相続支援センターの選び方から手続き費用まで完全解説

相続支援センターの選び方から手続き費用まで完全解説

相続支援センターの選び方と活用法

相続支援センター活用のポイント
📋
専門家の種類を理解

司法書士、税理士、行政書士など、それぞれの専門分野を把握して適切な専門家を選択

💰
費用相場の把握

手続き内容別の費用相場を事前に確認し、複数の事務所で比較検討

実績と評判の確認

相続案件の豊富な経験と実績、口コミ評価を総合的に判断

相続支援センターの種類と専門分野

相続支援センターには主に4つの専門家タイプが存在し、それぞれ異なる専門分野を持っています。

 

司法書士系の相続支援センター

  • 不動産の名義変更(相続登記)
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続人調査・戸籍収集
  • 遺言書の検認手続き

司法書士が運営する相続支援センターは、特に不動産相続に強みを持ちます。2024年4月から相続登記が義務化されたため、不動産を含む相続では司法書士への相談が不可欠となっています。

 

税理士系の相続支援センター

相続税が発生する可能性がある場合(基礎控除額3,000万円+600万円×相続人数を超える財産)は、税理士系の相続支援センターが最適です。

 

行政書士系の相続支援センター

  • 遺言書作成サポート
  • 相続手続きの書類作成
  • 官公庁への届出業務
  • 相続に関する相談業務

弁護士系の相続支援センター

  • 相続争いの解決
  • 遺留分侵害額請求
  • 遺言無効確認訴訟
  • 家庭裁判所での調停・審判

相続支援センターの費用相場と料金体系

相続支援センターの費用は、依頼する業務内容と専門家の種類によって大きく異なります。

 

司法書士への依頼費用

  • 相続登記:5万円~15万円(不動産の数により変動)
  • 遺産分割協議書作成:3万円~8万円
  • 相続人調査:3万円~10万円
  • 遺言書検認:3万円~5万円

税理士への依頼費用

  • 相続税申告:遺産総額の0.5%~1.0%
  • 相続税対策相談:時間制(1時間1万円~3万円)
  • 財産評価:個別見積もり

税理士費用は遺産総額に比例するため、高額な相続では費用も高くなる傾向があります。ただし、適切な税務処理により相続税を大幅に削減できる場合も多く、結果的に費用対効果が高いケースが多いです。

 

行政書士への依頼費用

  • 遺言書作成サポート:5万円~15万円
  • 各種書類作成:1万円~5万円
  • 相続手続き一式:10万円~30万円

追加費用として発生するもの

  • 戸籍謄本等の実費:1通450円~750円
  • 登録免許税:不動産評価額の0.4%
  • 公正証書遺言作成手数料:財産額により1万円~11万円

費用を抑えるコツとして、初回相談を無料で行っている相続支援センターを選び、複数の事務所で見積もりを取ることが重要です。

 

相続支援センターの選び方と比較ポイント

適切な相続支援センターを選ぶには、以下の比較ポイントを押さえる必要があります。

 

実績と専門性の確認
相続案件の年間取扱件数と解決実績を確認しましょう。特に、あなたの相続と似たケースの対応経験があるかが重要です。

 

  • 相続登記:年間100件以上の実績
  • 相続税申告:年間50件以上の実績
  • 相続争い解決:調停・審判での解決実績

対応エリアとアクセス
相続手続きでは複数回の面談が必要となるため、アクセスの良い場所にある相続支援センターを選ぶことが重要です。

 

料金体系の透明性
初回相談で詳細な見積もりを提示し、追加費用の説明が明確な事務所を選びましょう。「○○一式で△△万円」といった曖昧な料金設定の事務所は避けるべきです。

 

連携体制の確認
相続手続きでは複数の専門家が必要となる場合があります。司法書士、税理士、行政書士、弁護士が連携してワンストップでサービスを提供できる相続支援センターは、手続きの効率化と費用削減が期待できます。

 

相談のしやすさ
相続は感情的になりやすい手続きです。親身になって相談に乗ってくれ、分かりやすく説明してくれる専門家を選ぶことが大切です。

 

相続支援センターで対応可能な手続き一覧

相続支援センターでは、相続に関する幅広い手続きに対応しています。

 

基本的な相続手続き

  • 相続人の確定と戸籍収集
  • 相続財産の調査と評価
  • 遺産分割協議書の作成
  • 各種名義変更手続き(不動産、預貯金、株式等)
  • 相続税の計算と申告

不動産関連の手続き
不動産の相続では、相続登記が2024年4月から義務化されており、3年以内に手続きを完了する必要があります。

 

  • 相続登記(所有権移転登記)
  • 住所変更登記
  • 抵当権抹消登記
  • 不動産の売却サポート

金融機関での手続き

  • 預貯金の相続手続き
  • 投資信託・株式の名義変更
  • 生命保険の請求手続き
  • 借入金の承継手続き

税務関連の手続き
相続税の基礎控除額を超える場合は、相続開始から10ヶ月以内に相続税申告が必要です。

 

  • 相続税申告書の作成・提出
  • 準確定申告(被相続人の最終年分所得税申告)
  • 相続税の軽減措置の適用
  • 税務調査対応

その他の手続き

  • 年金の受給停止手続き
  • 健康保険の資格喪失手続き
  • 運転免許証の返納
  • クレジットカードの解約

これらの手続きを個人で行うと、平日の昼間に何度も官公署や金融機関を訪問する必要があり、非常に手間がかかります。相続支援センターに依頼することで、これらの面倒な手続きを一括して代行してもらえます。

 

相続支援センター利用前に準備すべき書類と情報

相続支援センターへの相談をスムーズに進めるため、事前に以下の書類と情報を準備しておきましょう。

 

被相続人に関する書類

  • 死亡診断書または死体検案書
  • 住民票除票(本籍地記載のもの)
  • 戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 印鑑登録証明書(有効期限内のもの)

相続人に関する書類

  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 相続人全員の印鑑登録証明書
  • 身分証明書のコピー

財産に関する書類

  • 不動産登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 固定資産税評価証明書
  • 預貯金通帳・証書
  • 株式・投資信託の残高報告書
  • 生命保険証
  • 借入金の残高証明書

その他重要な書類

  • 遺言書(ある場合)
  • 遺産分割協議書(作成済みの場合)
  • 贈与契約書(生前贈与がある場合)

これらの書類が不完全でも相談は可能ですが、正確な見積もりや手続きの進行には完全な書類が必要となります。特に戸籍謄本の収集は時間がかかるため、早めに取得しておくことをお勧めします。

 

準備しておくべき情報

  • 相続人の人数と関係性
  • おおよその財産総額
  • 不動産の所在地と用途
  • 借金の有無と金額
  • 相続人間での意見の相違の有無

実際に多くの相続支援センターでは、初回相談時にこれらの情報をヒアリングし、最適な手続きプランを提案してくれます。事前準備をしっかりと行うことで、より具体的で実用的なアドバイスを受けることができ、手続きの全体像と必要費用を正確に把握できます。