定で更新されますが、特定の条件下では「随時改定」による変更が可能です。これは従業員の実際の給与水準と標準報酬月額に大きな乖離が生じることを防ぐためです。

 

随時改定の条件

  1. 昇格・降格による固定給の変更 - 基本給に2等級以上の差が生じた場合
  2. 労働時間の大幅な変更 - 正社員からパートタイムへの変更など
  3. 手当の新設・廃止 - 新たな手当の支給開始や既存手当の廃止

🔄 変更の流れ

  • 給与変更月から3ヵ月の平均を算出
  • 現在の標準報酬月額と2等級以上の差がある場合に適用
  • 4ヵ月目から新しい標準報酬月額が適用開始

産前産後休業・育児休業中の特例
産前産後休業や育児休業を取得する場合、標準報酬月額の改定が可能です。これにより、復職後の給与水準に合わせた適切な保険料負担となります👶。

 

手続きの注意点

  • 会社の労務担当者が年金事務所へ届出を行う
  • 従業員個人での手続きは基本的に不要
  • 変更には一定の時間がかかるため、即座に反映されない

給与に大きな変動があった場合は、人事部門に相談して随時改定の対象になるかどうか確認することをお勧めします。適切な標準報酬月額の設定により、過度な保険料負担を避けることができます💰。