

勤労学生控除を申告すると親が年間6万円以上損をします
勤労学生控除とは、働きながら学校に通う学生の税負担を軽減する所得控除の制度です。所得税で27万円、住民税で26万円を所得から差し引けます。
参考)勤労学生控除とは?申告方法や扶養控除との関係をわかりやすく解…
対象になるには3つの条件をすべて満たす必要があります。第一に、給与所得などの勤労による所得があることです。アルバイトやパートの給料だけでなく、原稿料などの報酬も含まれますが、不動産収入や株の売却益は対象外です。
第二に、合計所得金額が85万円以下で、かつ勤労以外の所得が10万円以下であることです。給与収入だけの場合、給与所得控除65万円を差し引くため、年収150万円以下が目安になります。
つまり150万円までOKです。
参考)勤労学生控除とは?申告のやり方や親の扶養との関係を解説 - …
第三に、特定の学校の学生であることが条件です。小学校、中学校、高校、大学、大学院、高等専門学校が対象で、専門学校や職業訓練法人も要件を満たせば認められます。
参考)勤労学生控除について2021年の確定申告に備えよう、そのメリ…
2025年度の税制改正により、合計所得金額の要件が75万円以下から85万円以下に引き上げられています。アルバイト収入がある学生でも控除対象になりやすくなりました。
参考)勤労学生控除とは【2025年版】?メリットや扶養控除との関係…
給与収入が103万円以下なら基礎控除48万円と給与所得控除55万円で所得税がかかりません。
これが「103万円の壁」です。
勤労学生控除を使わなくても非課税ということですね。
参考)学生バイト103万の壁が130万に!勤労学生控除とは?
勤労学生控除を適用すると、さらに27万円が控除されるため、年収130万円まで所得税がかからなくなります。103万円を超えても130万円までは自分の税負担がゼロです。
27万円の追加控除が使えます。
ただし年収103万円を1円でも超えると、親の扶養控除の対象から外れます。親が受けられる扶養控除(一般で38万円、特定扶養親族で63万円)が適用されなくなり、親の所得税と住民税が増加します。
参考)https://www.invest-concierge.com/qa/working-student-deduction-parental-dependent-impact
親の税率が10%の場合、扶養控除38万円が消えると所得税・住民税合わせて年間約6万円の負担増になります。特定扶養親族(19歳以上23歳未満)なら約10万円以上増えることもあります。
家計全体で見るとかえって損です。
参考)勤労学生控除とは?親の税金は増えるの?条件や申告方法など学生…
勤労学生控除そのものは親の税金に直接影響しませんが、年収が103万円超になることで扶養から外れる点が重要です。
参考)勤労学生控除とは?税金、親の扶養、申請方法など。バイト学生向…
国税庁の「No.1175 勤労学生控除」では、勤労学生の定義と控除額の詳細が記載されています
勤労学生控除を受けるには「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出します。この書類は勤務先から配布されるか、国税庁のサイトからダウンロード可能です。
配布が一般的です。
記入手順は次の通りです。まず「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の欄で「勤労学生」にチェックを入れます。次に右側の「障害者又は勤労学生の内容」欄に、学校名、入学年月日、所得の種類、所得の見積額を記入します。
参考)年末調整の勤労学生控除とは? メリットや申告方法・書き方、注…
例えば「〇〇大学、2023年4月1日入学、給与所得73万円」のように具体的に書きます。所得の見積額は給与収入から給与所得控除を差し引いた金額です。年収130万円なら所得は75万円になります。
在学証明書の添付が必要になる場合があります。一般的な大学や短期大学では学生証のコピーで十分なケースが多いです。専門学校などは要件を満たすか学校に確認してください。
年末調整で申告し忘れても、翌年1月1日から5年間は還付申告できます。確定申告書に勤労学生控除の内容を記入し、在学証明書や源泉徴収票を添付して税務署に提出します。
「勤労学生控除の書き方(年末調整の記入例)」では具体的な記入例が画像付きで解説されています
メリットは本人の税負担を大きく減らせる点です。控除額は所得税で27万円なので、税率10%なら約2.7万円の節税になります。
住民税も含めると年間数万円の負担軽減です。
103万円を超えて働きたい学生には有利ですね。
一方でデメリットは親の税負担が増える点です。年収103万円を超えると親の扶養控除が適用されなくなり、親の所得税・住民税が増加します。扶養控除38万円(特定扶養親族なら63万円)が消えると、親の税率によっては年間6万円以上の負担増になります。
参考)https://domonet.jp/plus/post?id=1342
学生本人が数万円節税しても、親が6万円以上多く払うなら家計全体では損です。
世帯の手取りが減る可能性があります。
厳しいところですね。
対策は年収を103万円以内に抑えるか、家族で収入ラインを話し合うことです。親の所得や納税額によって影響が変わるため、事前に計算しておくと安心です。
税負担の試算を家族で共有しましょう。
国税庁のサイトや税務署の窓口で具体的な試算ができます。親の税率や扶養控除額を確認してから判断すれば、家計全体でベストな選択ができます。
税務担当者が勤労学生控除を確認する際、まず所得要件を厳密にチェックします。合計所得金額が85万円以下で、かつ勤労以外の所得が10万円以下という条件です。給与収入だけなら年収150万円以下が目安になります。
参考)【2025年】年末調整の勤労学生控除とは?メリット・デメリッ…
勤労以外の所得には注意が必要です。株の配当や不動産収入、仮想通貨の利益などが10万円を超えると対象外になります。従業員からの申告内容を源泉徴収票や給与明細で裏付け確認します。
確認が原則です。
学校の要件も重要なチェックポイントです。専門学校や職業訓練施設の場合、条件を満たしているか在学証明書で確認する必要があります。学生証のコピーだけでは不十分なケースもあります。
2025年度の税制改正で合計所得金額の要件が75万円以下から85万円以下に変更されています。過去の基準で判断すると誤りになるため、最新の要件を適用してください。
年度の確認は必須です。
参考)[2025年(令和7年)]年末調整の変更点3つと実務対応の注…
親の扶養控除との関係も説明が求められます。年収103万円超で勤労学生控除を適用すると、親の扶養から外れて親の税負担が増えることを従業員に伝える必要があります。世帯全体での税負担を考慮するよう助言しましょう。
参考)【2025年・令和7年】学生の給与所得者の扶養控除等(異動)…
還付申告の対応も押さえておきます。年末調整で申告漏れがあった場合、翌年1月1日から5年間は還付申告が可能です。従業員から問い合わせがあれば、確定申告での対応方法を案内してください。
マネーフォワードの「【2025年】年末調整の勤労学生控除とは?メリット・デメリットや申請方法」では実務での注意点が詳しく解説されています